現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 細部も作り変えてスタンダードに改造!1/24ミニカー改造で「観音クラウン1900」をタクシー化・前編【モデルカーズ】

ここから本文です

細部も作り変えてスタンダードに改造!1/24ミニカー改造で「観音クラウン1900」をタクシー化・前編【モデルカーズ】

掲載 更新 1
細部も作り変えてスタンダードに改造!1/24ミニカー改造で「観音クラウン1900」をタクシー化・前編【モデルカーズ】

兄弟車を用意して保険を掛けつつクラウン登場!

トヨタのクラウンは、日産セドリック/グロリアとともに、日本のタクシーの歴史を支え続けた車種である。セドリックよりデビューが5年早く、また生産終了も4年遅かったことを考えると(もっとも、最後のクラウン・セダン/クラウン・コンフォートはマークIIベースであり、生粋のクラウンとは言えないのだが……)、まさに戦後のわが国のタクシーの歴史はクラウンとともにあったと言って良いだろう。

伝統を継承しつつ時代に合わせて進化する一台。トヨタ「ランドクルーザー”70″」を発売

【画像32枚】スタンダード化・タクシー化に成功した観音クラウンを見る!

第二次大戦後のタクシーは、戦前からの生き残りのフォードとシボレー、しかも戦中の燃料事情の逼迫から代燃車に改造されたものが大半であった。やがて乗用車の生産が再開され、ダットサンのような小型車がタクシーとして使用される一方、トラックシャシーに乗用車ボディを架装した車両も、国産メーカーによって送り出されるようになってきた。

これはノーズ部分をトラックのまま後ろに車体を継ぎ足した形であったが、やがて見た目だけは本格的なボディをまとうようになる。こうした車種の代表的なものが、例えばトヨペット・スーパー(1953年)だ。R型エンジンの強力な走りにより「神風タクシー」の代表的な一台となったスーパーだが、それでもシャシーは未だトラック流用のものであった。

1955年クラウン登場、そして約4年後に後期型へ
こうした中で、トヨタによる戦後初の本格的な乗用車――フレームから乗用車専用として設計されたシャシーを持つ――トヨペット・クラウンが1955年1月に発売される。ボディは観音開きのドアと、後傾したCピラーが特徴だ。デザインの過程に当たっては当時のキャデラックをそのまま縮小したモデルも試作されたというが、完成したクラウンのスタイリングは1953年型プリマスに酷似していた。エンジンはスーパーと同じR型(1.5L 直4 OHV、48ps)を搭載、レイアウトはもちろんFRで、サスペンションは前ダブルウィッシュボーン/後ろリーフリジッド。

当時の日本はまだまだ道路の整備が進んでおらず、そうした悪路での酷使に耐えられるかどうか、またそこに不安を抱くであろう事業者の心情に配慮して、フロントもリジッド式サスペンションとした兄弟車(実際にはエンジンが共用という程度だが)、トヨペット・マスターが同時に発売されたのも有名なエピソードだ。マスターは、アメリカ風のクラウンに対し、ヨーロッパ調のスタイル(実際にそう言えるかはさておき、トヨタの意図としてはそうであった)を纏っていた。

蓋を開けてみると、クラウンは酷使に耐え乗り心地も良好ということでタクシー業界に受け入れられ、マスターの方は2年ほどで販売終了してしまった。当時の日本各地を撮影した写真や映像を見ると、タクシーとして使用されるクラウンの姿を、そこかしこに見ることができる。

登場から約1年後には、豪華版のデラックスを発売。サイドモールが増やされ、ラジオやフォグランプが装備されていた。1958年にはエンジンを58psにまで強化、そののち同年10月にマイナーチェンジが行なわれ、前後デザインを大きく変更した。フロントはヘッドライトが埋め込まれたような形となり、その上部が庇状に伸びた形状となったほか、ターンシグナルも大型化されている。リア周りはテールフィンがより鋭角的になり、テールランプも縦長な形へと改められた。

このマイナーチェンジの後、トヨグライド(AT)装着車やディーゼル仕様などが加えられたが、1960年10月のマイナーチェンジでは、1.9Lモデル(1900デラックス)が追加された。これは同年9月に小型車枠が拡大されたことを受けたもので、最高出力90psの3R型(R型をボアアップしたもの)が搭載されている。翌1961年4月には、この3R型を80ps仕様とした3R-Bを積むスタンダードを加え、クラウンは1.9Lモデルに統一された。そして1962年9月にフルモデルチェンジを行い、クラウンは二代目S40型系へと進化したのである。

さて、ここでご覧いただいているモデルカーは、この初代クラウンの後期型、1900スタンダードをベースとしたタクシーである。スケールは1/24だが、現在までのところ、このスケールの初代クラウンのプラモデルは発売されていない。この作例は、ダイキャストミニカー(アシェット刊『国産名車コレクション』付属)をベースに、細部をスタンダードへと改め、タクシー仕様として仕上げたものだ。

作例を制作した畔蒜氏にとってこのトヨペット・クラウン1900スタンダードは、これを愛車として個人タクシーを営業していた祖父の記憶とともに、非常に印象深い1台であるとのこと。そこで、ダイキャストミニカーを分解・改造・再塗装しての作例制作となった、という次第である。その詳細や制作過程については、画像のひとつひとつをじっくりとご覧いただきたい。

こんな記事も読まれています

最新パワーユニットを搭載した「メルセデスAMG CLE53 4MATIC+ クーペ」を追加発売
最新パワーユニットを搭載した「メルセデスAMG CLE53 4MATIC+ クーペ」を追加発売
月刊自家用車WEB
TomTomがBMWモトラッドのグローバルラインナップへナビゲーションスタックの提供を発表!さらに革新的なモデルへ
TomTomがBMWモトラッドのグローバルラインナップへナビゲーションスタックの提供を発表!さらに革新的なモデルへ
バイクのニュース
日産新型「最上級3列SUV」まもなく登場! 全長5.4m級の巨大ボディ&超豪華インテリア採用! 新型「QX80」米国で発売へ
日産新型「最上級3列SUV」まもなく登場! 全長5.4m級の巨大ボディ&超豪華インテリア採用! 新型「QX80」米国で発売へ
くるまのニュース
アストンマーティンF1、ランス・ストロールとの契約を”2025年以降”まで延長。ホンダPU搭載マシンもドライブへ
アストンマーティンF1、ランス・ストロールとの契約を”2025年以降”まで延長。ホンダPU搭載マシンもドライブへ
motorsport.com 日本版
アルピーヌF1のブリアトーレが、サインツ獲得に動く。ウイリアムズ、アウディとの争奪戦を展開
アルピーヌF1のブリアトーレが、サインツ獲得に動く。ウイリアムズ、アウディとの争奪戦を展開
AUTOSPORT web
魔改造の夜に「Sズキ」登場!! ワニちゃん水鉄砲でエンジニアが壮絶な闘い
魔改造の夜に「Sズキ」登場!! ワニちゃん水鉄砲でエンジニアが壮絶な闘い
レスポンス
なぜD1グランプリ王者はレイズを選ぶ?「gram LIGHTS 57NR」をトヨタ「GR86」にセットする「Team TOYO TIRES DRIFT」を紹介します
なぜD1グランプリ王者はレイズを選ぶ?「gram LIGHTS 57NR」をトヨタ「GR86」にセットする「Team TOYO TIRES DRIFT」を紹介します
Auto Messe Web
7年ぶりにラリー・ポーランドがWRCに復帰、勝敗を分けるポイントは?【WRC第7戦開幕プレビュー】
7年ぶりにラリー・ポーランドがWRCに復帰、勝敗を分けるポイントは?【WRC第7戦開幕プレビュー】
Webモーターマガジン
首都高沿いの神田川がぐにゅ っと曲がる場所で「橋を撤去します」 変わる“印刷会社銀座” 都バスも経路変更
首都高沿いの神田川がぐにゅ っと曲がる場所で「橋を撤去します」 変わる“印刷会社銀座” 都バスも経路変更
乗りものニュース
メルセデス・ベンツ、CLEカブリオレを発売
メルセデス・ベンツ、CLEカブリオレを発売
月刊自家用車WEB
BYDが“フラッグシップモデル” EV「SEAL」発売 「ブレードバッテリー」が長い航続距離と安全性確立
BYDが“フラッグシップモデル” EV「SEAL」発売 「ブレードバッテリー」が長い航続距離と安全性確立
くるまのニュース
アストンマーティン『バリアント』発表、745馬力のV12を6速MTで操る…世界限定38台は完売
アストンマーティン『バリアント』発表、745馬力のV12を6速MTで操る…世界限定38台は完売
レスポンス
日本全国いますぐチェック! 梅雨&台風シーズンに向けて必須の「愛車チェック&メンテ」6つ
日本全国いますぐチェック! 梅雨&台風シーズンに向けて必須の「愛車チェック&メンテ」6つ
WEB CARTOP
金利ゼロ! 通常のローンを断られても使える! 魔法のように聞こえる中古車屋の「自社ローン」の落とし穴
金利ゼロ! 通常のローンを断られても使える! 魔法のように聞こえる中古車屋の「自社ローン」の落とし穴
WEB CARTOP
タイヤの“使い方”が勝敗を分けた? スペインGPで敗れたランド・ノリス、最後に追いつけなかった理由は
タイヤの“使い方”が勝敗を分けた? スペインGPで敗れたランド・ノリス、最後に追いつけなかった理由は
motorsport.com 日本版
新型「GX」にも乗れた! “高級車ブランド”レクサスが提案する「アウトドアの新たな楽しみ方」とは? 「肝いりのキャンプイベント」は何が進化した?
新型「GX」にも乗れた! “高級車ブランド”レクサスが提案する「アウトドアの新たな楽しみ方」とは? 「肝いりのキャンプイベント」は何が進化した?
VAGUE
トヨタ「ハイエース」に「セルシオエンジン」搭載!? 専用「豪華装備」満載の“救急車”がスゴかった! 大活躍の「ハイメディック」はもはや“伝説”か
トヨタ「ハイエース」に「セルシオエンジン」搭載!? 専用「豪華装備」満載の“救急車”がスゴかった! 大活躍の「ハイメディック」はもはや“伝説”か
くるまのニュース
写真で見るニューモデル インフィニティ「QX80」
写真で見るニューモデル インフィニティ「QX80」
日刊自動車新聞

みんなのコメント

1件
  • malco
    なぜ、この車のナンバープレートは軽自動車でもないのに黄色なのか?

    おそらくこの記事を書いたライターも知らないから触れていないんだろうけど、この当時のタクシーのナンバーは黄色だったのだ!

    だが、このことに触れている記事はネットを調べてもほぼ見つからないことを考えると、タクシードライバーだったおじい様の記憶が鮮明だったからこそ忠実に再現できたんだと思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

26.8879.0万円

中古車を検索
クラウンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

26.8879.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村