メルセデスベンツが先鞭をつけた「4ドアクーペ」のカテゴリーだが、BMWも積極的に取り組み、ついにエントリークラスにも展開を広げてきた。流麗なルックスだけでなくダイナミック性能もまた、かなり若々しい。(Motor Magazine 2020年4月号より)
快適性を重視したシャシセッティング
昨今、BMWはこの「4ドアクーペ」セグメントで、フルラインナップを形成する勢いを見せている。それを証明するのが今回、新たにラインナップされた2シリーズグランクーペである。ベースになっているのはもちろん1シリーズで、アーキテクチャーは当然、コンパクトFWDモデルをカバーするUKL2が採用されている。
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BMWとしては久々のオールニューモデルの試乗会は、期待外れの曇り空が広がるリスボン郊外で行われた。試乗したのはトップモデルのM235i xDriveで全長4526×全幅1800×全高1420mm、ホイールベースは2670mm。1シリーズ5ドアハッチバックと比べると207mm長く、低い。ホイールベースは同一だ。トランク容量は430Lとボディが長い分だけハッチバックより50L大きい。
搭載されるエンジンはM135iと同じ2L直4ターボで、最高出力306ps6、最大トルク450Nmを発生する。組み合わされるのは8速ATで、最高速度は250km/h、0→100km0/hは4.9秒と発表されている。
乗降性が良いフレームレスのドアを開けるとコクピットには最新のインフォテインメント、フルデジタル仕様のOS7.0を採用。音声操作も可能である。1750rpmで、すでに最大トルクの450Nmを発生するB48エンジンは8速ATとの相性も良く、早い流れのポルトガルのオートルートをリードしながら走ることができた。
一方、快適性を重視したシャシセッティングは確かに感じられるが、ハンドルの操作に対する挙動はクイックだ。おそらく低められた重心によるものだろう。非常にスポーティな印象だ。さらにシートは前方が7mm持ち上がっており、前方視線改善への微妙なセッティングが安定したドライバビリティを約束しているようだ。
このエレガントなスタイルからちょっと想像できないが峠道で果敢に攻めることも可能で、そんなシーンではトルセンデフロックが優れたトラクションを生む。メインターゲットは脱ハッチバック派、すなわち実用性よりもライフスタイル重視の30~40代の男性とのこと。スポーティな味付けは、ぴったりかもしれない。(文:木村好宏)
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