もくじ
ー 運転席、走行環境に合わせスライド
ー ボディサイズ、どれくらい?
ー 0-100km/hを2秒未満 満充電15分
全固体電池、一体なに? 説明できる? 仕組みや材料、実用化は
運転席、走行環境に合わせスライド
アウディは、米国カリフォルニア州モントレーで開催されるペブルビーチ・オートモーティブ・ウィーク(ペブルビーチ・コンクール・デレガンス)において、デザイン及びテクニカルコンセプトカーを初公開する。
名前は「アウディPB18 eトロン」だ。
このコンセプトカープロジェクトでは、アウディが現在取り組んでいる自動運転のレベル3/4/5と明確な差別化を図る目的で、「レベル0」というスローガンが掲げられた。
ドライバーがステアリングを操作し、アクセルペダルやブレーキペダルを踏み込む必要がある。したがって、自動運転を実現するための複雑なシステムを搭載する必要がなく、快適機能のために重量が増加することもない。
インテリアには運転席とコックピットが設置される。このコックピットは、横方向にスライドするインナーモノコックシェルに組み込まれている。
1名で運転する場合、このコックピットは、レーシングカーのように、サーキット走行に最適な中央位置にモノポストとして移動できる。
これは、制御装置との機械的な接続を必要としない、ステアリングとペダル類のバイワイヤ設計によって可能になったという。
ボディサイズ、どれくらい?
パッケージは、キャビンを可能な限り車両の前方に配置した、伝統的なミドシップスポーツカーの構造に従っている。
クルマの重心は、シートの後方、リアアクスルの前方にあるため、優れたドライビングダイナミクスを実現している。
このコンセプトカーには、従来の駆動システムを備えたクルマのように、エンジン及びトランスミッションユニットは搭載されていないが、その代わりにバッテリーパックが配置される。
アルミニウム、カーボン、複合材を組み合わせることで、ボディの基本重量を抑えている。特に、全固体電池のおかげで、総重量は1550kg未満になると予想される。
全長は4.53m、全幅は2m、全高は1.15m。ホイールベースは2.70m。カーゴスペースは470ℓ。
フロントボンネットを通る新しいエアフロー経路を採用。ボンネットは深く沈み込み、ノーズを横切って左右のフェンダーを接続するラテラルブリッジとしての役割を担うと同時に、エアディフレクターとしても機能するという。
ホイール径は22インチで、フロントには275/35タイヤを、リアには315/30タイヤを装着。電気ブレーキと連動して作動するカーボンブレーキディスクは19インチとなる。
0-100km/hを2秒未満 満充電15分
コンセプトカーは、3つの強力な電気モーターを搭載。ひとつはフロントに、ほかのふたつはリアに設置される。
後者はステアリングナックル中央に配置され、ハーフシャフトを介して、それぞれがひとつのホイールを直接駆動する。
フロントアクスルには最大150kW、リアアクスルには350kWの出力が供給される。「クワトロ」システムを搭載。最高出力は500kWだが、ブーストモードでは一時的に最大570kWのパワーを利用することが可能だ。
84.6kg-mの最大トルクとの組み合わせで、このコンセプトカーは、0-100km/hを2秒未満で加速。このタイムは、最新のLMP1レーシングカーに限りなく近い数値である。
水冷式の全固体電池は、95kWhのエネルギー容量を備えており、1回の充電で、WLTPサイクルにおいて500km以上を走行することができるとアウディはいう。また、800Vの急速充電に対応できるように設計されている。それにより、約15分でバッテリーを完全に充電することができる。
また、アウディワイヤレスチャージング(AWC)による非接触充電にも対応。これは、クルマを駐車するフロアに内蔵コイルを有する充電パッドを配置して、それを電源に接続することによって行われる。
独立懸架式のフロント及びリアサスペンションは、ロワ及びアッパートランスバースコントロールアーム上に設置され、レーシングカーによく見られるように、フロントアクスルにはプッシュロッドシステムを、リアアクスルにはプルロッドシステムを採用。ショックアブソーバーは、前後共にマグネティックライド式のアダプティブダンパーを装着する。
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