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軽快なFFか、安定感のAWDか?乗ってわかったスバル「インプレッサ」の実用性

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軽快なFFか、安定感のAWDか?乗ってわかったスバル「インプレッサ」の実用性

 スバルの5ドア「インプレッサ」は、1992年にデビューした。この時は、4ドアセダン、スポーツワゴンをラインアップ。セダンは「WRX」というスポーツモデルもあり、これがWRC(世界ラリー選手権)で活躍した。その後、4ドアセダンと5ドアスポーツワゴンという構成になり、モデルチェンジを繰り返し、スバル車のスタンダードモデルとして、第6世代まで続いている。

第6世代の「インプレッサ」の特徴は?

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 最新モデルは2023年2月から国内先行予約を開始し、ようやく納車が行なわれるようになった。第6世代の「インプレッサ」は、4ドアの「G4」を廃止し、5ドアの「スポーツ」だけを残した。車名も単に「インプレッサ」に改められた。ボディーサイズは、全長が4475mm、全幅1790mm、全高1515mm、ホイールベース2670mmで、第5世代と全幅が5mm大きくなったぐらいで、見た目の変化は少ない。デザインもフェンダーが張り出したことが目につくぐらいで、ほとんど先代とは変わらないが、偶然、信号待ちで並んだ5代目ユーザーは、違いがわかるようで、次の信号まで、こちらを観察するように、ガン見していた。



 しかし、外観の違いの少なさとは裏腹に、6代目はボディー構造から大きく進化している。「スバルグローバルプラットフォーム」は組み立て手法から変更し、ボディー全体の骨格を組み立ててから外板を溶接。これにより変形やたわみの少ない高剛性ボディーになった。ルーフパネルとブレースの間の接着も高減衰弾性接着剤を採用し、振動を低減させた。さらにシートと車体の固定構造もシートレールを直接車体に固定し、快適な乗り心地を実現している。

 走りの進化では電動のピニオンパワーステアリングとブレーキブースターの採用で、走行安定性を向上させている。スバル車といえば、アイサイトに代表されるように、安全性能の高さも注目したい。新型「インプレッサ」のアイサイトは4つのカメラ映像を合成して車両の360度を映し出すディスプレイが大きな画面になった以外、画角をこれまでの2倍に拡大、画像認識ソフトと制御ソフトを改良した。アイサイトは低速での走行時に新型ステレオカメラよりも広角で、2輪車や歩行者を認識できる単眼カメラを新たに採用。プリクラッシュブレーキで対応できるシーンを拡大した。歴代アイサイトでは最高の性能だという。



 衝突安全性能はバンパービームを車両外側まで拡大し、対車両の衝突事故で自車の衝突安全性だけでなく、相手側の乗員を守る性能も高めている。つながる安全ではスマートフォンアプリでのリモートロック/アンロック性能やリモート車両位置確認機能などのコネクテッドサービスの領域拡大を図っている。



 パワーユニットは水平対向のガソリン2Lエンジンと、2Lエンジン+モーターの2種類。グレードはST/ST-G/ST-Hの3グレードで、それぞれにFF/AWDが用意されている。ミッションはリニアトニック7速ATを搭載。マニュアルミッションは用意されていない。

FF車の軽快さとAWDモデルの安心感

 試乗したのは、AWDのハイブリッドとFFのハイブリッド、どちらもST-Hだ。スバルといえばAWDだが、普通車のスタートはFFのスバル1000。伝統のFF車から試乗する。外観はFFもAWDも同じ。エムブレムもないので、両車を見分ける手がかりはない。

 ただし、走り出すとわずかだが、FF車の軽快さを感じる。車両重量はFFが1540kg、AWDは1590kgなので、体重50kgのパッセンジャー分の重さが、若干の差になっている。それは、0→100km/hの加速を計測するとハッキリする。FFが9秒台後半に対し、AWDは約1秒、遅かった。FF車は、コーナリングでも軽さがあり、ハンドリングを楽しむことができる。とくにSモードを選択すると、立ち上がりからの加速感がリニアに感じた。

 eBOXERは、スタート時や加速時に、モーターパワーを使うのだが、モーターのパワーは13.6PS、65Nmと小さいので、その効果も限定的。もう少し、ハイブリッド効果を大きくしたモデルも欲しい。軽快な感じで操ったFF車は、しっかりと開発に時間とお金をかけたクルマづくりの安良心のようなものが感じられた。 

 しかし、AWDモデルに乗ると、違った良さも体感することができた。それはとくに高速走行の時。当然かもしれないが、4輪駆動と2輪駆動の安定感の違いを顕著に感じたのだ。やはりAWDの安定感は頼もしい。雪道や凍結路では当然だが、とくに雨の降りはじめで路面が湿り始めた時などのハンドリングの違いは歴然としている。雪道だけでなく、高速道路を走る機会のある人は、AWDに乗るべきだ、と言いたい。



■関連情報
https://www.subaru.jp/impreza/impreza/?=pcgnavi

文/石川真禧照  撮影/萩原文博

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みんなのコメント

8件
  • ht1********
    もういい加減このe-boxerテコ入れしないと、誰も見向きしないのでは
  • ボン尻
    市街地でも高速でもFFで十分。
    雪国、山間部での運転がが多い人と、より安定性を求める人にはAWDがお勧め。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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