台風19号接近により、土曜日には一切の走行セッションが行われないことになった2019年のF1日本GP。日曜朝の鈴鹿は空も清々しく晴れ渡り、まだ風は強いものの決戦への準備が着々と整いつつある。
ただ土曜日の走行セッションがなくなったことで、各チーム/ドライバーともに金曜日から精力的に走行を重ねた。そのデータを分析してみると、勢力図の一端が見えてくる。
【動画】2019年F1第17戦日本GPフリー走行2回目ハイライト
FP1に比べて路面状況が改善したFP2では特に、各車が周回を重ねた。最も多くの距離を走ったのはフェラーリのセバスチャン・ベッテル。実に37周を走破した。
ただそんなFP2で最も印象的な走りを見せたのは、メルセデス勢だ。
ルイス・ハミルトンはソフトタイヤを履き、14周の連続走行。ラップタイムも1分34秒台に揃え、しかもデグラデーション(タイヤの性能劣化がペースに及ぼす影響)も1周あたり0.021秒と実に小さかった……。速く、そして安定した走行を実現したのだ。
ハミルトンのチームメイトであるバルテリ・ボッタスは、ミディアムタイヤのロングランを担当。こちらはハミルトンのペースよりさらに速い1分34秒台前半を並べた。しかもやはりデグラデーションは小さい。
メルセデスのふたりのロングランペースは、他チームと比較すると群を抜いている。しかもハミルトンとボッタスでプログラムを分け、しっかりとタイヤの評価を行なった感がある。そういう点で、彼らが今回のグランプリ優勝最有力候補であると言えそうだ。また彼らはこのロングランを行った際、まずソフトタイヤで走り出し、ガレージ前でミディアムタイヤに履き替えてすぐにコースイン……という走行プログラムを、ふたりのドライバー共に採用。ここからすると、彼らはソフトタイヤでスタートし、ミディアムに履き替える1ストップ作戦を想定しているようにも思える。
メルセデスに続くのはレッドブルだろうか? レッドブルはマックス・フェルスタッペン、アレクサンダー・アルボン共に、ソフトとミディアムでロングランを行った。その中でフェルスタッペンはミディアムタイヤを履き、5周と短い連続周回ながらも、1分34秒台でまとめた。ただ、デグラデーションの値はメルセデス勢よりも大きそうだ。
アルボンの方が安定感はあるが、ペース自体はフェルスタッペンから約1秒落ち。燃料搭載量などプログラムが異なっていた可能性はあるが、メルセデスとフェルスタッペンからは少し差をつけられている印象だ。
少し心配なのはフェラーリ勢である。フェラーリはFP2でシャルル・ルクレールが4番手、セバスチャン・ベッテルが5番手となり、この初日の出遅れを「想定外」だと語っている。しかもそれだけではない。ルクレールはソフト、ベッテルはミディアムでロングランを行ったが、いずれもデグラデーションが大きい。特にベッテルは、当初は1分35秒台の安定したペースで走ったものの突如ペースがガクリと落ち、1分37秒台となったのだ。ルクレールも同じように、最後の数周でペースを落としている。燃料を多めに積んでいたとしても、この極端なラップタイム推移には疑問符が付く。
中団グループ勢でタイムシートの最上位につけたのは、マクラーレンのカルロス・サインツJr.だった。サインツJr.は後続に0.25秒の差をつけるペースで走り、頭ひとつ抜け出た感がある。
ただ印象的なロングランを見せたのはルノー勢だ。ルノー勢はタイムシートではダニエル・リカルドが17番手、ニコ・ヒュルケンベルグが18番手と下位に沈んだ。しかしロングランでは、リカルドが新品のミディアムタイヤで1分34秒台を記録。その前のソフトタイヤでの走行でも、非常に小さなデグラデーションで走った。予選さえうまくくぐり抜けることができれば、マクラーレンと”ベスト・オブ・ザ・レスト”を巡って激しく戦うことになりそうだ。
その他、レーシングポイントやトロロッソ・ホンダなども、まずまずのペース。特にレーシングポイントはデグラデーションが実に小さく、セルジオ・ペレスは10周以上のロングランをミディアムタイヤで実施し、デグラデーション値はマイナスだった(つまり走行距離を重ねることで、ペースが上昇)。トロロッソのダニール・クビアトも、やはりミディアムで同じような傾向を見せている。このあたりが入賞圏内を争うラインとなるかもしれない。
FP2のデータ通りにメルセデスが強さを見せるのか? それともここ数戦強さを見せてきたフェラーリ勢がやはり強さを発揮するのか? 2019年のF1日本GPは、13日(日)に予選・決勝の両セッションが行われる。
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