「軽」も4か月連続マイナス
text:Naojiro Onuki(大貫直次郎)
全国軽自動車協会連合会がまとめた2020年1月の軽自動車の国内新車販売台数(速報値)は、前年同月比12.8%減の13万8639台と4か月連続でのマイナス、しかも2か月連続での2桁減を記録した。
1月期のブランド別新車販売台数では、日産が前年同月比6.8%増の1万7741台と唯一プラスを記録したものの、それ以外はすべてマイナス。
ただし、ダイハツは同16.7%減ながら4万2346台を販売して、2か月ぶりのシェアトップにつく。前月首位のスズキは同11.6%減の4万1571台と落ち込み、第2位に陥落。
また、ホンダは電動パーキングブレーキの不具合でNワゴン(N-WGN)の生産を一時停止していた影響もあって(1月20日に生産再開)同13.6%減の2万7008台。
三菱自は新型スーパーハイトワゴンのeKクロススペース/eKスペースの発売直前で買い控えが発生したこともあって同28.9%減の3638台と2桁減となった。
一方、OEM供給を受けるブランドではスバルだけが1桁減(同7.3%減の1821台)に抑えたものの、それ以外のブランドはすべて2桁減に落ち込んだ。
業界団体関係者の声を確認してみよう。
eKクロススペース発売 3/19に
1月期の軽自動車の新車販売動向に関して業界団体の関係者は、「一定程度はあった9月期の消費税アップ直前の駆け込み需要による反動減もあり、1月期の新車販売は苦戦を強いられた」と説明。
「また、スズキの新型ハスラーの発売が1月下旬で、さらに日産と三菱自動車の新型スーパーハイトワゴンなどが発売直前ということもあり、一部で買い控えが起こったこともマイナス比率を高めた要因。価格が近接する2月発売のトヨタ・ヤリスやホンダ・フィットなどとの比較検討もあった模様」と指摘する。
今後については、「スズキが大規模リコールの影響から立ち直りつつあり、また販売台数を伸ばしそうな新型車や特別仕様車が各ブランドから鋭意リリースされることから、復調は十分に期待できる。一方、消費税増税に伴う市場の節約志向が新車販売にどれくらい波及してくるかは注視していく必要がある」と分析した。
新型Nワゴン 10位
1月期の軽自動車の車名別ランキングでは、ホンダNボックスが前年同月比1.2%減ながら1万8953台を達成して2か月連続でのトップにつく。
続く第2位には、同5.4%増の1万4266台を成し遂げた日産デイズが1つ順位を上げてランクイン。第3位には、同13.5%減の1万2411台を売り上げたスズキ・スペーシアが1ランクダウンで入った。
昨年12月にお買い得グレードのセレクション・シリーズを追加設定してテコ入れを図ったダイハツ・タントは、同6.0%減の1万2332台にとどまって、前月と同順位の第4位に甘んじる。
ちなみに、登録車と合わせた車名別ランキングでは、ホンダNボックス、日産デイズ、スズキ・スペーシア、ダイハツ・タント、トヨタ・ライズの順になり、トップ3を3か月連続で軽自動車が占めた。
注目のニューモデルの動きを探っていこう。1月20日より新型に切り替わったスズキ・ハスラーは前年同月比0.3%増の5534台を達成して第8位に、1月20日に生産を再開したホンダNワゴンは同22.0%減ながら3372台を販売して第10位に、検査体制の再構築を図るとともに増産体制に入ったスズキ・ジムニーは同6.2%増の2559台で第13位にランクイン。
また、昨年10月に発売したトヨタ・コペンは201台の販売を記録し、OEM元のダイハツ・コペンの214台に迫る数字を成し遂げている。
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みんなのコメント
もっと根本的に、軽自動車購入層のなかから軽自動車の新車購入が出来ない(しない)層が増えてきているのでは?