Lamborghini Urus
ランボルギーニ ウルス
メルセデス・ベンツのコンパクトなピュアEVモデル「EQA 250」国内初試乗。SUVとしても魅力大!
未墾の猛牛
スーパースポーツカーの性能を持つSUV、ウルス。最高出力650ps、最大トルク850Nmという超高性能は、はたしてSUVの本懐であるダートコースでも発揮されるのか? オフロードコースに持ち込んでその実力を確かめた。
「ワインディングで示した驚異の走行性能はステージをオフロードに替えても健在だ」
思えば、スタックの多い人生を送って来ました。いや真面目な話、世界中でスタックしてきた。いわゆる試乗会は問題ない。ハプニングは独自に行動している時に起きるものだ。昔、カメラマンと一緒にWRCを追いかけていた頃には、ケニアのぬかるみやスコットランドの林道で、あるいはフレンチ・アルプスの雪道で、にっちもさっちも行かなくなったことがいくらでもある。国内でもゲレンデにアウディ クワトロや911カレラ4を埋めたこともあった。そのほとんどは4WD車である。2WD車ではそもそも無理をしないからである。
4WDだからこそ、行けるのではないか、何とかもっと近づけるのではないかと欲を出してギリギリまで行ってしまって、挙句やっぱり無理だったということになる。使える道具が優秀であればあるほど、限界までそれを引き出してみたくなるのがクルマバカの性というか性癖なのである。もちろん、皆さんには薦めません。分別のある大人はそもそもそんなリスクを冒しません。私も単独行動は厳に慎むぐらいの頭はあったので、後で恥ずかしい話のネタにできるわけです。
釈迦に説法のような話であることを承知で言うが、今や世の中に数多あふれるSUVもその中身は千差万別である。FWDなのに形だけは4WDと同じというものから、雪道での発進時にまあ役に立つ程度の“ちょっとだけ4WD”、そしてメルセデスGクラスのように3ヵ所のデフロックを今なお個別に装備している本格派まで、すべてSUVと呼ぶから誤解が生まれるのだが、考えてみれば、現代のSUVに本格的な悪路走行性能がどれほど必要なのか。
「凸凹だらけの悪路を走破する場合に最終的に物を言うのはタイヤ径と地上高である」
そもそもその種の能力を求めている人はいるのか、という根本的な疑問が浮かぶ。しかしながら、それは日本に限った話である。世界中の道にはまって来た私に言わせてもらえば、信じられないような道、あるいは道とさえ呼べないような「跡」がまだまだ当たり前に存在する。分厚く砂が積もったナミビアの川床を丸一日走ったこともある。その時はディフェンダーだったが、このクルマでなければ、という悪路はいくらでもあるのだ。
豪快に砂塵を巻き上げてドリフトする映像をそのまま真似する人はよもやいないと思うが(あの手の映像は事前に入念にチェックしたコースを使う)、ランボルギーニ初のスーパーSUVであるウルスの場合もその特徴を理解した上で鞭を入れるべきなのは言うまでもない。オフロードと言っても同じく千差万別だが、凸凹だらけの悪路を走破する場合に最終的に物を言うのはタイヤ径と地上高である。たとえば新雪がタイヤ直径の半分ぐらいまで積もっていたらもう難しい。外気温や雪質にもよるが、スタッドレスを履いたSUVでも乗り越えられないだろう。
「オンロードでは頼もしいピレリPゼロだが泥が詰まれば、文字通り手も足も出ない」
しかもウルスの場合は、オンロードでは頼もしいピレリPゼロのもともと数少ない溝に泥が詰まってしまったら(実際にたちまち詰まってしまうのだが)、文字通り、手も足も出ない。650psのV8ツインターボだろうが、アダプティブエアサスペンションだろうが、まさしく宝の持ち腐れになってしまうのだ。また、資料によるとウルスの最低地上高は158mmという。自慢のタンブーロで「テラ(グラベル)」や「サッビア(砂)」などオフロードモードを選択すれば、最高248mmまで上げられるというが、エアロダイナミックなバンパーを打たないように注意しなければならない。ちなみにレンジローバーの地上高は標準位置で220mm、最高では約300mmである。
その代わりというわけではないが、オンロードでのパフォーマンスは飛び抜けている。ランボルギーニ待望のスーパーSUV「ウルス」は、トルセンセンターデフ(基本駆動力配分は前後40対60、フロントに最大70%/リヤ87%まで可変配分)を使用する4WDシステムやツインスクロールターボを2基Vバンクの中に収めた4.0リッターV8ツインターボエンジンなど、多くのコンポーネンツをポルシェやアウディなどグループ内の他ブランドと共用しながらも、エンジン出力はグループ内最強。カイエンターボやパナメーラターボなどを大きく上回る最高出力650psと最大トルク850Nmを発生する。
「スーパースポーツ並みの性能をもちながら通常は荒々しさを感じさせない」
全開にすれば0-100km/h加速は3.6秒、最高速は305km/hというスーパースポーツカー並みのパフォーマンスを備えた新種のSUVである。それでいながら通常走行ではまったく荒々しさを感じさせない点が現代的、V8ツインターボエンジンにはシリンダー休止システムが組み込まれており、軽負荷の定速走行時には頻繁に4気筒モードに切り替わって燃費を向上させる。
ハンドリングと快適性に優れていることも既に伝えられている通りだ。5mを優に超える全長と2m余りの全幅、ホイールベースも3m余りで車検証の車重で2.3トンを軽く超える(カタログ値は2.2トン)巨体が常にフラットさを失わず、滑らかに走るのはアダプティプ・エアサスペンションにアダプティプ・スタビライザー、後輪操舵システムなどの最新メカニズムを完備している効果だろう。
ワインディングロードでも事実上ロールを感じさせず、右に左にスイスイと水平を保ったまま向きを変えるコーナリングは、まるで大きく車高の高いカートを操っているような不思議な感覚だ。
「いつかウルスに相応しいタイヤを履かせて、遮るもののない雪原を走ってみたい」
初のSUVモデルにしてこの洗練度、完成度は見事である。いやいや、チーターとLM002という先祖がいたでしょう、という人は勘違いしている。ランボルギーニ自身も関連性をアピールしているが、クライスラー製V8をミッドシップした“チーター”はあくまでプロトタイプであり、カウンタック由来のV12をフロントに積んだLM002(300台余りの生産台数ながら市販モデル)とはまったくの別物だ。
そのLM002も、舗装路でさえスムーズに走らせるのに手を焼く難物だった(実際に乗ったことがある人はもう少ないだろう)。必要な時だけ獰猛で、それ以外はまったく従順なウルスとは比べ物にならない。いつかウルスに相応しいタイヤを履かせて、遮るもののない雪原を走ってみたい。そういう舞台でこそスーパーSUVの真価を発揮してくれるはずだ。
REPORT/高平高輝(Koki TAKAHIRA)
PHOTO/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)
【SPECIFICATIONS】
ランボルギーニ ウルス
ボディサイズ:全長5112 全幅2016 全高1638mm
ホイールベース:3003mm
車両重量:2200kg
エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ
ボア×ストローク:86×86mm
総排気量:3996cc
最高出力:478kW(650ps)/6000rpm
最大トルク:850Nm(86.7kgm)/2250-4500rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:AWD
サスペンション形式:前後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ(リム幅):前285/45ZR21(9.5J)後315/40ZR21(10.5J)
最高速度:305km/h
0-100km/h加速:3.6秒
環境性能(EU複合モード)
燃料消費率:12.7L/100km
CO2排出量:325g/km
車両本体価格:3068万1070円
※GENROQ 2020年 5月号の記事を再構成。記事内容及びデータはすべて発行当時のものです。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
三重県の「北勢バイパス」、2024年度内に四日市の中心部まで開通! 通勤ラッシュの緩和にも期待。 【道路のニュース】
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
「子供が熱を出したので障害者用スペースに停めたら、老夫婦に怒鳴られました。私が100%悪いですか?」質問に回答殺到!?「当たり前」「子供がいたら許されるの?」の声も…実際どちらが悪いのか
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
特に路面からの突き上げが乱発するような道ではパワーバランスが乱れるのではないだろうか?
ドロ遊びが大好きないい歳したオッさんグループの中にも、ウルスが1台有って泥濘地やターマックを皆んなで乗り比べて感じた事だから。
たぶんGRヤリスに負けるんじゃね?
ウルスが勝てるコースったら砂漠だけか。
パリダカならありかと思うが、たぶん初日でリタイアだな。