新しく登場したダンロップのエナセーブRV505は、走りと静粛性を高次元で両立させている新世代のミニバン専用タイヤだ。モータージャーナリスト瀬在仁志氏が住友ゴム岡山テストコースで試乗した。
ふらつかずに偏摩耗にも強く、静かなタイヤ
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ダンロップの新タイヤ『エナセーブRV505』の試乗会が岡山テストコースで行われた。ここではダンロップ/ファルケンブランドの新車装着タイヤからヨーロッパレンジの開発まで行われているだけに、久しぶりの占有テストは心が躍る。このクローズドコースではちょっと速い速度や高旋回G、あらゆる乗り心地路面が試せるだけに、試乗も楽だし安全。メーカーにとっては、それだけ自信のある意欲作とも言える。
今回のミニバン専用タイヤは、ひとことで言えば、断面形状を四角から丸へと設計思想を進化させることで、外からの入力を分散吸収させ、走りの性能を高めつつ、音や振動を抑えて快適性をも向上させた新世代モデル。荷重を支えるサイド部分を強化すると同時にたわみ部分を大きく取ったり、接地面を前後に丸くし、センターリブを太くして力を受け止めるなど、丸さと強さをバランスよく形にしている。
結果、ミニバン特有の背の高さによる横風対策や、摩耗性能を向上させ、従来モデルエナセーブRV504比で耐偏摩耗性能を53%アップ。同時にパターンノイズで34%/ロードノイズで31%と音対策でも進化させてきた。走りと静粛性を高次元で両立させている点が新世代の証だ。
実際に乗ってみると、従来品が路面をショルダー部分でしっかりとキャッチし、ゴツゴツとしたちょっと粗めの手応えやGを感じるのに対し、新エナセーブRV505は手応えがしっとりとしていてGは穏やかに立ち上がってくる。ロール自体は大きく感じられないものの、沈み込み全体は多めで、ひとことで言えば4輪で粘り強く路面を捉えている感じ。
ハンドリングも、舵角は大きめだが安定感は高く、レーンチェンジなどもつながりが良くスムーズ。街中に出ると路面の荒れたところやつなぎ部分の変化が感じにくく、静粛性が高い。速度を上げると上下動が多めに感じられる一面もあったが、接地性と包み感は変わらず、外乱にタフで安定感がある。
タイヤは、作り手側の思いで乗り味は大きく進化する。走りと快適さを両立させたエナセーブRV505は、次世代タイヤの先駆けとして今後の動きに期待が膨らんだ。次の一手が楽しみだ。
ダンロップ・エナセーブRV505
インチ:13~20インチ
扁平率:35~70シリーズ
全48サイズ
価格:オープン
39サイズでラベリング「AA-b」、9サイズで「AA-c」。
タイヤ幅205以下がストレートグルーブが2本入った「3リブパターン」(写真左)、タイヤ幅215以上はストレートグルーブが3本入った「4リブパターン」(写真右)となる。
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