3月17日、WRC世界ラリー選手権第3戦『ラリー・メキシコ』の競技2日目は、SS3~SS10まで計8本のステージで争われ、ヒョンデ・シェル・モビスWRTのエサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合トップに立った。日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、アクシデントによりデイリタイアとなっている。
標高2000メートルを超えながら日中は30℃前後まで気温が上昇する、クルマにもクルーにも厳しいラリーが始まった。前日の16日(木)にグアナファト市街地での2本のスーパーSSを終えた各車は、この17日(金)のデイ2より本格的なグラベル(未舗装路)ステージを戦っていく。
【順位結果】2023年WRC第3戦ラリー・メキシコ SS10後
■波乱の幕開け、Mスポーツ・フォードWRTの3台全車がストップ
デイ2のオープニングとなったSS3は今大会2番目に長い29.07kmの“エル・ショコラテ”。同ステージに出走順1番手で臨んだオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)はターボにトラブルを抱え15.8km地点で一度ストップ。ふたたび走り出したもののレーシングスピードでの走行は難しく、いきなり7分30秒以上のタイムを失ってしまう。
また、僚友のピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)は、スタートから19.6km地点の右コーナーでフロントをヒットさせて走行不能に陥った。
さらに、プライベーターとして3台目のフォード・プーマ・ラリー1を走らせるジョルダン・セルデリディスも同じくSS3でアクシデントを起こし、道を塞ぐかたちでストップしてしまう。赤旗の原因となった彼はルーベとともにデイリタイアとなっている。
■早くもラッピとオジエの一騎打ちに
Mスポーツ勢が試練に見舞われるなか、オープニングステージで速さを見せたのはヒョンデのラッピだった。髭を生やして今大会に臨んでいるフィンランド人は、前日の首位タナクを逆転して総合トップに浮上し、ステージ2番手で総合でも2番手に順位を上げてきたセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)を1.2秒リードする。
続くSS4はオジエが、ラッピを0.4秒上回るタイムでステージ優勝を飾りギャップを縮めるが、午前のループ最後のSS5ではラッピがやり返し、その差を1.4秒と拡げてミッドデイサービスを迎えることとなった。
サービスを挟んで行われた午後の再走ステージでも、ラッピ、オジエ、ラッピの順で午前のループを再現するようにステージ優勝を分け合った両名。SS8を終えた時点でトップ2のギャップは3.4秒と僅差だったが、3番手以降とは26秒差と間隔があいた。
SS9として行われた全長3.53kmのスーパーSS“ラス・デュナス・スーパースペシャル1”で今大会5度目のベストタイムを記録したラッピは、この時点で通算6度のメキシコウイナーを6.9秒後方に追いやることに成功したが、僚友のダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)が制したSS10では7番手タイムに終わったことで、最大のライバルとの差は5.3秒に縮まっている。
「正直、ちょっと驚いている。僕のキャリアの中でもおそらく最高の日だった」とデイ2を振り返ったラッピ。
「いつもトップで戦えればいいと願っていたけれど、セブ(セバスチャン・オジエ)とトップを戦うなんて考えもしなかった。この日がどうなるかは考えていなかったが、自分たちのペースが良いという自信だけはあった」
■エバンスとヌービルが3番手を争う
首位ラッピから約30秒、チームメイトのオジエからは約25秒後方の総合3番手につけたエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、SS4でソルドからポジションを奪ったあと順位をキープしている。午後のループの途中までウェールズ人と僅差の争いを続けていたソルドは、SS7で左リヤタイヤのパンクによってタイムを失い、順位を総合4番手から6番手に下げた。
彼に代わって総合4番手に上がったティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)は、午前中にハイブリッドユニットのトラブルに見舞われた。また、午後には右リヤのダンパーとドライブシャフトのブーツが破損したが、ベルギー人はそのまま走行を続けて3番手のエバンスに接近中。両者の差はデイ2終了時点で9.7秒となっている。
この日2番手スタートを強いられた“現王者”のカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、戦前の予想どおりルーズグラベルの掃除役となったことで、序盤からタイムを失いトップと1分弱の差、4番手のヌービルから19.9秒遅れて総合5番手となった。
■勝田貴元のGRヤリスが崖下に転落
17日に30歳の誕生日を迎えた勝田は、総合7番手で迎えたSS5の終盤にマシンコントロールを失いコースオフ。約3メートルほどの崖下にクルマを落としてしまい、残念ながらこの日のラリーを終えている。幸い勝田とジョンストンに怪我はなかった。
ラリー1勢に3台のデイリタイアが出たほか、タナクのスローダウンによってトップ10リザルトの後方には4台のラリー2車両が並んだ。その中でトップにつけるのはシュコダ・ファビアRSラリー2を駆るガス・グリーンスミスで、前年の僚友アドリアン・フルモー(フォード・フィエスタ・ラリー2)を8.5秒リードしている。前日、WRC2クラストップにつけたエミル・リンドホルム(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)は3番手に後退。カエタン・カエタノビッチ(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)がクラス4番手となっている。
18日(土)のデイ3は今大会最長の一日となり、SS11~19までの9本のステージ、合計126.52kmで争われる予定だ。
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