フェラーリ初の4ドアモデルとして全世界から注目を集めているニューモデル、プロサングエ。今回、北イタリアの市街地をテストドライブした西川淳氏の興奮冷めやらぬレポートをお届けしよう。
文/西川 淳、写真/フェラーリ
超絶にすばらしい!! フェラーリ史上初のSUV「プロサングエ」は歴史に残るフェラーリになる!!
■フェラーリ初の4ドアモデルを前に……
フェラーリ初の4ドアモデル、プロサングエ。マラネッロが送り出したこのニューモデルで北イタリアの雪上を西川淳氏が駆け抜けた
待ちに待ったドライブテストの日がやってきた。ところは北イタリアのスキーリゾート地、ピンツォーロ。路面状況が必ずしもいいとはいえない環境下で試乗会を開催するあたり、かえってマラネッロのプロサングエに対する自信のほどが透けてみえる。
ハイトなハッチバックスタイルで4ドア(5ドア)の跳ね馬。彼らが決してSUVと言わなかった理由は昨年9月に明らかとなったその全容を知るだけでは不充分というものだろう。
果たして彼らの「言い分」はクルマとして実現されているのかどうか。マラネッロにとっても未知なる挑戦であっただけに、その試乗を待ちきれない思いでいたのだった。
SUVとは言わないけれど、跳ね馬史上初めての4ドアモデルである。彼らがウェルカムドアと呼ぶ観音開きスタイルもまた、ロールスロイスにおけるその意味合いとはまるで違っていて、あくまでも運動性能確保のための選択肢であった。
ホイールベースをGTC4ルッソ並みに抑えることができたうえに、軽量化とボディ剛性の確保にも役立っているのだ。
■伝家の宝刀たるV12エンジンをフロントミドに搭載
812シリーズ用と同じ6.5LのV12ながら、主要パーツをほとんど新設計としたF140IA型を搭載
ここでは改めてフェラーリプロサングエの全容に触れることはしない。興味のある方は過去記事を参照してほしい。
概要だけ記せば、伝家の宝刀というべき自然吸気V12エンジンを完全フロントミドに置き、新開発のアクティブサスペンションシステムを採用することで車高アップに対応した初の4ドアモデル、となる。
車高の上がったスタイルであっても従来の12気筒モデル、例えば全長とホイールベースやシステム構成をほとんど同じくするGTC4ルッソ、あたりと変わらぬスポーツカー的なドライブフィールを実現した。それがマラネッロの言い分だ。
■GTC4ルッソどころかその走りは812スーパーファストの走り!
プロサングエを試乗する西川氏。ローマから採用されたデュアルコックピットスタイルがより進化しているという
結論から言おう。プロサングエのドライブフィールはGTC4ルッソどころの騒ぎじゃなかった。ほとんど812レベルを実現していたのだ。想像してみてほしい。背の高い(と言ってもライバルたちに比べると低いけれど)、世間的にはSUVと呼ばれて当然のようなサイズのモデルが、まるで2シーターFRスポーツカーのように走る様子を。
否、スポーツカーではない。プロサングエの走りは、4ドアで視線の高いこと以外、どこまでも“フェラーリ”そのものだった。
ローマで本格的に導入されたデュアルコックピットスタイルがプロサングエではより鮮明になった。マラネッロによれば助手席のみならず完全2座独立の後席でも“フェラーリ体験”ができるようデザインされたという。とはいえ最も幸せになれるのはもちろんドライバーズシートに座ったアナタだ。
不評だったステアリングホイール上のタッチ式操作が改められ、少し凹をつけて操作しやすくした。それでも物理的なスイッチの操作性には負けるけれど、ローマの時のようなイライラは少なくともなくなった。
右側にマネッティーノ(ドライブモード選択)の赤いダイヤルがあるのはほかの跳ね馬と同じ。ICEからWET、COMFORT、SPORT、そしてESC OFFの5段階というあたり、プロサングエが実用モデルであることをよく表している。
さらに、それぞれのモードにおいてダイヤルを押すことでダンピングモードを2種類もしくは3種類に変更できることも特徴だ。例えばSPORTではダンピング度“ハード”がデフォルトだが、一回押すと“ミディアム”に、もう一度押すと“ソフト”になる。
■「走りの一体感」がいきなり味わえる!
従来までのフェラーリとは違い、プロサングエは車高の高さから走行中のその視線のよさが際立っていたという
まずは推奨されたCOMFORTの“ミディアム”で走り出す。乗り心地は上々で明らかにローマより快適だ。視線の高さは確かにSUV級だから見通しがいい。大柄なボディサイズにもかかわらず、狭いホテルの取り付け道路での対向もラク。
そして一般道へと出た瞬間、早くもこれはSUVではないと思った。旧知の間柄のように、いきなり一体感を持って走り出してくれたからだ。
この一体感こそ、GTC4ルッソのレベルを超えて812だという根拠のひとつである。12気筒エンジンは前方で静かに、まるで猫が喉を鳴らすように唸っていて、アクセルペダルを思い切り踏み込んでみたい衝動にかられる。
待て、待て、ここはまだスキー客で賑わうリゾート地の目抜き通りだ。スキーヤーたちからの視線を痛いほど浴びながら進んだ。
■SPORTモードにすると「これは812スーパーファストだ!」
イタリアの雪上ワインディングを駆け抜けるプロサングエ。SPORTモードでダンピングをハードに変更したところ、その走りは急変したという!
程なくワインディングロードに。日陰はところどころアイシー。でも空いている。たまらずマネッティーノをSPORT、ダンピングもハードにして走ってみた。するとどうだ、上等なGTC4ルッソ的ドライブフィールがいきなり812スーパーファスト級になった!
ボディがぎゅっと引き締まった印象で、ハンドリングは素晴らしくニンブル、それでいて思いどおりに動かせているという安心感もある。軽快な変速とともにトルクの波が大きなボディをさらって前へ前へと押し出してくれる。
そして、サウンド。抑制の効いたV12サウンドが耳に心地いい。微かな振動にさえ身体が喜ぶ。ストレスなく8000回転まで回った。
視線の高さは前輪を思いどおりの位置に持っていけるという点で、高い速度域でも有効だ。何より車体の制御が素晴らしい。狭くて凍ったワインディングロードや圧雪路も走ったけれど、なんだか急に上手くなった気分で攻め込んでいける。初めての場所、初めてのクルマ、しかも高出力の大型モデルだというのに!
パワートレーンフィールに酔いしれたく、SPORTのままダンピングをミディアムにして走れば、最上級のグランドツーリングスポーツカーに早変わり。試乗を終えた筆者は開発担当者に向かって思わず、「これは812GT4ルッソだ!」と叫んで失笑を買った。
マラネッロはまた歴史的なモデルを世に送り出したと言っていい。
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みんなのコメント
いちいち鼻につくし。
フェラーリ本社はこの人を招待しても意味がないことを、いい加減気づくべきだ。