かつてのように、200万円未満で普通乗用車が購入できた時代はとうに終わり、現代では、コンパクトカーや軽自動車であっても、200万円を超えてしまうのが当たり前になりつつある。
「あまりお金はかけられないけど、中古車はいや」という方や「新車を購入するならば、コスパ最強の一台を選びたい」という方に向け、200万円以下で大満足できるクルマを4つご紹介しよう。
「コスパ最強車はこれだ!!」プロが薦める200万円以下で大満足なクルマ5選
文:吉川賢一
写真:TOYOTA、SUZUKI、HONDA
高コスパ車といえばこれ !! トヨタ「ライズ」(X:171万円~)
まず真っ先にご紹介したいのは、2019年に登場したトヨタ「ライズ」(X:171万円~)だ。登場翌年となる2020年は、ヤリス(151,766台)に次ぐ販売台数(126,038台)を記録したライズ。ご存じのとおり、ダイハツ「ロッキー」(L:168万円~)のOEMであり、つい先日(2022年11月11日)には、スバルからも「REX」(G:182万円~)として登場している。
キビキビした走りが楽しめ、WLTCモードで20.7km/Lと燃費もよく、デザインも新鮮で装備も十分。メーカーオプションでディスプレイオーディオ(97,900円)を装備すれば、スマホを接続することでナビとして活用できる。ライズのベースグレード1.2L直3ガソリン仕様「X」(171万円)でも十分楽しめるが、中間グレードである「G」(186万円)にすることで、ワンランク上のライズを楽しむことができる。現時点、日本市場で最もコスパのいいモデルといって過言ではないだろう。
中間のGグレードでは、16インチアルミホイール(ベースは鉄ホイール)、エクステリアの加飾パーツ付、インテリアのメッキ加飾付、LEDデジタルスピードメーター&7インチTFT液晶ディスプレイなど、上級グレードに近い装備内容となる
軽ということを忘れるほどの上質感 ホンダ「N-BOX」(G:144万円~)
軽自動車からは、7年連続で軽自動車の販売台数のトップに君臨している、ホンダ「N-BOX」をご紹介したい。現行モデルは、2017年に登場した2代目。流行りの軽スーパーハイトワゴンのボディタイプで、全グレードに衝突軽減ブレーキやACC、車線維持支援システム(LKAS)を有するホンダセンシングを標準搭載し、燃費もWLTCモードで21.2km/Lと低燃費(ターボは20.2km/L)。
ガソリンNAモデルは144万円~157万円(2WD)、ターボモデルは177万円~177万円(2WD)、エクステリアを絢爛豪華にしたカスタムはおよそ10万円高くなるが、ホンダらしくパワフルなエンジンで、なおかつ静粛性も高く、優れたコンパクトカー並の乗り味は、他メーカーの同タイプよりもワンランク上。インテリアの質感も高く、軽スーパーハイトワゴンを検討するならば、外せない一台だ。ただ、売れているだけにあちこちで同じ車を見かけることになるため、その点は覚悟が必要かもしれない。
ホンダN-BOX。7年連続軽ナンバーワンの実力は伊達じゃない
とにかく車内が広い!! スズキ「ソリオ」(G:158万円~)
とにかく広い車内スペースを求める方にお薦めなのが、スズキ「ソリオ」だ。現行モデルは2020年に登場した4代目。室内の広いスペーシアをベースに、ソリオでは、車幅と全長をさらに拡大しただけあって、車内がとても広く、特に後席が広い。エントリーグレードの1.2L 直4 NAガソリン車は158万円~(ソリオG 2WD)、マイルドハイブリッドのソリオHYBRID(MX)は185万円~、チョイ悪フェイスがお好みであれば、バンディッド(200万円~)もいいだろう。
ソリオに限らず、スズキのクルマはどのモデルも、他メーカー車よりもコスパがよいが、それはスズキが、アイディアでコストを下げる努力をしているから。例えば、車室内の空気を循環させるスリムサーキュレーター(MZのみ)は、エアコンの導入口をピラー内に這わせるよりも、ずっとリーズナブルであり、そして効果も十分だ。
ただ、9インチ全方位モニター付ナビ(税込18万7000円、なお「全方位」にはカメラパッケージ(5万5000円)も要)や、ディーラーOPの大画面10インチナビモニタ(25万2505円)など、ナビゲーションはやや高め。ナビ機能はApple Car PlayやAndroid Autoが使えるディスプレイタイプが欲しいところだ。
ソリオの車内。とにかく後席が広い
あの超最新人気モデルも200万以下で買える!! トヨタ「シエンタ」(X_5人乗り:195万円~)
車両本体価格がギリギリ195万円、ということで、2022年8月にフルモデルチェンジとなったばかりのトヨタ「シエンタ」も取り上げたい。今回のフルモデルチェンジでは、従来通りの5ナンバーサイズに収めつつ、エクステリアデザインはこれまでのカワイイ系から、フレンチな香りが漂うオシャレカワイイ系へと進化。1列目と2列目の間を80mmも拡大し(先代比)、カップルディスタンスはクラストップレベルの1,000mmを達成、買い物かごを足元にそのまま置けるほど広くなった。先代同様に、ガソリン、ハイブリッド共に5人乗りと7人乗りを設定している点も長所だ。なお199万円の7人乗りのエントリーグレード「X_7人乗り」は、2023年4月以降の生産予定だ。
2022年8月に登場したばかりの新型シエンタ。フレンチな香りが漂うオシャレカワイイ系なエクステリアが魅力
中古車よりも、カーライフコストでは安く済む可能性も
他にも、ホンダN-ONE(RS_CVT/6MT:税込199万円~)やマーチNISMO S(5速MT:187万円~)、スズキジムニー(XG_5MT:税込155万円~)、ジムニーシエラ(JL_5MT:税込180万円~)など、スポーティな味付けのクルマや、趣味性が高いクルマなど、200万円以下で楽しめるクルマはまだまだある。
コストを抑えるとなると、中古車という選択肢も浮かぶところだが、メーカー保証の付いた車を買ったほうが、リセール時の費用が高くなり、カーライフコスト(購入から売却までにかかる費用)で考えた時には、そのほうが安く済むこともあったり、故障などがあった際にも、余計な出費をせずに済む場合もある。なにより、自分好みに選んだ仕様で、出来立てのクルマを手に入れるのは気分がいい。参考になれば幸いだ。
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