トヨタ「ランドクルーザープラド」(以下、プラド)は、オフローダーとしての性格が強かった「ランドクルーザー(70系)」の派生モデルとして、1985年に登場した「70ライト/ワゴン」をルーツとしています。
トヨタ「ランドクルーザープラド」「プラド」の名前が付いたのは1990年4月に登場したモデルからで、1996年に2代目の90系、2002年に3代目の120系と進化します。
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その後、バブル期に人気を博したトヨタ「ハイラックスサーフ」が、2009年8月に販売終了。そのあとを担う形で、プラドは2009年9月に4代目の現行モデル(150系)へとフルモデルチェンジしました。
4代目が登場した当初のプラドは、直列4気筒の2.7リッターガソリンエンジンとV型6気筒の4リッターガソリンエンジンの2種類のパワートレインが設定されていましたが、2015年6月の一部改良でV6エンジンが消滅。かわりに、直列4気筒の2.8リッターのディーゼルエンジンが導入されました。
今回は2.8リッターディーゼルエンジンを搭載したトップグレード「TZ-G」の実燃費テストを実施しました。
プラドのカタログ上での燃費数値は、JC08モード燃費で11.2km/Lとなっており、2.3トンを超える車両重量がどう影響するのか興味深いところです。
ルートは、高速道(東名 東京インター→小田原厚木道路 小田原西インター)、ワインディング路(ターンパイク箱根→箱根新道→西湘バイパス 西湘PA)、一般道(国道129号→国道246号)の3セクションとし、約180kmの道のりを走破。全行程で、走行モードはECOモードで走行しています。
その結果、181.8kmの走行で燃費は13.11km/Lという数値になりました。(メーターの燃費計を使用)
車重が重いプラドだけに、それほど好成績は望めないと思っていた筆者(小鮒康一)としては驚きの数値です。
これは、1600回転から450Nmという強大なトルクを発生するディーゼルエンジンのおかげで、それほど回転を上げなくても流れに乗れたことが功を奏したのだと思われます。
ここからは、セクション別の燃費を振り返ってみます。
高速道:東名 東京インター→小田原厚木道路 小田原西インター走行距離:73.9km実燃費:16.8km/L
東京インターから東名高速道路に乗り、小田原厚木道路の小田原西インターまでのルートは、今回のセクションで一番長い距離を走る部分です。
ディーゼルエンジンを搭載してマッド&スノータイヤを標準装着する車両だったため、燃費の面では不利なのではないかと思っていましたが、燃費は16.8km/Lと、カタログ値を大きく超える結果となりました。
プラドは、レクサスとして海外で販売されている「GX」のベースとなっただけに、静粛性も予想以上に高く、エンジン音もほとんど車内には入って来ず、快適に高速走行ができました。
ワインディング路:ターンパイク箱根→箱根新道→西湘バイパス 西湘PA走行距離:42.2km実燃費:11.7km/L
小田原西インターを降りてターンパイクを駆け上り、箱根新道を経由して一気に下るというコースは、燃費の面で辛いコースとなります。
トヨタ「ランドクルーザープラド」 2320kgという巨体を加速させるために、上りはさぞやアクセルを踏み込まなければならないのだろうと思いきや、圧倒的なトルクのおかげでアクセル開度は少ないままスルスルと登っていけたのは驚きです。
一方の下りはその車重もあって、フットブレーキのみの減速にやや不安があったため、シフトダウンを使って速度をコントロールして走行しました。
多段ATが一般化した昨今では、6速ATに目新しさはないかもしれませんが、ギア比が適切で速度のコントロールもしやすいのが印象的でした。
ワインディング路の燃費は11.7km/Lと、ここでもカタログ燃費を上回る結果となりました。
一般道:国道129号→国道246号走行距離:65.7km実燃費:11.2km/L
一般道は、国道129号線から交通量が多いことで知られる国道246号線を通って、再び都内へ戻るルートを走行します。
平日の日中の走行ですが、営業車やトラック、タクシーなど働くクルマを中心に交通量が多く、ストップ&ゴーが頻繁に繰り返されるルートとなります。
プラドにはアイドリングストップ機能が備わっておらず、信号などでの停車が多い市街地走行では燃費的に不利になるかと思いましたが、ここでも燃費は悪化しませんでした。
走り切ってみれば、カタログ燃費と同じ11.2km/Lをマーク。やはりトルクフルなディーゼルエンジンのおかげで発進加速でもアクセルの踏み込み量が少なくて済んだことが影響しているようです。
重量級のランクルプラドは思ったよりも燃費が良い走行距離:181.8km実燃費:13.11km/L
今回は、2.3トンオーバーという重量級の本格SUVであるプラドの実燃費を計測してみました。
デビューが2009年ということもあり(ディーゼルエンジンモデルは2015年に追加)、目新しさはそれほどないモデルではありますが、ドッシリとした雰囲気で乗っていて安心感がありました。
一方、デビューから時間がたっていることで古さを感じさせる部分があり、例えばメーカーオプションで装着されるナビゲーションの画面の粗さやボタンの操作感、最近の大型化したスマホの置き場がないなど、ユーティリティ面であと一歩というところもありました。
また、最近の乗用車をベースとしたクロスオーバーSUVとは異なり、本格的なクロスカントリーSUVであるプラドのステアリングは重めの味付けで、乗り味の違いに驚く人もいるかもしれません。
新型モデルの登場もウワサされており、今のようなクロカン車らしさを求めるのであれば、ラストチャンスとなるかもしれません。
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