フェルナンド・アロンソは、マックス・フェルスタッペンからわずか0.084秒という差でF1モナコGPのポールポジションを逃した。その差はどこで生まれたのだろうか? GPSデータで見てみよう。
レッドブルの2023年型マシン『RB19』はこれまで、空力効率と直線パフォーマンスを武器に、ここまで全戦全勝の活躍を見せている。
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一方で今季躍進を見せるアストンマーチンの『AMR23』は、”ベテラン”フェルナンド・アロンソの存在もあり、コーナーへ向けたブレーキングで奥まで突っ込み、素早い立ち上がりを得意分野としてきた。
RB19とAMR23は対照的なマシン特性を持っているものの、モナコのタイトなサーキットでは予選でアストンマーチンがトップに立つ可能性があると考えられていた。
予選Q3でのスリリングな展開
モナコGPの予選が終わり、結果としてアストンマーチンがポールポジションを獲得することはできなかった。
しかしポール争いは実に激しいモノだった。Q3終盤では、まずフェラーリのシャルル・ルクレールが1分11秒471を記録し、3年連続の地元ポールへ向けて暫定トップに立った。
続くアロンソはセクター2で全体ベストを叩き出すと、最終セクターも自己ベストで、ルクレールのタイムを0.022秒上回った。
レッドブルのマックス・フェルスタッペンが狙うベンチマークタイムは、アロンソの1分11秒449。フェルスタッペンはセクター1とセクター2で後れを取り、7つのコーナーを残すところでアロンソから0.204秒落ちというタイムだった。
今季、レッドブルはあらゆるサーキットで威力を発揮してきたが、2度の世界チャンピオンであるアロンソの2012年ドイツGP以来のポール獲得を阻止するのは至難の業かと思われた。
しかし、フェルスタッペンはセクター3でアグレッシブに攻め、プールサイドシケインのイン側、コーナーの立ち上がりでバリアやウォールをかすめながら走った。
最終ストレートではイン側にマシンを擦りながら、コントロールラインまでの最短距離を走り、チェッカー。フェルスタッペンは1分11秒365をマークし、アロンソに0.084秒差でポールポジションを獲得した。
アロンソはどこでタイムを失った?
フェルスタッペンはセクター3でタイムを大きく稼いだものの、より詳しく見てみると、アロンソが良い形で最終セクター序盤を走っていたことが分かる。
AMR23とRB19のGPSデータを見てみると、タバココーナー(ターン12)の出口からプールサイドシケインまではアロンソが先行。テレメトリデータでは、アロンソはタバココーナー出口で優れた加速を見せ、4km/hのアドバンテージを持ってフェルスタッペンを寄せ付けなかった。
実際、フェルスタッペンがペースアップを果たしたのはラスカス(ターン17)への進入から。ここで初めてアロンソがフェルスタッペンに先行を許した。
今シーズンの多くのレースとは対照的に、フェルスタッペンはアロンソよりも奥でブレーキを踏んでおり、スピードを乗せるために素早くブレーキから足を離していた。
ただ、アロンソが苦しんでいたのはフェルスタッペンよりも遅いタイミングでブレーキをかけることよりも、セクター3終盤へのアプローチそのものだ。フェルスタッペンのRB19は回頭性に優れ、低速域でもクイックな方向転換が可能……アロンソよりもより早くスロットルを開け、コントロールラインに向けて加速することができたのだ。皮肉なことに、最終アントニー・ノゲスへの進入の時点で、アロンソはフェルスタッペンから0.24秒差をつけられていた。
なお、AMR23は180km/hあたりでRB19に加速で巻き返すことができていた。データではフェルスタッペンのシフトタイミングが遅く、RB19のギヤ比が長めに設定されているため、加速度に鈍さが生まれていることが分かる。
ただ、予選最終盤の状況は至ってシンプル。フェルスタッペンが最終コーナーからの立ち上がりで最短距離を走るあまり、イン側のウォールにマシンを擦ったためタイムロス。アロンソは0.1秒以下にその差を縮めることができた。
しかしアロンソがフェルスタッペンの上に立つには充分ではなく、フェルスタッペンがアロンソより4 km/h速い276km/hでコントロールラインを駆け抜け、ポールポジションを獲得した。
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