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【昭和の名車 164】トヨタ カリーナEDは4ドアハードトップを採用して大成功を収めた

掲載 更新 13
【昭和の名車 164】トヨタ カリーナEDは4ドアハードトップを採用して大成功を収めた

昭和は遠くなりにけり・・・か。以前に連載した「昭和の名車」では、紹介しきれなかったクルマはまだ数多くある。そこで、1960年代以降の隠れた名車を順次紹介していこう。今回は「トヨタ カリーナED」だ。

トヨタ カリーナED(ST160系):昭和60年(1985年)8月発売
トヨタ カリーナは1970年(昭和45年)に登場した1600GTに代表されるように一貫してスポーティ路線を貫いてきた。そこから一気にイメージをチェンジし華麗なスタイルを全面に押し出してきたのが、1985年8月にデビューしたカリーナEDだ。ちなみにEDとはエキサイティング・ドレッシーの略で、「品位ある美しさと十分な居住空間をもつ高性能4ドアハードトップ(HT)」がテーマだ。

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話題となったのは、なんといってもそのスタイリング。全体的なフォルムは低い車高と広いトレッドになる。水平基調のベルトラインとアンダーボディ、開放感のあるトヨタ初のセンターピラーレス4ドアHTの採用で大きく変身した。ちなみに4ドア車としては当時世界で最も低い車高ともいわれ、車高の高いクルマが多い昨今のクルマ事情を考えると隔世の感もある。

フロントビューを見てみると、コーナリングランプ一体型の薄型ワイドヘッドランプと斜め格子グリルなどで端正さと上品さを求めた印象だ。サイドシルエットは、水平ラインを強調したアンダーボディやセンターピラーのないキャビンにより洗練されたものとなっていた。流麗なシルエットは見た目だけではなく、リアスポイラーやボディ各部の面一化などにより、Cd値は0.33という優れたものとなった。

エンジンはトップグレードのG、Gリミテッドには2L 直4 DOHCの3S-GELU型を搭載した。T-VIS(トヨタ可変吸気システム)やTCCS(トヨタ・コンピュータ・コントロールシステム)、プログラム独立噴射などにより、160ps/19.0kgmの動力性能を発生。動力性能においても当時の最先端を行っていたのだ。下位グレードには1.8L 直4 SOHCの1S-ELUと1S-iLUが搭載され、こちらは経済性重視のエンジンだった。

組み合わされるトランスミッションは5速MTと、ツインカム搭載車には好みに応じてエコノミー/パワー/マニュアルの3つの走行パターンを選択することにより、各種走行状態に応じた走行が可能なECT-S(電子制御式2ウエイ オーバードライブ=OD付4速AT)を設定。他グレードには、2ウエイOD付4速ATを設定し、燃費とドライバビリティを求めている。

サスペンションはストラット式4輪独立とした。当時すでに当たり前の機構だったが、フロントはL型ロアアームを採用しワイドトレッド化している。さらに確実なサスペンションの動きとジオメトリーを保つために左右のロアアームの取付部を結ぶロアブレースを採用、ツインカム搭載車には左右のストラットタワーにパフォーマンスロッドを結合しボディ剛性を増している。リアは従来タイプよりロアアーム長を大幅に延長したデュアルリンクストラットとすることで操縦性、走行安定性を確保した。

カリーナEDは、バブル前夜という時代背景もありグレードに応じて新機構や新装備が充実していたのも特徴だ。夜間ヘッドランプ点灯時に方向指示器を作動させると、曲がる側を照らして視認性を向上させるコーナリングランプなどは特徴的なものだ。ステアリングにもチルト機構に加え、当時はまだ少数だったテレスコピック機能を追加。さらに乗降時には、レバー操作でステアリングがはねあがり、元の位置に戻すには引き下げるだけというメモリー機能も搭載するなど凝ったものとなった。

確かに低くスマートなボディはカッコ良かったが、実際に乗ってみると前席はともかく後席の居住性は良いとはいえなかった。かといってスポーツカーというにはお洒落すぎて、ほかの車種を選びたいところ。それでもカリーナEDがヒットしたのは、バブル景気直前という豪華さや華美に流れる時代背景があったのかもしれない。



トヨタ カリーナED Gリミテッド 主要諸元
●全長×全幅×全高:4475×1690×1310mm
●ホイールベース:2525mm
●重量:1130kg
●エンジン型式・種類:3S-GELU型・直4 DOHC
●排気量:1998cc
●最高出力:160ps/6400rpm
●最大トルク:19.0kgm/4800rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:195/60R14
●価格:205万1000円

[ アルバム : トヨタ カリーナED はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

13件
  • 4ドアハードトップに対して当時の日本の自動車評論家連中、「こんなこと欧州メーカー様は絶対にやらない!」「作るのも選ぶのも日本の恥!」との大合唱だった。
    それが今どうよ?
    あんたらこそが、日本の恥!!
  • 初愛車がEDのGリミテッドだった。
    確かにルーフが低くて居住性悪いけど、スタイリッシュでモテたなぁ。懐かしい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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