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【MotoGP】「マルケスほど汚いライダーはいない」MotoGPレジェンドのバレンティーノ・ロッシ、場外バトル多発2015年の争いで批判再び

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【MotoGP】「マルケスほど汚いライダーはいない」MotoGPレジェンドのバレンティーノ・ロッシ、場外バトル多発2015年の争いで批判再び

 ロードレース世界選手権で合計で9度チャンピオンに輝いたレジェンドライダーのバレンティーノ・ロッシ。彼は最近MotoGP現役時代を振り返った際に、ライバルだったマルク・マルケスとの確執について言及し、当時と同じようにマルケスを批判した。

 2015年シーズン当時、ヤマハに所属していたロッシは10度目のタイトルを目指していたが、チームメイトのホルヘ・ロレンソを相手に5ポイント差で敗北した。そしてそのシーズン、ロッシはマルケスとコース内外で頻繁に衝突していた。

■クアルタラロ「僕のアイドルはロッシ。でも史上最高なのはマルケス」

 ロッシの考えは「ロレンソの戴冠を助けるために、同郷のスペイン人であるマルケスが企てをしていた」という趣旨で、両者の関係はそれまでのモノから一変……現在に至るまでその関係は修復されていない。

 VR46アカデミーのコーチを務めている元Moto3ライダーのアンドレア・ミーニョが司会を務めるポッドキャスト番組に出演したロッシは、MotoGPキャリアを振り返ると、まだ癒えていない傷があると示唆した。

 マルケスとロッシの2015年シーズンの争いは、その序盤から始まった。特にきっかけとなったのは第3戦アルゼンチンGPで発生した接触転倒の事件だ。

 2015年アルゼンチンGP決勝では、マルケスとロッシが優勝を争った。しかし最終盤にロッシがマルケスにしかけたところ、接触がありマルケスが転倒……ロッシが勝利を手にする結果となった。

「スポーツレベルでは、僕にとってこれまでで起きたことの中で最悪の出来事だった」と、ロッシは2015年を振り返った。

「マルケスとの争いはアルゼンチンで始まった。彼はミディアムのリヤタイヤを選んでいて、僕はハードを選んでいた。彼は逃げていたけど、僕も追いついて彼を捕まえたんだ」

「ターン3のあとのストレートで彼を捉えて、オーバーテイクするために上手くブレーキングした。そこで僕は右コーナーに上手く入ったんだ。そこでは皆が常にいい感じで処理してきたのに、彼は激しく僕に迫ってきた」

「僕は彼を抜いたけど、彼は僕にぶつかってくるしかチャンスがないと思っていたんだ。彼は僕を倒そうとして、僕を追いかけてわざと転ばせようとした」

「負けたくなかったんだろう。僕は自分のラインに戻ったけど、不幸なことに接触があった。あっちがそうしてくるなら、僕もやり返す。それで(マルケスが)転倒したんだ」

「それ以来僕らの関係は完全に壊れてしまった。このエピソードがあったにもかかわらず、彼は僕と仲が良いふりをしていたよ。勝手にね」

■マルケスがタイトル“獲らせない”工作?

 ふたりの次なる衝突はオランダGPだった。このレースでは最終ラップに再びふたりが接触したが、ロッシはシケインのコース外をまっすぐ駆け抜けて、そのままフィニッシュし勝利している。

「最後のシケインで彼が仕掛けてくるだろうなというのは分かっていた。できる限りハードなブレーキングを試みたけど、彼がまた迫ってきた。僕を振り落とそうとしていたんだ」

「その瞬間、僕はシケインをカットし、そして勝利した。僕は限界までブレーキをかけていて、彼はコーナーを曲がるどころか僕を転倒させるようなブレーキをかけてきた。なんとか留まろうとしても、それは簡単ではなく、僕はシケインへ回避して勝った。それだけだ」

「パルクフェルメで彼は怒っていたけど、あんな表情は見たことがなかった。『(コーナーを)カットすれば勝つのは簡単だね』と言ってきたよ」

「僕は彼に、そっちが迫ってきていたと話し、(あの瞬間)どうすべきだったのかと聞いたし、客観的になるべきだとも言った。あの時から(両者の関係は)本当に終わってしまった」

 またロッシはオランダGPでの出来事を受け、マルケス陣営がロッシに対して警告を送り始めていたとも主張している。

「特に(マルケスのマネージャーだったエミリオ)アルサモラが、パドックを回って『マルケスがタイトルを獲れないのなら、ロッシも勝てないだろう』と言っているのを聞いたよ」

「彼らはそれを何人かのスペイン人に伝えて、それを僕はスペイン人の友人から聞いたんだ。彼らは僕に、最後の数戦では気をつけろと伝え始めていた。(ロッシの腹心のアシスタントだったアレッシオ・サルッチ)ウッチョですらマルケスに気をつけるように言っていた」

■同郷ロレンソを手助けした?

 マルケスとバトルの末、4位に終わったオーストラリアGPも、ロッシはライバルの意図的な行為があったと主張する。

 ロッシは当時タイトル争いを繰り広げていたロレンソを、マルケスが助けていたと考えている。しかし実際のところ、マルケスは最終ラップでロレンソを追い抜いて勝利して重要な5ポイントを奪っているため、この主張は説得力が弱い。

「マルケスは(オーストラリアGPで)かなり優れていて、レースを通じて僕と戦っていた。そして彼は僕を打ち負かした上で勝ったんだ」

「僕らは事実を話している。タイムを見れば、彼がやっていたことが分かる。そういうもの(わざとゆっくり走っていたという仮説)ではない。明らかな事実だ」

 オーストラリアGPの次戦マレーシアGPで、ロッシはマルケスがロレンソの戴冠を助けようとしていると公然と批判を展開した。

「マレーシアでは記者会見で彼に対抗した。それは彼がやっていることを皆の前で話すことで、そういうのを止めてくれることを期待したからだ」

「それに、彼はそういうことをする必要はなかった。チャンピオンシップを争っているのは僕とロレンソだったんだよ」

「タイトルを争っていたなら、(マルケスの行為も)理解できる。でも関係がないのなら、チームメイトですらないんだから、他の人を怒らせないようにリスペクトする必要がある」

「自分のレースをして、勝とうとすればいい。それだけだ。でもセパンではそのことが痛かったし、気になったんだ」

 そして、そのマレーシアGPでは更に事態が悪化した。ロッシとマルケスと争っていた際、ふたりは接触しマルケスは転倒……その際ロッシが“蹴り”を入れたように見えたことから、大きな問題となった。

「彼は僕のことを3~4回転ばせようとしたけど、ラッキーなことに僕には当たらなかった」

「彼ともの凄く接近したけど、『OK、何バカなことをしているんだ?』という感じだった」

「僕らは接触しただけだ。彼のことを倒したいとは思っていなかったけど、転倒してしまった。彼のせいで僕はチャンピオンシップを負けたんだ。バレンシアでは最後尾スタートにされてしまったからね」

 ロッシはこのマレーシアGPの一件でペナルティポイントが付与され、最終戦バレンシアGPで最後尾スタートの罰則を受けた。これがタイトル争いにおける決定的な瞬間となったと言える。

■「彼ほど汚いライダーはいない」

「レース後、スチュワードに呼び出されたんだ。僕はヤマハのマッシモ・メレガリと一緒にいて、マルケスはエミリオ・アルサモラと一緒だったけど、アルサモラは僕のことを侮辱し始めた」

「彼はホンダの人間ではないのになぜここにいるのかと尋ねた。ちょっとした小競り合いになったよ。最終的にマイク・ウェッブ(レースディレクター)がバレンシアで僕が最後尾スタートになることを発表した。MotoGPでは初めてのことだった」

「通常なら彼らは僕をセパンで罰していただろうし、それなら僕は3位ではなく5位でフィニッシュになっていただろう」

「彼らが、マルケスのことを故意に転ばせたと思ったのなら、そうすべきだった。でもそうはせず、バレンシアでの最後尾スタートにしたんだ。それが決め手になり、僕はチャンピオンシップを失った」

「マルケスは頭を下げていた。僕は彼に、こういうことをすることで残りのキャリアでそれを背負うことなると話した。このスポーツにとって、相手を負けさせるのは酷いことだからね」

「最後尾スタートだと言われた瞬間、彼は顔を上げてアルサモラの方を見て笑ったんだ。まるで『やったぜ』というようにね」

 ロッシは自らの考えについてまとめ、マルケスはモーターサイクルレースの歴史の中で『最も汚いライダー』であると表現し、2015年シーズンはロッシを負けさせることを望んでいたのだと繰り返した。

「マルケスはとても強いライダーでチャンピオンだ」

「彼は常にとても無礼だし、とてもアグレッシブだ。でも2015年には、ラインを越えてしまった」

「スポーツマン精神が無かったり攻撃的で汚いにしても、ボーダーラインを超える可能性がある事例については、数多く上げられる。でもモータースポーツ界のビッグスターの間でも、他の相手を負けさせるために戦ったのは、他に誰ひとりとして存在しない。それが境界線なんだ」

「普通、人の行動は自分のためにするものだし、勝ちたいから、アドバンテージを得たいからダーティなことをしてしまうんだ」

「彼ほど汚いライダーはいないよ」

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みんなのコメント

13件
  • はむたーまうんてん
    まさにあの時のマルケスは酷かった。
    ロッシの邪魔して、転倒させようとしている走りは粘着で見苦しく、醜かった。レースディレクションはこういう時こそ動かなきゃいけないのにうごかないね。去年のマシアもそうだった。
  • KarryEls
    セパンの妨害、バレンシアでペドロサからホルヘを守ったり、あの年のおマルはほんとに酷かった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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