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マイチェンで140psに出力アップ トヨタ・カローラ・ツーリングへ英国試乗 実力向上

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マイチェンで140psに出力アップ トヨタ・カローラ・ツーリングへ英国試乗 実力向上

1.8Lハイブリッドが140psに

多くの自動車メーカーが、欧州で施行されるCO2排出量規制の達成のために、高効率なハイブリッド・モデルの開発と導入を急いでいる。そんななかで、トヨタは涼しい顔を保っている。

【画像】マイナーチェンジ カローラ・ツーリング 欧州で競合するファミリーカーと比較 全110枚

プラネタリー・ギアによるCVTを組み合わせた、シリーズ・パラレル方式のハイブリッド・システムは、1997年の初代プリウスから採用が始まった。以来改良を続け、多くのモデルのパワートレインを担うまでに成長している。

その最新版がカローラにも搭載されているが、マイナーチェンジにあわせて、システムがアップデートを受ける。英国仕様ではエントリーグレードとなる、1.8L版のハイブリッドではその変更度合いが特に大きいようだ。

今回試乗したステーションワゴンのカローラ・ツーリング・スポーツ(ツーリング)の場合、従来は最高出力が121psで、0-100km/h加速は11.1秒と平凡なものだった。しかし新しい2023年版では140psと9.2秒へ、大幅に向上するという。

しかも、単に速くなるわけではない。ドライビング体験の向上にも、しっかり時間が割かれている。トヨタのハイブリッドには付きものだった、CVT特有のダイレクト感に欠けるアクセルレスポンスが改善した。回転数が不必要に高まる特性も。

この年次変更は1.8L版だけでなく、2.0Lハイブリッドにも施されている。こちらは英国仕様で6psが上乗せされ、0-100km/h加速を7.5秒へ短縮。それでいて、CO2の排出量を107g/kmへ小さくしている。

制御改善で向上したCVTのフィーリング

さらに2.0L版では、駆動用バッテリーがニッケル水素から1.8L版と同じリチウムイオンへ変更される。それでも、変化度合いでいえば1.8L版の方が大きい。

トヨタによれば、ドライブ・モードの設定にも手を加えたとしている。マイナーチェンジ後のエコ・モードでは、駆動用モーターを活用する時間を長くすることで、エンジンの始動時間を短縮したそうだ。

また、駆動用モーター自体も強化されており、走りも若干活発さが増したという。第一印象の限りでは、その違いは極めて小さいようだけれど。

実際に運転してみると、郊外の道を積極的に走ればCVTだなと感じることは事実ながら、フィーリングはだいぶ良くなっている。フルスロットルを与えなければ、仮想の段数を含みつつ、高い回転数を保たないように制御されていることがわかる。

1.8Lエンジンは洗練性も高く、耳障りなノイズが聞こえてくることもない。燃費も良好で、今回の試乗では平均で20.4km/Lという数字が表示されていた。

筆者が感心したのが、ブレーキの効きの改善。従来のカローラ・ハイブリッドでは、助手席の人へ気付かせないように滑らかに止まることが難しかった。最新版ではペダル操作への反応が漸進的になり、体を揺さぶることなく、スッと停止することができる。

回生ブレーキの効きの強さも自動調整

運転支援システムもアップデートされた。なかでも、アダプティブ・クルーズコントロールにレーダー・センサーを採用した点がトピックだろう。

これによって、減速時にどの程度の回生ブレーキを効かせるべきか、周囲の状況から自動的に判断してくれるようにもなっている。制御も直感的なものだと感じた。

マイナーチェンジとして、ルックスにも手が加えられている。ヘッドライトのデザインが新しくなり、アルミホイールの選択肢が変更された。インテリアでも、インフォテインメント用タッチモニターや、モニター式のメーターパネルなどが更新されている。

メーター用モニターは鮮明でクリア。必要な情報を表示できるよう、ドライバーがカスタマイズすることもできる。少々、切り替えが面倒ではあるが。

インフォテインメント・システムもアップデートされたものの、利便性が良くなったわけではない。モニターのサイズは大きく、グラフィックも高精細ではある。反応も素早いが、ラジオのボリュームなどを含めて、ショートカットキーが存在しない。

スマートフォンのミラーリング画面から、システム自体のインターフェイスへの切り替えも手間に感じる。同等のシステムを搭載するトヨタ・アイゴXには、実際に押せるハードボタンのショートカットキーが付いていて、操作性では勝る。

カローラへ実装されなかったことに、疑問を感じてしまう。以前からのトヨタの弱点でもある。

実力を一層引き上げる小変更

それ以外のカローラは、好感度の高いCセグメントのまま。走りは快適で車内空間は広々。ステーションワゴンのツーリングなら荷室も広い。コーナーをエキサイティングに旋回するわけではないが、操縦性のまとまりも良い。

ちなみに、今回のアップデートが適用されたカローラが英国市場で販売されるのは、2023年の前半。英国価格の発表も、もうしばらく待つ必要がある。

今回試乗させていただいたのは、完成前のプロトタイプだった。大きく価格が上昇しない限り、優秀なファミリーカー、カローラの実力が一層引き上げられることは間違いない。

カローラ・ツーリング・スポーツ(ツーリング)1.8ハイブリッド・プロトタイプ(英国仕様)のスペック

英国価格:未定
全長:4653mm
全幅:1790mm
全高:1445mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:9.2秒
燃費:−
CO2排出量:102g/km
車両重量:1400kg(予想)
パワートレイン:直列4気筒1798cc自然吸気+永久磁石同期モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:140ps(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:CVT

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みんなのコメント

7件
  • 1.8Lより2Lハイブリッドの方が気になる、まだ日本仕様には無いよね
  • プリウスカローラCHRに2000ccハイブリッドだとUXの面目丸潰れ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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