■世界に5台しか存在しない、真っ赤なAMG
かつてメルセデス・ベンツは、「CLK」クラスと呼ばれるクーペ&カブリオレを生産していた時期がある。これは当時の「Cクラス」のプラットフォームをベースとするものの、ボディサイズやエンジンラインナップ、そして何より価格を「Eクラス」と同等に設定したというモデルであった。
アーマーゲー時代の狂気ワイドボディ「AMG 560 SEC」の凄さとは?
●2007 メルセデス・ベンツ「CLK DTM AMGカブリオレ」
日本にはまずクーペ(C208)の「CLK200」と「CLK320」が正規輸入され、その後「CLK320AMG」と、カブリオレ(A208)の「CLK320カブリオレ」が追加設定された。さらに2000年におこなわれたマイナーチェジでは、「CLK55AMG」なども追加されている。
この当時のラインナップが物語っているように、CLKは比較的コンパクトなボディサイズながら(クーペで全長4640mm×全幅1740mm×全高1415mm)、メルセデス・ベンツの2ドアモデルとして存在感のある、そしてパフォーマンスに優れたモデルだった。
メルセデス・ベンツもスポーツ・イメージを高めるために、そのプロモーションにはモータースポーツを積極的に活用、DTMやF1GPのペースカーとして採用し、その姿は世界のモータースポーツファンの記憶に残っているはずだ。
初代CLKシリーズは約5年間にわたって生産された後、2002年にフルモデルチェンジされ、セカンド・ジェネレーションへと進化する。この間、2003年のDTMでの優勝を祝するために限定生産されたのが、「CLK DTM AMGクーペ」である。
2004年に100台のみが生産されたCLK DTM AMGクーペは、スピードシフト5Gトロニック オートマチック トランスミッションや、レーシングインスパイアされたサスペンション、あるいは582psの最高出力を発揮する、5.5リッターV型8気筒エンジンを搭載したことなどで、レーシングドライバーさえ魅了する特別仕様車となっていた。
実際に、ファン・パブロ・モントーヤ、ミカ・ハッキネン、キミ・ライコネン、ジェンソン・バトンといったトップ・ドライバーの多くが、このCLK DTM AMGクーペを購入している。
2005年に、CLKクラスにEクラスと同様のマイナーチェンジが実施されても、CLK DTM AMGの生産は継続しておこなわれている。100台のクーペに加えて、80台のカブリオレが生産されたとRMサザビーズは解説しているが、そのほとんどのボディカラーは、ブラックやシルバーといった、いわゆるメルセデス・ベンツのイメージカラーであった。
レッドにペイントされたモデルは、わずか5台のみ生産されており、出品車はアラブ首長国連邦シャルジャの王室にデリバリーされた後、再びドイツに戻り、さらにドバイのカスタマーに納入された記録を持つ。
現在の走行距離は1万5200km。2020年2月に、メルセデス・ベンツによって最後のサービスを受けており、そのため内外装・機関系を通じて優れた状態での出品となる。
オンロードでオープンエア・ドライブを楽しむには、より目を引く、またはスリリングな4人乗りのコンバーチブルがオシャレだ。参考までにその最高速は320km/hとうから、パフォーマンスは間違いなくスーパーカーの領域だ。
RMサザビーズのエスティメート(予想落札価格)は、20万-23万ユーロ(邦貨換算約2520-2898万円)。はたしてAMGの魂がフルに込められたカブリオレにはどれほどの値がつくだろうか。
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みんなのコメント
パッと見は普通のCLK。
でもよく見ると張り出したフェンダーや
再度のスリットなどオーラあるんですよね。
たまに中古で出ていましたが、
まだ日本にあるのかな?