現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 2025年モデルがラスト? 愛と青春のGT-R【新米編集長コラム#7】

ここから本文です

2025年モデルがラスト? 愛と青春のGT-R【新米編集長コラム#7】

掲載 9
2025年モデルがラスト? 愛と青春のGT-R【新米編集長コラム#7】

近づく約四半世紀のエンドロール

GT-Rである。もちろん今回のコラムのテーマだが、その選択理由は前回壮大な前置きとして書かせて頂いたので、いきなり本題に入ることにしよう(気になる方は下にスクロールして、前回のコラムをご覧ください)。

【画像】これでラスト? 日産GT-R2025年モデル 全55枚

日産GT-Rの2025年モデルは、今年の3月14日に発表された。その特徴は以下のとおりだ。

・『プレミアムエディション』に、青を基調とした専用特別内装色『ブルーヘブン』を新設定
・『プレミアムエディションTスペック』と『トラックエディション・エンジニアードbyニスモTスペック』のピストンリング、コンロッド、クランクシャフトなどに、今まで『ニスモ・スペシャルエディション』のみに採用していた、高精度重量バランス部品を採用。レスポンスの精度を高めた
・この2モデルには、赤文字で匠の名が刻まれたアルミ製ネームプレートと、ゴールドのモデルナンバープレートを、新たにエンジンルーム内に採用

価格帯は1444万3000円~2289万1000円と、随分遠い世界に行ってしまったが、モデル概要や台数を考えれば、これでも安いという見方もある。最終モデルになるかは明言されず、もしかしたらさらにラストの限定車もあり得るが、約四半世紀続いたそのヒストリーは、間違いなくエンドロールが近づいているというのが業界の予想だ。

ヘタなSUVよりも乗り心地がいい

さて、日産自動車の地下駐車場で対面した2025年モデルは、『プレミアムエディションTスペック』だった。ボディカラーはアルティメイトシルバーだ。

乗り込むと、タイトなシート、メーターと一体化され上下方向のみ動くステアリング、メーターまわりのカーボン、ショートなシフトノブ、3連の調整スイッチなど、次から次へと目に飛び込んできて、おお、と気が引き締まる。

ノーズを擦るのが怖くて、そろりそろりと駐車場の坂道をあがり、地上へ出た。恐る恐るアクセルを踏んでいるから、当然ながら動きも重い。低~く唸りながら、GT-Rはゆっくりと走り出す。

それまで普通のSUVに乗っていたせいもあり、ステアリングは重いというか、しっかりと手ごたえがある。スケジュールの都合上、そこから一気に120kmくらいを走ることになっていて、これで長距離はキツいか? と思いきや、わりと早めの段階で、ヘタなSUVよりも乗り心地がいいと驚いた。正確には足の処理、収まりがよくて、長年作ってきた熟成を感じさせるではないか。

運転席から見ると、ボンネットが意外と盛り上がっていることに気が付いた。武骨なイメージとは異なる、流麗さすら感じる。そしてボンネットの下には、『VR38DETT(3.8LV型6気筒DOHCツインターボ)』! 前回書いた我が家にあったY31型グロリア・グランツーリスモの『VG20E(2リッターV型SOHC6気筒)』とは、記号性からして段違いだ。

これは気持ちよく走れるスポーツカー

2008年に初めて乗った時は恐ろしく速いと思ったが、今はそれほどには思えなかった。しかしこれはあくまで相対的な話で、570psと言われて驚かないのは、完全にこちらがマヒしているだけだ。ボディサイズも同様で、当時はかなり大きく感じたが、全長4710×全幅1895×全高1370mmは、現代のスーパースポーツカーとしては、それほど大きくない部類となった。

しばらく高速道路を普通に乗っていたら、左の太ももがじわじわと熱くなり、触るとセンターコンソール付近も熱いことに気が付いた。6速デュアルクラッチと4WDのパワートレインがあるのだから当然かもしれないが、え、イマドキ? とちょっと驚いた。インターフェイスも古さを感じさせ、車両価格だけみれば、それに見合ってない気もする。しかしデザインも含めて、基本的な部分は確かに古いが、それは決してネガではなく、むしろ『心地よい古さ』と書くことに抵抗は覚えない。

翌日、撮影を兼ねて峠を目指した。するとワインディングでの身のこなしがよく、「これは気持ちよく走れるスポーツカーだなぁ」と印象がどんどんよくなっていく。

頂上付近で、インバウンドの方々がレンタルしてきたと思しき、インプレッサなど国産スポーツカーたちに出会った。そういう『頭文字D』的な世界においてGT-Rは天上車と言えるが、実はそうではなく、『GT』らしく、シレッとスマートに乗るほうがいいのではないかと思えてくる。

「あ、このクルマにはまった」

V6ツインターボの加速感。適度に重いステアリングと高いトレース能力。熟成された素晴らしい足まわり。4WDならではの安定感。合計300kmくらいを走行し体が馴染んできたら、GT-Rと一体になる、「あ、このクルマにはまった」と思う瞬間があった。そこから、思春期の頃から憧れてきた日産スポーツカーの頂点ともいえる、GT-Rへの愛おしさが止まらなくなり……。

約四半世紀、GT-Rは様々な時代を乗り越えてきたが、電動化の時代を迎え、いよいよこういったエンジン車のスポーツカーでは未来がないのかもしれない。でも、このボディサイズで、この作り方で、もう一度エンジンを搭載するスポーツカーを作ってほしいと、コクピットで左の太ももにじわじわと熱さを感じながら、そう願う自分がいる。

そして思い浮かんだのが、『愛と青春のGT-R』というタイトルだ。ないものねだりとはわかっていても、もっと愛に満ちたGT-Rの青春感を浴びていたいと思った。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

現代に調和しない「特異の美学」 パンサー:J72からカリスタまで フェラーリに迫った価格
現代に調和しない「特異の美学」 パンサー:J72からカリスタまで フェラーリに迫った価格
AUTOCAR JAPAN
ワイド&ローな存在感! マセラティ・キャラミ デ・トマソ・ロンシャン(2) エキゾチックさで誘惑
ワイド&ローな存在感! マセラティ・キャラミ デ・トマソ・ロンシャン(2) エキゾチックさで誘惑
AUTOCAR JAPAN
【お勧めは4WD】インド生まれの侮れない日本車、スズキ・フロンクスに初乗り!
【お勧めは4WD】インド生まれの侮れない日本車、スズキ・フロンクスに初乗り!
AUTOCAR JAPAN
最新 BMW M5へ試乗 2024年へ再解釈されたスーパーサルーン! 727psのプラグインHV
最新 BMW M5へ試乗 2024年へ再解釈されたスーパーサルーン! 727psのプラグインHV
AUTOCAR JAPAN
2024年版 世界最高峰のハイパーカー 「速さ」の限界に挑む "夢" の超高性能車 10選
2024年版 世界最高峰のハイパーカー 「速さ」の限界に挑む "夢" の超高性能車 10選
AUTOCAR JAPAN
ジャガーとブガッティを愛した男の夢 パンサー:J72からカリスタまで 旧式な姿+現代の走り!
ジャガーとブガッティを愛した男の夢 パンサー:J72からカリスタまで 旧式な姿+現代の走り!
AUTOCAR JAPAN
ストレートなら誰にも負けねー!!!!! プロが選んだ直線番長列伝【10年前の再録記事プレイバック】
ストレートなら誰にも負けねー!!!!! プロが選んだ直線番長列伝【10年前の再録記事プレイバック】
ベストカーWeb
ライバルはBMWやアウディ! ニオEL8へ試乗 航続距離は充分 653psでも足が柔らかすぎる?
ライバルはBMWやアウディ! ニオEL8へ試乗 航続距離は充分 653psでも足が柔らかすぎる?
AUTOCAR JAPAN
M440i以上・M4以下 メルセデスAMG CLE 53 カブリオレへ試乗 ルックスとパフォーマンスの好バランス
M440i以上・M4以下 メルセデスAMG CLE 53 カブリオレへ試乗 ルックスとパフォーマンスの好バランス
AUTOCAR JAPAN
【中国のデザイナーたちも嫉妬?】新型電動車マツダEZ-6はいかにして魂動デザインを実現したか
【中国のデザイナーたちも嫉妬?】新型電動車マツダEZ-6はいかにして魂動デザインを実現したか
AUTOCAR JAPAN
【スポーツカーの宝庫!】S2000、ビート、CR-ZにS-MX!一代限りで終わってしまった名車たち:ホンダ編
【スポーツカーの宝庫!】S2000、ビート、CR-ZにS-MX!一代限りで終わってしまった名車たち:ホンダ編
AUTOCAR JAPAN
驚異的な「二面性」の傑作 ポルシェ・パナメーラ・ターボS E-ハイブリッドへ試乗 総合783ps!
驚異的な「二面性」の傑作 ポルシェ・パナメーラ・ターボS E-ハイブリッドへ試乗 総合783ps!
AUTOCAR JAPAN
ポルシェ・タイカン 詳細データテスト 952psへ強化 進化したバッテリー 快適なアクティブサス
ポルシェ・タイカン 詳細データテスト 952psへ強化 進化したバッテリー 快適なアクティブサス
AUTOCAR JAPAN
【現役デザイナーの眼:日産ノート/オーラ】今後のトレンドは『小さな高級車』?
【現役デザイナーの眼:日産ノート/オーラ】今後のトレンドは『小さな高級車』?
AUTOCAR JAPAN
右折の途中で急停止! レクサスLBX 長期テスト(4) 運転支援システムのあれこれ
右折の途中で急停止! レクサスLBX 長期テスト(4) 運転支援システムのあれこれ
AUTOCAR JAPAN
「百恵の、赤い靴。」 なんのクルマのコピーかわかります? クルマCMの迷コピー謎コピー傑作選│1970年代~1980年代編【10年前の再録記事プレイバック】
「百恵の、赤い靴。」 なんのクルマのコピーかわかります? クルマCMの迷コピー謎コピー傑作選│1970年代~1980年代編【10年前の再録記事プレイバック】
ベストカーWeb
全長4m以下!? 新「5ドアハッチ」登場! 「小さなスポーティ車」何が凄い? 日本導入もアリ得る? 「A290」の印象は?
全長4m以下!? 新「5ドアハッチ」登場! 「小さなスポーティ車」何が凄い? 日本導入もアリ得る? 「A290」の印象は?
くるまのニュース
「サンクターボ」遂に復活? アルピーヌA290へ試乗 EVでもホットハッチを諦める必要ナシ!
「サンクターボ」遂に復活? アルピーヌA290へ試乗 EVでもホットハッチを諦める必要ナシ!
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

9件
  • whi********
    2025モデルは初めて公式がラストと明言したモデルです。
    どこぞの雑誌社が今までモデルイヤー出る度に
    ラストラスト騒いでましたけどね
  • bduggeh00l7
    GTRと共に日産は散るか。それも良し!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

413.0838.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

198.0350.0万円

中古車を検索
テーマの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

413.0838.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

198.0350.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村