現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 小椋藍、母国レースでタイヤ戦略”ギャンブル”成功し2位、チャンピオンに王手。一定の満足も悔いも残す「勝たなきゃいけないレースだった」|MotoGP日本GP

ここから本文です

小椋藍、母国レースでタイヤ戦略”ギャンブル”成功し2位、チャンピオンに王手。一定の満足も悔いも残す「勝たなきゃいけないレースだった」|MotoGP日本GP

掲載 更新 3
小椋藍、母国レースでタイヤ戦略”ギャンブル”成功し2位、チャンピオンに王手。一定の満足も悔いも残す「勝たなきゃいけないレースだった」|MotoGP日本GP

 モビリティリゾートもてぎで行なわれたMotoGP第16戦日本GPのMoto2クラス決勝で、小椋藍(MT Helmets - MSI)は2位でフィニッシュ。ランキングでのリードを60ポイントまで拡大し、タイトル獲得に王手をかけた。

 小椋はあと一歩のところで勝利を逃したことを悔しいとしつつも、最後はチャンピオンシップを考え、無理に勝利を目指すことはしなかったと語った。

【独占インタビュー】小椋藍を抜擢した敏腕マネージャーに迫る! スズキ&アルピーヌF1経てMotoGPをどう見る?|ダビデ・ブリビオに訊く

 自ら「ちょうどいい」と表現した9番グリッドからスタートした小椋は抜群のスタートを決め、一気に2番手に浮上。しかし雨が降り始めていたこともあり、赤旗中断で降り出しに戻されたが、スタートには自信を持っていたという。

「スタートが良いのは分かっていました。前にいたふたりが当たったこともあって、それがなければ2番手にはなれていなかったと思いますが、1~2コーナーを抜けた後では『きたーっ!』と思いましたよ」

 そう小椋は語った。

「でも1周目に赤旗が出るのは分かっていたので、転倒したら意味ないなと思って、その後は全く攻めませんでした」

 そして赤旗中断からの再開時、小椋はスリックタイヤを履いていた。しかし他の多くのライダーはウエットタイヤを選択……小椋としては、当初はその選択についてはかなり心配になったと明かした。

「僕は結構ビビッてましたよ。チームからスリックと言われたのに、ガルシア(チームメイトのセルジオ・ガルシア)のタイヤウォーマーが外れたらウエット履いていたので、びっくりしました。しかもコースに出ていったら、みんなウエットだったんで、おおっ!となったんです」

「流石に心配にはなりましたよ。でも0か100か、どっちかになったなと思いました。でも、何人かはスリックタイヤを履いているライダーがいたんで、彼らには『ありがとう』と思いましたよ。『君たちを信じる!』とね」

 ただ結果的には、小椋の選択が大成功。スリックタイヤを選んだのは、チーフメカニックのノーマン・ランクの意見だったようだ。

「どっちが正解か、まったく分からなかったんです。なので、チームの中で一番自信を持っていた人を信じました。そしたらこっち(スリック)だと」

「決定はいつも、僕とチーフメカニックのノーマン(ランク)で決めます。で、彼が今回はスリックを推してくれたんです」

「サイティングラップでは祈るしかありませんでした。グランドスタンドから遠い方が雨が降っていたので……そこで全てが決まると思っていました。でも、あんまり降っておらず、大丈夫そうだと思いました。しかも止んでいく方向だったので、ありがとうという感じでした」

「ウォームアップでも、ブーツで路面を擦ってみましたが、滑るような感じはなかったです。なので、雨が降り止めばその瞬間に攻めていけると思っていました。グリッドでも、1周目だけ抑えて走れば、とりあえず大丈夫だなと思いました」

 レースはまさにその通りとなった。再スタート直後に小椋は一時ポジションを落としたものの、その後は次々とライバルをオーバーテイクし首位に浮上。ただ小椋は、途中でまた雨脚が強まったら、ウエットタイヤ勢に逆転される可能性があったため、差を広げるように務めたという。

「最初はリスクを負うことができないんですけど、また雨が降ってきたら後ろが来てしまうので、できるだけ差を広げておかなければいけないなと思っていました。だから、残り4周までは怖かったですよ。雨脚が強かったら、スリック勢はもう終わりなんで」

 ただレース終盤には、マヌエル・ゴンザレス(QJMOTOR Gresini Moto2)が急接近し、オーバーテイクを許してしまう。しかし小椋は、タイトル争いのことを考えて無理に追いかけることはしなかったという。

「それまでは音もしなかったし、近くに(他のマシンは)いないのかなと思いました。3.5秒差くらいだったと思います。でもそれがいきなり1.9秒くらいになりました。そこからは、2位も受け入れるしかないかなと思いました」

「2位でいいと思ってたわけではないですよ。でも、考えるのは抜かれた後でいいと思っていました。それでも、一旦抜かれることに対する嫌という気持ちはなかったです」

 結局小椋はゴンザレスを抜き返すことはできず2位でフィニッシュ。この結果については悔しがった。

「優勝しなきゃいけないレースだったと思いますよ」

「最後は、くそーって気持ちの、ストレス解消のウイリーです。じっとしてられなかったんです」

関連タグ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

違いは歴然!! 新型[アコード]は気持ちいいクルマに! 更なる進化に向け今後期待したいことは?
違いは歴然!! 新型[アコード]は気持ちいいクルマに! 更なる進化に向け今後期待したいことは?
ベストカーWeb
新型[ハリアー]は大変身!? 新開発エンジンでボンネットが超低く!! 1.5Lターボ搭載のハイブリッドで登場なるか
新型[ハリアー]は大変身!? 新開発エンジンでボンネットが超低く!! 1.5Lターボ搭載のハイブリッドで登場なるか
ベストカーWeb
地球の自転を感じながら南へまっすぐ1000キロ走破! 赤土のアウトバックを時速120キロで爆走…受付閉鎖3分前にギリギリセーフ!!【豪州釣りキャンの旅_14】
地球の自転を感じながら南へまっすぐ1000キロ走破! 赤土のアウトバックを時速120キロで爆走…受付閉鎖3分前にギリギリセーフ!!【豪州釣りキャンの旅_14】
Auto Messe Web
ハジャルの起用は“育成プログラムのコンセプトの証明”。RB代表は「アイザックと裕毅は素晴らしいチームになる」と期待
ハジャルの起用は“育成プログラムのコンセプトの証明”。RB代表は「アイザックと裕毅は素晴らしいチームになる」と期待
AUTOSPORT web
アイザック・ハジャルがF1昇格。RBが2025年の起用を発表「チームのためにベストを尽くす準備はできている」
アイザック・ハジャルがF1昇格。RBが2025年の起用を発表「チームのためにベストを尽くす準備はできている」
AUTOSPORT web
計29サイズ! ブリヂストンが新型タイヤ「REGNO GR-X III TYPE RV」を発売へ! ミニバン・コンパクトSUV向けに深みを増したタイヤとは!?
計29サイズ! ブリヂストンが新型タイヤ「REGNO GR-X III TYPE RV」を発売へ! ミニバン・コンパクトSUV向けに深みを増したタイヤとは!?
くるまのニュース
ヤリス・クロスの韓製ライバルの実力は? ヒョンデ・バイヨンに試乗 6速MTで軽快な走り!
ヤリス・クロスの韓製ライバルの実力は? ヒョンデ・バイヨンに試乗 6速MTで軽快な走り!
AUTOCAR JAPAN
メルセデスAMG本社へはドイツ版新幹線「ICE」の1等車で! 優雅な旅を堪能できるかと思いきや、元気なオバサマたちに邪魔をされ…【みどり独乙通信】
メルセデスAMG本社へはドイツ版新幹線「ICE」の1等車で! 優雅な旅を堪能できるかと思いきや、元気なオバサマたちに邪魔をされ…【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
ホンダ「0シリーズ」SUVが来月初公開へ 米CES 2025でプロトタイプ2車種を出展
ホンダ「0シリーズ」SUVが来月初公開へ 米CES 2025でプロトタイプ2車種を出展
AUTOCAR JAPAN
大人好みに進化したアウトランダーPHEV【九島辰也】
大人好みに進化したアウトランダーPHEV【九島辰也】
グーネット
“トヨタのなかでトップレベルで戦えるドライバー”平川亮のF1テストは「コースをはみ出すことすらなかった」と中嶋TGR-E副会長が評価
“トヨタのなかでトップレベルで戦えるドライバー”平川亮のF1テストは「コースをはみ出すことすらなかった」と中嶋TGR-E副会長が評価
AUTOSPORT web
2025年始動、世界初の水素燃料ワンメイク競技『エクストリームH』がFIAのワールドカップ格式を取得へ
2025年始動、世界初の水素燃料ワンメイク競技『エクストリームH』がFIAのワールドカップ格式を取得へ
AUTOSPORT web
【ドイツ】プリウス顔な新型「ハイパークーペ」がスゴイ! 5リッター「V8」搭載のナラン・オートモーティブの新モデルとは
【ドイツ】プリウス顔な新型「ハイパークーペ」がスゴイ! 5リッター「V8」搭載のナラン・オートモーティブの新モデルとは
くるまのニュース
上海汽車傘下のMG、「半固体電池」搭載EVを2025年発売 コスパ強調
上海汽車傘下のMG、「半固体電池」搭載EVを2025年発売 コスパ強調
AUTOCAR JAPAN
国産最高級ミニバン『アルファード』『ヴェルファイア』に初のPHEVが登場。1065万円から
国産最高級ミニバン『アルファード』『ヴェルファイア』に初のPHEVが登場。1065万円から
AUTOSPORT web
新SUV時代に挑むトヨタ、ミツビシ、シボレーの全15チームに対し異例の“ドラフト制”で布陣が確定/SCB
新SUV時代に挑むトヨタ、ミツビシ、シボレーの全15チームに対し異例の“ドラフト制”で布陣が確定/SCB
AUTOSPORT web
日本の道路事情にピッタンコ!? 旧型「ミニ」生産終了から四半世紀 なぜ高値安定なのか?
日本の道路事情にピッタンコ!? 旧型「ミニ」生産終了から四半世紀 なぜ高値安定なのか?
乗りものニュース
【メキシコ】日産の新型「キックス」が人気スギ!? 8年ぶり全面刷新で“大胆顔”に!全長4.3m級ボディ&「クラス超え上質内装」の「小さな高級車」が売れてる
【メキシコ】日産の新型「キックス」が人気スギ!? 8年ぶり全面刷新で“大胆顔”に!全長4.3m級ボディ&「クラス超え上質内装」の「小さな高級車」が売れてる
くるまのニュース

みんなのコメント

3件
  • yam********
    引くとこは引く事の出来る冷静な判断だったと思います。
    チャンピオンは、もう直ぐだ!
  • papaya
    現地観戦していましたが、小椋選手がスリックを選んだ事がサーキットの放送で流れた瞬間、多くの観客が「なんでスリックなんだぁぁ!」と悲鳴にも近い声を上げていました。
    しかし雨が止み、小椋選手のゴボウ抜きが始まると観客も大興奮!
    予想不可能と言える天候に打ち勝ったのも小椋選手の闘志が強かったからだと思います。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村