■局地的な人気にビックリ! カナダで「クラウン」が注目株に
昨今の円安外貨高の影響を受け、日本の中古車の海外輸出台数は過去最大級にまで伸びているといいます。
日本で取引されている中古車は状態の良いものが多く、海外に持っていけば高値で売ることができるためですが、なかでもカナダには、意外な高級車が多く輸出されているようです。
【画像】めちゃカッコいい! トヨタ「“200系”クラウン」を画像で見る(30枚以上)
今カナダに多く輸出されている中古車は、トヨタ「クラウン」です。
中古車の海外輸出に詳しい中古車買い取り専門店の担当者によると、2008年式の13代目(200系)「クラウン」が多いといいます。
とある輸送会社の調査によると、2023年のカナダ行き輸出車両の中では、コンパクトカーやミニバンを抜いて、この200系クラウンがもっとも多かったそう。
200系クラウンは、2008年2月に登場しました。
その前の12代目、通称「ゼロクラウン」は、これまでのクラウンの保守的なイメージを払しょくする走りの性能を全面に出した意欲作です。
200系はその後継車であり、これまでの伝統にのっとった豪華装備の「ロイヤル」と、走りを重視した「アスリート」のほか、クラウン初の「ハイブリッド」が設定されたモデルでした。
なかでもアスリートは、リアスポイラーや18インチアルミホイール、スポーツタイプバンパー、丸四灯のテールランプ、さらにはギア比可変ステアリング(VGRS)など、アスリート専用の装備が装着されたスポーツセダンでした。
200系クラウンは警察車両としても多く採用されましたので、その姿を見ると苦い経験を思い出す人も少なくないかもしれませんね。
前出の担当者によると、200系クラウンがカナダ行きの輸出船に確認されるようになったのは、2023年の夏ごろからとのこと。
ちなみに米国以外からカナダに輸入される中古車については、「カナダ自動車安全基準」に適合しない車両は基本的に輸入が許可されていません。
つまり右側通行・左ハンドルのカナダにおいて、基準に適合しない右ハンドルの中古車の輸入はできません。
しかし例外として、製造から15年以上経過した中古車に関してはカナダ自動車安全基準の適合外でも輸入が可能となる、いわゆる「15年ルール」が存在するのです。
昨年2023年は、ちょうど200系クラウンの誕生から15年目にあたり、輸出許可となったタイミングだったというワケです。
中古車買い取り専門店の担当者は次のように話します。
「他にも多くの2008年製造車があるなかで、カナダの人たちになぜ200系クラウンが選ばれたのかは不明です。
おそらく、日本のTV番組やネットニュースなどで存在を知ったカナダのファンたちが求め、バイヤーがまとめて買い求めているのではないかと推察します」
※ ※ ※
昨今の海外輸出の主役と言えば、アルファードやノア/ヴォクシーといったミニバンが主力となっています。
しかし国産のちょっと古い高級セダンがカナダへ多く輸出されている、というのは非常に珍しい事例といえます。
カナダに旅行に出かけた際は、右ハンドルの懐かしい200系クラウンが生息していないか、チェックしてみてください。
[※編集部注記:表記の一部に間違いがありましたので2024年3月19日に本文等を修正しました]
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みんなのコメント
まだまだ乗れるのに手放す要因になっている。
25年ルールや15年ルール、ネオクラブーム以前からそれより新しい中古車がロシアに大量輸出されているし、コンパクトSUVのはしり初代エスクード、RAV4、CR-V等々はウラジオストクの街なかに溢れていた。
日本の古い中古車が輸出されるのは北米大陸だけじゃないからね。