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【価格帯ベストの純EV】テスラ・モデル3 スタンダードレンジ・プラス 287psで408km

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【価格帯ベストの純EV】テスラ・モデル3 スタンダードレンジ・プラス 287psで408km

欧州でも販売好調なモデル3が小変更

text:Richard Lane(リチャード・レーン)

【画像】モデル3 増える競合純EVモデルと比較  全129枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


テスラ・モデル3が英国へ上陸したのは、2019年の夏だった。その姿を目の当たりにした時、ガソリンエンジンを搭載した従来の自動車が、突然古く見えたものだ。鼻先が持ち上がったようなフロント周りのデザインには、少し違和感があったけれど。

純EVを複数展開するテスラの中では、最も手頃な価格のモデル3。登場から間もないのに、ロンドンではありふれた存在になっている。純EVとして先陣を切っていたハッチバックの日産リーフより、高価格帯なのにも関わらず。

欧州ではテスラというブランド力は強く、モデルとしての実力も高い。実際、欧州では純EVの月間販売台数のトップに、モデル3が入ることも珍しくない。競争に対抗できているライバルは、ルノー・ゾエくらいだ。

フォルクスワーゲンからはハッチバックのI.D.3の販売が始まり、欧州での期待も高い。だがスペックを比べてみると、モデル3を超えている部分はほとんどない。発売当初の目新しさが薄れた時、どの程度の支持を維持できているのだろう。

モデル3の強みをさらに伸ばすべく、テスラはモデル中期のマイナーチェンジを施した。ただし、一般的な自動車が発表4年後くらいに受けるマイナーチェンジと比べると、内容は控えめ。リフレッシュ、といった程度に留まる。

エネルギー効率を高めるヒートポンプを採用

モデル3には、従来どおり3つのバリエーションが存在する。今回試乗したのは、一番手に届きやすいエントリーグレードで、後輪駆動のスタンダードレンジと呼ばれるクルマ。フル充電での航続距離は408kmになる。

このほかに、ロングレンジとパフォーマンスというグレードが存在し、どちらも2基の電気モーターを搭載した四輪駆動となる。バッテリーの容量も増え、航続距離は563kmに伸びる。

搭載するモーターが1基でも、モデル3の動力性能はかなり高い。スタンダードレンジでも287psあり、0-100km/h加速は5.3秒でこなす。電気モーターの特性上、運転してみると数字以上に速く感じる。

マイナーチェンジで加えられた一番大きな変化は、SUVのモデルYから流用されたヒートポンプ。クルマとしては少し面白みに欠けるアップグレードながら、純EVでは重要なエネルギー効率を高めてくれる。

バッテリーを大きくせずに、クラスをリードする航続距離を天候に関係なく達成しやすくなる。寒い冬場では、ドライバーにとっても優しい。

新しいヒートポンプの搭載により、フロントの荷室「フランク」が少し狭くなっている。タイヤは、ミシュラン・パイロットスポーツ4Sが純正で装着されるようになった。低い転がり抵抗が自慢のトレッドパターンではない。

バランスが良い後輪駆動のシャシー

スタイリングでは、サテンブラック仕上げのドアハンドルが新しい。18インチか19インチのアルミホイールには、空気抵抗を良くするエアロカバーが装着されるが、このデザインも一新されている。

車内を覗くと、ドアハンドルと同じサテンブラック仕上げのパーツが散りばめられている。大きな15インチ・センタモニターの下には、USB-Cポートと2基のスマートフォン充電パッドが追加された。

センターモニターに、クルマの運転操作以外の機能が集約されていることは従来どおり。インテリアデザインは、変わらずスマート。電動のテールゲートが標準装備になっている。

走らせてみると、相変わらずエキサイティングで、直感的にテスラ3を操れる。一方で、しっくりこない部分も残っていた。

ハンドリングは機敏で、反応も良い。軽快によく走る。頭上には全面のパノラマ・グラスルーフが広がり、ダッシュボード上部にはウッドトリムが気持ちよく伸びる。シンプルで静かな空間を邪魔するものは一切ない。

しかし、サスペンションのスプリングレートが無用に高い。スポーティに感じさせることは確かだが、市街地でも高速域でも、穏やかな乗り心地は得にくい。

ステアリングホイールの操舵感は、とても正確なのに無感覚。後輪駆動のモデル3 スタンダードレンジのシャシーはバランスが良く、アクセルペダルで姿勢を変えていけるだけに、残念なポイントだ。

コーナリング中に右足を緩めると、フロントが内側へ巻き込まれていく。まるでミドシップのスポーツカーのように。

運転するほど実感できるライバルとの差

ポルシェ・タイカンのようなステアリングフィールを、半分の価格のテスラへ期待することは難しいことではある。技術者の経験値も異なるはず。だが、充足感あるドライビング体験の可能性が見え隠れするだけに、欲求不満が溜まってしまう。

2021年になっても、テスラ・モデル3の競争力の高さは、この価格帯では変わらない。純EVの中では無視することができない存在だ。

モデル3の動的性能の活発さは、他を寄せ付けないほど高い。その違いは、スタンダードレンジを普段遣いするだけでも実感できるはず。

加えて英国では、テスラによる急速充電網、スーパーチャージャー・ネットワークが存在する。テスラ・モデル3のライバルとの優位性は、運転するたびに実感できるだろう。

テスラ・モデル3 スタンダードレンジ・プラス(英国仕様)のスペック

価格:4万490ポンド(546万円)
全長:4694mm
全幅:1850mm
全高:1443mm
最高速度:230km/h
0-100km/h加速:5.3秒
航続距離:408km
CO2排出量:0g/km
車両重量:1625kg
パワートレイン:永久磁石モーター1基
バッテリー:54kWhリチウムイオン
最高出力:287ps
最大トルク:38.2kg-m
ギアボックス:−

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