この記事をまとめると
■コロナ禍以降、新車納期遅延は収まりつつあるも完全解消には至っていない
12月は輸入BEVが狙い目! 年末セールは「国産」より「輸入車」のほうが圧倒的に買い得なワケ
■納期遅延中となっていながらも新型車にいち早く乗れている人も存在する
■新車をいち早く手に入れる方法をディーラーの営業スタッフに直撃した
発表とほぼ同時に新車をゲットできてる人は何をしている?
コロナ禍以降、新車の納期遅延が多く発生している。のんびり待てる人ならいいが、愛車の車検が迫っている人にとっては、頭の痛い話である。なにしろ、最近では各自動車メーカーの車種ごとのページには、「工場出荷時期目処」なんていう注意書きがあり、クリックして覗いてみると、とんでもないことになっている車種もあるのだから……。
トヨタ車の例を挙げれば、11月7日時点のヴォクシー&ノアは6カ月以上とある。これは6カ月ではない、それ以上納期がかかることもあるという説明だ。
いま、大人気のプリウスに至っては、納期が記されていない。その下には、以下の文面が並ぶ(一部割愛)。 「コロナ感染の拡大並びに世界的な半導体部品不足により、現在、多くの車種で生産遅れが発生しております。コロナ感染につきましては、各職場・仕入れ先に対し、感染対策を徹底して参るとともに、部品調達につきましても、幅広く部品・半導体メーカーへの協力の呼びかけをして、他地域での生産をするなど、全力で部品の供給確保に努めてまいります。既にご注文をいただいたお客様におかれましては、車種によっては当初予定の納期に間に合わない場合がございます。また、現在車両の購入をご検討中のお客様におかれましては、車両のお届けに通常以上にお時間を頂戴する場合がございます。1日でも早くお客様のお手元に車両をお届けできるよう、最善を尽くしてまいりますので、ご不便、ご迷惑をおかけいたしますが、今しばらくお待ちいただきますよう、よろしくお願い申し上げます」 である。ただし、併記として、Uグレード、つまりサブスクのKINTOの利用なら1.5~2カ月程度で納車されるともある。
ただ、サブスクにはいろいろと制限があるから、できれば普通に販売店で買いたいという人も少なくないはず。犬とドライブするのが日常のわが家なら、「ペット乗車禁止」という条件から、KINTOでは注文したくてもできなかったりするのだ。罰則があるわけではないが、返却時、ペットを乗せていることが判明すると清掃代を取られるとのこと。もっとも、これはフツーに買ったクルマを下取り、買取りに出した際、ペットの乗車がバレると清掃代を取られるので、同じと言えば同じだが、「ペット乗車禁止」の文言は気になるだろうし、整備の際にも気遣うことになる。
話を新車の納期に戻すと、ホンダ車の場合、ステップワゴンだとガソリン車が半年程度、e:HEVと呼ばれるハイブリッド車は4カ月程度、最新のZR-Vのe:HEVモデルは10カ月程度となり、人によっては「10カ月も待てない!!」ということになるだろう。いまの愛車の車検が迫っていれば、なおさらである。
また、スバル最新のレヴォーグレイバックを見てみると、トヨタ同様の説明に加え、「一部のアクセサリー用品についても生産に遅れが生じているため、ご注文を一時停止させて頂く場合や、納車時点での取り付けができず、一定期間お時間を頂く場合がございます」とある。
とにもかくにも、新車をあまり待たずに買える時代ではないということだ。
とはいえ、だ。新車の発表後、いち早く納車され、乗っている人もいる。プリウスだって、かなり前に納車されている例は、早期に街を走っている、目立ちに目立つ新型プリウスを見ればわかるだろう。
そこで今回は、ディーラーマンに直撃。新車の発表、発売後、どうやったらいち早く新車に乗れるかを聞いてみた。すると、このWEB CARTOPやCARトップをはじめとする、自動車専門WEB、自動車専門誌が大きくかかわっていることが判明したのである。
極論言えば「早い者勝ち」!
まず、どうやったらいち早く新車が納車されるのかについて。セールス氏によれば、実際問題、いち早くハンコを押したもの勝ち、らしい。いまは先行予約という予約方法が一般化していて、一般予約の先に、それこそ試乗車がないどころか現車も見ないうちに、プレカタログのみの提示で先行予約を取っているわけだ。
そこで、狙った新車の「試乗記」「新車紹介」記事が、じつは先行予約者の決断理由になっているケースが多いらしい。WEB CARTOPなどの自動車専門媒体では、新車の発表、発売前に、生産車のプロトタイプの試乗記を掲載していることが多い。筆者もその試乗記を書いているひとりだが、クルマによっては発売前に、そうした「試乗記」「新車紹介」記事が掲載されている。
あくまでプロトタイプであり、生産車と一部異なる場合もあるにはあるが、基本的にはそこも記載されている。トヨタbZ4Xのプロトタイプを袖ヶ浦フォレストレースウェイで試乗した記事では(WEB CARTOPではありませんが……)、「静粛性については、現時点で鋭意、修正中であるとのことで、言及しない(ロードノイズはまずまず抑えられていたが、ドアミラーまわりから発生するざわざわした風切り音などが目立った)」という但し書きを加えている。
とにかく、いち早く話題の新車を手に入れたいなら、先行予約の初日の朝イチにハンコを押すことらしいのだ。ただ、試乗もしていない、現車も見ていないため、ある意味賭けになるかもしれないが、たとえば新型トヨタ・アルファードなら、先代モデルの人気ぶりは周知のとおりで、内容も国産ハイエンドミニバンを望む人にとってまったく問題なし。
その新型だから進化しているのは当然で、そこは、自動車専門媒体のいち早い試乗、紹介記事を参考にしつつ、ここではトヨタを、新型アルファードを信じて判を押せる決断ができる人だけが、いち早く手に入れることができるということになる(新型より先代モデルのほうが良かったと思えるクルマも、ごくたまにないでもないのだが……)。
では、「先行予約はいつから?」という疑問が沸くが、これは自動車メーカーのHPに掲載されていることもあるし(オデッセイe:HEVのように、すでにHPで「先行予約受付中」となっているとしたら、時すでに遅し!?)、トヨタの新車狙いの人がトヨタ車に乗っていて、しかも車検が迫っていれば、そのデータから、先行予約のお誘いが待っていなくても来るかもしれない。
あるいは、懇意のセールスマンに、くどいようだが自動車専門媒体の「新型アルファードはいつ発売される?」みたいな記事を参考に、いち早く先行予約開始日を聞き出してみるのもいいだろう。買う気を見せれば、まず先行予約会に案内してくれるはずだ。
あとは、もう一度言うが、初日の朝イチにハンコ持参、である。手ぶらで行ってはいけない。担当セールスがいるなら来場予約も忘れずに。もしかすると、販売店に同じ新車を狙っている輩で溢れ返っているかも知れず、待たされているとどんどん順番(納期)が後まわしになってしまう可能性があるからだ。
一方、いま乗っているクルマと違う自動車メーカーの新車狙いであれば、いずれにしても自動車専門媒体での情報収集が欠かせない。ある程度の発売時期が書いてあれば、やはりいち早く販売店に出向き、「今度出る○○○がぜひ欲しい」と、訴えることだ。連絡先を伝え、先行予約したいと訴えれば、相手も商売、その時点で一見の客であっても、新規顧客獲得もあって、先行予約の案内がくる可能性大だ。
これらの話を聞いたセールス氏によれば、「現車がディーラーに到着し、ショールームに並び、試乗ができる段階では、もう周回遅れ。遅すぎます!!」とのこと。もちろん、いま乗っているクルマを買ったセールス氏とのつながりがあり、同メーカーでの乗り換えであれば、より話が有利に働くことは言うまでもない……。
直近の例では、ホンダのHPのトップに、すでに新型コンパクトSUVのWR-Vが、「2023年12月発表、来春発売予定」と公表されている。もしWR-V狙いなら、WEB CARTOPなどの自動車専門媒体のプレ紹介記事を待ち、来春を待たずに、来年早々にも誰よりも早い納車に向けて、動き出すのがいいだろう。すでにグレード展開、内外装デザイン、ボディカラー、ラゲッジルームの寸法、後席にエアコン吹き出し口があること、足もとも広々そうなこと、コネクティッド機能や先進運転支援機能のホンダセンシングの全容、純正アクセサリーなどについて確認することができる。
ちなみに、先のセールス氏が「最終手段」として教えてくれたのは、新車発表、発売時期からやや時間が経った場合に限られるのだが、展示車を新車として買うこと(試乗車は中古車となるからここでは割愛)。ボディカラーやオプションなどは選べず、いらないオプションも満載だったりするのが難点だが、工場の生産遅延など関係なく、現車をいち早く手に入れることができるひとつの手段になる。偶然にも、お気に入りのボディカラーで、欲しいオプションが付いていれば、ラッキーではないか!
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