6月4日、レッドブルが今シーズン末で契約が切れるセルジオ・ペレスとの契約を2025年から2年間、延長すると発表した。カナダGP前日の国際自動車連盟(FIA)の会見でペレスは今回の契約について、次のように語っている。
「すべての交渉がそうだと思うが、常にプロセスを踏まなければならない。それがなくなったいま、チームにとっても僕自身にとっても、純粋にコース上のパフォーマンスに集中できることは、素晴らしいことだと思う。しかも、2026年にはテクニカルレギュレーションが新しくなる。レギュレーションが変更されるときに、同じチームの一員であることはとても大切なことだと思う」
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さらにペレスは2026年以降もレッドブルに残り、レッドブルで現役を終えたいとも語る。
「他の選択肢もあったけど、僕には、プランAしか頭になかった。それはレッドブルに残ることだ。引退するのがいつになるかはわからないけど、ここでキャリアを終えたいと思っている。このチームは僕に多くのものを与えてくれたから、最後のラップまで、このチームのためにベストを尽くしたい」
しかし、前戦モナコGPで接触事故によりダメージを負ったペレスのマシンに搭載されていたパワーユニットは、いまもなお調査中だ。ホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎(トラックサイドゼネラルマネージャー)は、現状をこう説明する。
「まだHRC Sakuraで調査している最中ですが、現在のところ、視覚的にもデータ的にも、もう使えないという状況にはなっていません。ただクラッシュによるインパクトは大きかったので、引き続き慎重に調査したいと思っています」
懸念している点は何か。
「エンジンもターボもエンジンを切れば、基本的にはオーバーヒートによるダメージには至りません。ただ、機械的なダメージに関してはテープパイプが破損していたので、テープパイプからターボへ入力が入ったりしますので、そのあたりは入念に確認しないといけないと考えています」
ホンダはレッドブルと話し合いのうえ、ペレスのクラッシュとは関係なく、カナダGPに3基目のパワーユニット(ICE、ターボ、MGU-H、MGU-K)を投入することにしていた。そのため、モナコGPでクラッシュしたパワーユニットはじっくりと時間をかけて確認作業が行われている。
ところが、金曜日のフリー走行では、マックス・フェルスタッペンが「変な臭いがする」と言って緊急ピットイン。セッションのほとんどの時間をガレージのなかで確認作業に費やすこととなった。
「FP1はあいにくの天候で、FP2もあまり周回を重ねることができなかった。電気系統の問題が疑われたので、チームからピットインするように言われた。いま、ガレージで何が問題なのか調査している」
チームからの情報によれば、「フェルスタッペンのトラブルはERS」だという。ERSとは、Energy Recovery Systemの略で、エネルギー回生システムのことだ。
果たして、フェルスタッペンのERSはどのような状況なのか。そして、ホンダとレッドブルはどのような決断を下すのか。モナコGPに続いて、カナダGPでも頭を悩ませる週末が続きそうだ。
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