2019年9月、衝撃的なニュースが飛び込んできた。WRX STIが2019年末で受注が終了になるというのだ。思わず本企画担当は「これは絶対値上がりする!」と叫んでしまった。
「待てよ、今後、値上がりしそうな中古スポーツカーはほかにも絶対あるはず」ということで、中古車事情に詳しい伊達軍曹に調査、執筆を依頼した。
【車販売を支えた制度が大変革期に】販売系列が消滅する理由と弊害
さて、値上がりそうな中古スポーツカーはどんなものがあるのか、乞うご期待!
文/伊達軍曹
写真/ベストカーWEB編集部
【画像ギャラリー】これから値上がりしそうな中古スポーツ車大公開!
現在の中古スポーツカーの市場を分析する
中古車の価格は結局のところ「需要と供給のバランス」で決まる。いくらいいクルマでも、そして、欲しがる人の数が多くても、その分だけ供給も多ければ相場は上がらない。
中古車の相場を上げる要素はズバリ「希少価値」だ。言い換えるなら「新車ではもう二度と、これと似たような個性を持つクルマは入手できない」ということが判明したとき、その車種の中古車相場はじりじりと、あるいはドカンと上昇する。
実例を挙げるなら、空冷エンジンを搭載していた世代のポルシェ911や国産車であればR34型スカイラインGT-Rあたりがその好例だろう。
空冷911やR34型GT-Rと同程度かそれ以上の「性能」を有するクルマは、今後いくらでも生まれるはず。
だが、あのように「小ぶりでシンプルな、そしてダイレクト感あふれるスポーツカー」というのは、さまざまな基準が厳しくなるいっぽうの近未来社会では「絶対に」市販化されない。それゆえ希少価値が高まり、相場も上昇するのだ。
そして空冷911やR34型GT-R以外では下記の5車種から「将来的に価格が上がりそう……」という“におい”が濃厚に漂ってきている。
スバルWRX STI EJ20ファイナルエディション
東京モーターショーに出展される最後のEJエンジン搭載車となるWRX STI EJ20ファイナルエディション
こちらの写真をクリックするとWRX STIの中古車情報が見られます!
「将来的には99.9%の確率で値上がりする!」と言いきれるのが、東京モーターショー2019で発表される「スバルWRX STI EJ20ファイナルエディション」。
これは、名作エンジン「EJ20」を搭載する現行型WRX STIが2019年12月末で受注終了となることに伴い、その集大成として555台のみ発売される限定車だ。
詳細な装備や価格など、スバルは正式には公表していないが、ディーラーにはすでに価格の情報が伝えられているようだ。
価格/WRX STI EJ20 Final Edition 452万1000円(10%税込)
WRX STI EJ20 Final Edition FULL PACKAGE 485万1000円(10%税込)
※ディーラー調べ
2グレード展開で、2019年10月24日(木)から11月10日(日)の期間中に正規ディーラーでの商談エントリーが必要となり、商談エントリー数が限定台数の555を上回った場合は抽選になるとのことだ。
ピストン、コンロッド、クランクシャフトなどをバランス取りされたEJ20エンジン。このWRX STIの搭載が最後となる
さて、今後値上がりするのか? 東京モーターショー2017で発表された「S208」の例から未来を推測してみたい。
新車価格710万6400円だった「S208 NBR CHALLENGE PACKAGE Carbon Rear Wing」の現在の中古車平均価格は746.5万円(※筆者独自調べ)。
また499万8240円で2018年7月に発売され、即日完売となった「タイプRA-R」の現在の中古車平均価格は549.0万円(※前同)。
これらのことから類推すると、WRX STI EJ20ファイナルエディションのバリューは「新車価格より数十万円は高い」という状態をしばらくの間は確実に維持するはず。
また「名機EJ20のファイナル!」ということで、さらなる高値を付ける可能性もある。
S208は2017年10月26日に発表され、11月12日までに期間限定450台の販売だったが、2619台の応募があり抽選販売となった。価格は626万4000~710万6400円
限定500台、499万8240円で2018年7月19日に発売されたタイプRA-Rである。2019年7月19日11時に発売が開始されたが、当日19時には完売
ホンダシビックタイプR(FK8)
現行シビックタイプRは2019年8月に「まもなく販売終了となります 。詳しくは販売会社にお問い合わせください 」とホームページに掲載されている。調査したところ、マイナーチェンジされ2020年8月以降に発売されることがわかった
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販売終了がらみの話でいくと、現行型(FK8型)ホンダシビックタイプRの中古車相場もカチ上がる可能性を秘めている。
というのもFK8型シビック タイプRはすでに、公式サイトに小さな文字で「まもなく販売終了となります。詳しくは販売会社にお問い合わせください」と書かれているのだ。
ベストカーWEB編集部がその詳細を追跡調査したが、現行タイプRはすでに「今ある在庫分のみで販売終了」になることが決まっており、「マイチェン版タイプRの発売は2020年8月以降」だという。
となれば、現在おおむね370万~520万円となっているその中古車相場は、今ある新車在庫が売り切れて「買いたくても買えない!」という状況になったタイミングでほぼ確実に高騰する。
その後は2020年夏以降にマイチェン版タイプRが登場すれば、中古車相場は落ち着くだろうが、仮にマイチェン版の出来がイマイチだった場合には、前期型FK8の中古車相場は再び大きくカチ上がるだろう。
現行シビックタイプR販売終了についてはこちら!【在庫残り約200台!マジか!!!】ホンダシビックタイプR ひっそり販売終了の事情と行方
ホンダS2000
前期型はF20C型2L、VTEC(250ps/22.2kgm)、後期型はF22C型2.2L、VTEC(242ps/22.5kgm)を搭載する。前期型よりもさらに後期型が高騰しているという
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本田技研工業の創立50周年を記念して1999年に発売されたS2000は「そのほぼすべてが専用設計!」といっても決して過言ではない、非常にぜいたくな作りの2シーターオープンだった。
オープンカーでありながら、ボディ剛性は固定屋根を持つ車と同等またはそれ以上。そして直4VTECエンジンはリッターあたりの出力が125psという、ほぼレーシングカー並みのスペック。
それらの合わせ技により、S2000の中古車相場は現在すでに高騰している。前期型(2005年10月までの2Lエンジン搭載車)の新車時価格は約340万~390万円だったが、現在の中古車相場は120万~410万円ぐらい。
まあボロい個体は安いが、ボリュームゾーンは200万~300万円といったところだ。
さらに高騰しているのが2005年11月以降の2.2Lエンジンに変更された後期型。こちらの新車時価格は約380万~約400万円だったが、現在の中古車相場は200万~600万円。
ボリュームゾーンは300万~400万円付近で、良コンディションな個体は400万円オーバーになるのも日常茶飯事である。
サーキットでガンガン使われたような個体は別として、屋根付きガレージで大切に保管されてきた個体は、「似たようなモノはもう二度と現れない伝説の一台」として、今後もじりじりと相場を上げていくはずだ。
80スープラ
2019年9月現在の平均中古車価格が約328万円と高騰が続いている80スープラ。エンジンは3L、直6の2JZ-GE型が225ps/29.0kgm。3L、直6ツインターボの2JZ-GTE型が280ps/44.0kgm(1997年8月以降は46.0kgm)
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ここ最近は、「スープラ」といえばトヨタとBMWが共同開発した最新型スープラ(DB型)のことを指すのかもしれないが、その陰で先代スープラ(A80型)もけっこうな人気を集め、その結果として中古車相場も高騰している。
2JZ-GTE型3L直6ツインターボエンジンの最高出力は当時の自主規制値いっぱいの280psだったが、本来のパワーを発揮できた北米仕様は320ps。
そして現役レーサー複数が今なお「ハンドリングが良いクルマの見本!」「これぞ日本のナンバーワンFRスポーツ!」と激賞する素直なハンドリング……等々の魅力から考えれば、依然人気が高いことにも何ら不思議はない。
約2年前、2017年時点での中古車平均価格は200万円を大きく割っていたが、2019年10月現在の平均価格は約328万円。
走行15万kmを超えている個体でも、整備済みの美車であれば平気で350万円以上のプライスが付くのがもはや当たり前となっているA80型スープラ。
現行DB型がヒット作に育ったとしても、世界的な「A80推し」の流れはそうそう大きくは変わらないはずだ。
S15シルビア
S15シルビアのなかでも250psのスペックRは、ワンオーナー車でコンディションが良ければ270万円以上の値を付けているという
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現在すでに中古車相場は上がっているが、今後もさらに上昇しそうな気配があるのがS15こと、1999年から2002年まで販売された7代目の最終型日産シルビア。
前身にあたるS14型シルビア(1993~1998年)はボディを3ナンバーサイズに拡大したことでかなり不評だったが、このS15型は「本来の姿」と言える5ナンバーサイズに戻したことで人気は再燃。
小ぶりなFRクーペならではの自然な操縦性と程よいパワー感、そして各種チューニングのためのアフターパーツも豊富ということで、現役時代は当然として、販売終了から17年が経過した今もなおけっこうな高値で取引されている。
具体的には、特に高値がついているのが最高出力250ps(AT車は225ps)の2Lターボを搭載する「スペックR」。例えば新車時価格256万円だったスペックRエアロ(6MT)の中古車は現在、コンディション良好なワンオーナー車であれば270万円以上となるのがほぼ当たり前だ。
そして「小ぶりなFRクーペ」というのは、モーターショーのたびに各社がコンセプトモデルを出品しているが、一向に商品化はされないカテゴリー。
なぜならば、その手のクルマを好む人の数が減っている今、あらためて「FRの小型スポーティカー」を新規発売したところで買うのはごく少数のクルマ好きのみ。つまり「商売にならない」ということだ。
それゆえ、そういったクルマが欲しい人間は「中古車」を買うしか手がない。
そしてそうであるがゆえに、「まさに小ぶりなFRクーペの典型」といえるS15型シルビアの中古車相場が今後も上がり続けることは、ほぼほぼ間違いないのだ。
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