最新号!『Tipo』386号の特集は「I love Japanese cars」。日本は世界屈指のスポーツカー王国! 軽自動車からスーパースポーツまで、各ジャンルにスポーツカーがラインナップされているが、Tipoではそんな世界に誇るジャパニーズ・スポーツカーを大特集。ただ、Tipo得意のクラシックなヨーロッパ車ももちろん紹介しており、ここでは「BMW 2002ターボ」をチラ見してみよう。
世界初のターボチャージャーを組み込んだ歴史ある旧車! 観る者を圧倒する個性的なスタイル。
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マルニターボのシートに腰を下ろした瞬間に、不思議な感覚に襲われた。誤解を恐れずにいうならば、それは違和感と言い換えてもいい。本来なら48年も前のクルマに座った際に感じるのが当然なはずの違和感が伝わってこなかったことの違和感、それに驚かされたのだ。
ドイツ・ミュンヘン工場で生産された世界1,672台という少数の「BMW 2002ターボ」は、個性的なスタイルが観る者を圧倒する。正確な定規で製図したかのような典型的な3ボックススタイルは、ともすれば凡庸な箱車に見える。実際に、2002ターボの源流となる「BMW 1600」は、激烈な速さを誇示することなく、市街地の景色に溶け込むような正統派セダンであった。それが2002となり、ターボが追加されると獰猛なオーラを発散するから不思議だ。
【写真5枚】正確な定規で製図したかのような典型的な3ボックススタイル
しかも、今回試乗が許された1974年製の個体は、本国仕様である。2002ターボが武装するリベット留めのオーバーフェンダーは、そのままの姿で日本に輸入することができなかった。その理由は曖昧だが、リベット剥き出しのままでの通関が許可されなかったことから、日本の代理店はオーバーフェンダーをパテ埋めして通関させた。つまりリベット留めのオーバーフェンダーを纏う試乗車は、本国仕様ということになる。
そんな希少な個体であり、世界初のターボチャージャーを組み込んだ歴史ある旧車だというのに、座った瞬間に感じるはずの旧さを感じなかったというわけだ。走り始めても同様に、素直に体に馴染んだのである。
そしてそれは、1974年製の2002ターボが、最新のBMWと同じベクトルで結ばれていることを確信したのだ――。
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