2017年10月の無資格者完成検査問題に端を発した相次ぐ困難に見舞われながらも、2019年度上半期(4~9月)の世界生産台数は2年ぶりのプラスとなるなど、明るい材料も出てきたスバル。
しかし「この先は道のりは平坦か?」といわれれば、軽々には肯定できない、いくつもの現実が横たわっている。スバルに突きつけられた課題を、自動車評論家 鈴木直也氏が語る。
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※本稿は2020年1月のものです
解説:鈴木直也/写真:SUBARU、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年2月26日号
■「水平対向シンメトリカル4WD」の“ツケ”が顕在化する?
スバルの課題。少なくはないけど、今後さらに厳しくなるCAFE(企業別平均燃費基準)の規制、それがらみのことが大きな課題になるのは目に見えている。
地球環境のための燃費規制で、欧州2021年規制の場合、CO2排出量は95g/km。燃費値にすれば、約24.0km/Lになる。
一台だけのクルマでなく、企業平均がこれ。今のスバルの水平対向エンジン、パワートレーンではこれをクリアするのは難しい。
燃費対策をずいぶん前から後回しにしてきたから、だ。
水平対向シンメトリカル4WD、これがスバルのウリで、北米でクルマが売れ、利益が出ているのでやめられない。
水平対向シンメトリカル4WDのイメージ図。水平対向エンジンを核としたパワートレーンが左右対称・一直線にレイアウトされ良好なバランスを生み出し、4輪に配分されたトルクを無駄なく発揮できる=4輪駆動のポテンシャルを最大限に引き出せる、というシステム
数年前からずっとそう。次世代のエンジンを作らないといけないんだけど、「北米で好調の現状路線でいいじゃないか」と、次の手を先送りしてきたのが今の現状だ。
■環境専用の水平対向エンジン
例えばトヨタはヤリスで1.5L、3気筒を出してきた。従来の4気筒ではないパッケージング。この先の燃費対策も万全。
資本力が違うといえばそうだけど、マツダのSKYACTIV-Xのような凝ったものをやるなど、先を見据えた対策が急がれると思う。
次期レヴォーグで1.8Lターボを搭載し、対策を打つようだけど、迫っている燃費対策の根本策にはなっていない。
また北米のXV(クロストレック)に搭載されるPHVもあるけど、現状コストがかかり価格競争に負けており、現実的ではない。
クロストレックプラグインハイブリッド(XV)
では、どうすればいいのか?
私が思うに「内燃機関の改善」が急務で、まずエンジンそのものを作り変えて、そのうえで電動化対策でしょう。
「環境専用の水平対向エンジン」が必要。徹底的にドラスティックに環境志向へ振ったものです。もっとも私がこういう話をしなくとも、スバル内部では当然考えていることでしょうけどね……。
■一気にEV開発へ
もうひとつの対策としては、内燃機関は現状のブラッシュアップを図りつつ(新たなエンジン開発には着手せず)、一気にEVへ飛び越える! という方法。
これからのダイナミックなばん回策として、これはありでしょう。
現状、スバルが好調なのは北米のおかげ。欧州は燃費規制もあり少しずつ撤退方向。アジア圏は他社が強く、日本ではまずまずの販売台数。
2019年6月、スバルとトヨタはEV(電気自動車)専用プラットフォームやEV車両の共同開発に合意したことを公表している
そして北米。現在、トランプ政権の政策もあり、燃費規制はゆるいけど、この先、いつ厳しくなるかわからない。北米でも急激に電動化やEVにシフトする可能性もなくはない。
そのためにも「環境専用の水平対向エンジン」を早く作ることが重要。
■スバルのすべてを盛り込む
そうはいっても、エンジンやEV開発は短期間ではできない。電動化対策が迫るなかでスバルはどうするのか!?
e-BOXERの48Vハイブリッドシステムや北米のPHV(XV)など、スバルにあるもの、あの手この手を盛り込み、“迫る電動化対策”を乗り切るしかない。
CAFE規制をクリアできなければ、罰金を払い続けながら次の「環境エンジン」を開発する、という策しかない……かも。そんななかで、日産e-POWERのような知恵から生まれた裏技が創出される可能性だってある。
2018年7月にモデルチェンジしたフォレスターに設定されたe-BOXER搭載モデル「アドバンス」
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みんなのコメント
分かり切った事、資本提携の背景まで範囲広げて書いてよ。