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レクサス新型「ES」日本初導入はヒット作への自信? 7代目で地味な存在脱却へ

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レクサス新型「ES」日本初導入はヒット作への自信? 7代目で地味な存在脱却へ

■レクサスブランドの基幹モデル7代目でようやく日本導入

 レクサスが”いよいよ”新型「ES」の日本導入を決断しました。「いよいよ」といった意味は、7代目となる「ES」でようやく日本に入ってくるからです。

レクサス新型「ES」 7代目で初めて日本に導入する意図とは

「ES」はレクサスブランドがアメリカで立ち上がった1989年にデビューし、今回のフルモデルチェンジで7代目となります。これまで世界では218万台も生産してきた主力車種なのですが、日本へは導入は1度もされることはありませんでした。

 レクサスには「GS」というモデルもあり、日本のミドルセダンのジャンルは「GS」に任せてきたという事情もあるのでしょう。その中で7代目となる新型「ES」が、日本に上陸することになったのです。

「いよいよ」と言ったのは「待ちに待った」という意味でもあります。

「ES」のライバルは、メルセデス・ベンツの「Eクラス」やBMW「5シリーズ」、そしてアウディ「A6」などになります。そのどれもがドイツ御三家の旗艦車種であり、各ブランドの屋台骨となっています。ですからレクサスも新型「ES」の開発やプロモーションに手を抜くわけにもいかず、気合十分というわけです。

 今回、新型「ES」の国際試乗会に招待された際、開発責任者の榊原康裕CEとも話をしましたが、相当に力が入っているようでした。

「従来の上質な快適性に加えて、スポーティな走りを盛り込んでいます」そう言って、コンセプトを強調していました。

「ES」は没個性が特徴でした。乗れば味わい深いのに、強く訴えかけるものがない。地味な存在です。それが心地よさの源でもあり、支持されてきた理由でもありました。ですが、新型は一躍個性的なモデルになったのです。

 まず、ボディが堂々としたサイズになりました。先に記したどのライバルモデルよりも全長が長く、それでいて全高は低く設定されています。全幅は同等です。つまり前後に長く低い、スポーティなボディスタイルになったのです。

 日本仕様のモデルに投入されるエンジンは、2.5リッターのハイブリッドシステムのみです。海外仕様にはV型6気筒3.5リッターエンジンも設定されているのですが、日本の環境を考えればハイブリッドがベストな選択だと思います。駆動方式も、フロントにエンジンを搭載し、フロントタイヤを駆動させるFF車のみです。

■レクサス「ES」は、潜在的に素晴らしいクルマなのか

 特徴的なのは、スボーティな味付けの「Fスポーツ」と、より上質な乗り味の「ウルトララグジュアリ―」というグレードが設定されていることです。

 新型「ES」のFスポーツには、シートや内装だけでなく、足回りもスポーティ仕様になっています。走り方次第で穏やかな乗り心地にも活発なフットワークにも自在に変身する可変ダンパーを採用しているばかりか、コーナーでボディが傾かないように太いスタビライザーも装着しています。実際に速度を上げてみると爽快な走りが得られました。

 とはいうものの、スポーツ仕様ではないウルトララグジュアリーのフットワークも素晴らしいものです。実は、このモデルの方が筆者(木下隆之)は気に入りました。

 足回りの主要部品であるショックアブソーバーには世界初の細工が施してあります。これによって、ハンドルを切った瞬間に遅れることなく、クルマが反応するのです。

「超微小な動き出しから減衰力が発生します」と、実験担当の松岡和幸氏の言葉には自信がみなぎっていました。

 超微細とは動き出した瞬間のことを言います。減衰力とは、ショックアブソーバーという走り味を左右する筒が力を発揮することを意味し、そのために走り始めた瞬間でさえフラフラすることがないのです。

 走りの味付けを担当する伊藤好章氏はこう言ってプラットフォームを説明しています。

「骨格は新開発のGA-Kです。前後重量配分にも優れていますので、足回りを固くする必要もありませんでした」

 一般的にスポーティ性を高めると、足回りを硬くしがちですが、そうすると乗り心地が悪くなります。骨格がそもそもスポーティですので、乗り心地を犠牲にしなくても済んだというわけです。スポーティ仕様ではないにもかかわらずスポーティ性を感じたことは、新型「ES」が潜在的な素晴らしい車であるということを証明しているのです。

 おそらく新型「ES」は、これからのレクサスの主要モデルになっていくと信じています。レクサスブランド久しぶりのヒット作が日本に上陸してくるのです。

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