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電動化を進めるボルボ初の48Vマイルドハイブリッド「XC60 B5」に乗ってみた

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電動化を進めるボルボ初の48Vマイルドハイブリッド「XC60 B5」に乗ってみた

■今後登場するボルボ車はすべて電動化されていく

 2020年以降のニューモデルはすべて電動化すると発表したボルボだが、その公約に沿ってリリースされたのが、48V(ボルト)マイルドハイブリッドと呼ばれるシステムを持つ「XC60 B5」だ。

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 電動化といってもBEV(100%電気自動車)というわけではなく、エンジンは搭載しているが減速時の回生エネルギーをリチウムイオンの二次バッテリーに貯め、電気モーターの補助で走ることができるところが電動化なのだ。

 BEVに一番近いのが、外部から充電できるPHV(プラグインハイブリッド)で、次にHV(ハイブリッド)があり、素のエンジン車に一番近い48Vマイルドハイブリッドの順番で並ぶ。

 もちろん、BEVに近いほど貯めた電気で走行可能な距離が長くなるので、燃料消費は少なく走行中のC02の排出量も少なくなる。ただし大きな二次バッテリーと電気モーターを搭載しなくてはならないので重量が増し、コストは高くなる。

 今回登場したXC60 B5は、素のエンジン車に一番近いマイルドハイブリッドだが、これがこれからの電動化されたボルボモデルのベースシステムになると思われる。

 48Vで回すのは、ベルトISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)だ。

 通常よりも大きめのモーターをスターターとジェネレータ(発電機)として兼用し、ベルト駆動している。エンジンで走行中にもスターターモーターを使って48Vで駆動のアシストができるのだ。

 通常のクルマのバッテリー電圧は12Vだから、48Vというのはその4倍の力が出せると考えてもいい。駆動するモーターの出力は10kW/3000rpm、トルクは40Nm/2250rpmを発揮する。

 ブレーキペダルはバイワイヤーになり、ペダル踏力に合わせて減速エネルギーを回生できる。得られた電気はリチウムイオンバッテリー(0.5kWh)に貯める。

■違和感のない自然な走行フィーリング

 じつは、48Vマイルドハイブリッドシステムを持つボルボXC60 B5は、ガソリンモデルのXC60と見分けるポイントは少ない。

 外観はリアゲートに貼られた「B5」のバッジ、インテリアではATのセレクターレバーがクリスタルになり、バイワイヤーの電子シフトになったこと。さらにタコメータの中に電池マークが加えられたことだけだ。

 この小さな電池マークは、ブレーキを踏んで回生しているときだけ青色に変化するだけで、けっして目立とうとはしていない。今後ボルボ車はこれが当たり前になることを前提にしているのだろう。

 乗り込んでシートポジションを合わせ、シートベルトをして、ブレーキペダルを踏みながらセレクターレバーの手前側にあるスタートスイッチを右に捻る。

 通常ならここでキュルキュルンというスタータモーターの音がしてエンジンが始動するが、48Vマイルドハイブリッドだけあってゴロンという感じの低い音がしてエンジンが回り出す。

 始動直後にエンジン回転数が高くなることもなく、とても躾(しつけ)がいい。これはベルト駆動のメリットで、エンジン停止/始動を繰り返しても乗員にストレスがかかるような音や振動がない。

 PHEVと同じバイワイヤーのブレーキシステムになったが、違和感はまったくない。とても自然な感じで操作できる。ドライバーの意図と違い遅れて反応したり、あとから強すぎたりということがない。ペダルのストローク感、踏力に比例したブレーキ力、遅れのなさなどよくチューニングされている。

 電動化に進むとエンジンが止まっている状態でもブレーキを使うことになるから、今後はバイワイヤーのブレーキシステムが主流になる。ボルボはこれから発売される全モデルを電動化するわけだから、このブレーキの研究開発に力を注いだことが窺える。

 じつは搭載されるエンジンは通常のガソリンモデルと同じ2リッター直列4気筒ターボなのだが、その中身はオールニューといっていいほど進化している。

 CDA(シリンダー休止システム)を採用し、エンジンの負荷が小さいときには1番と4番シリンダーを休止する。作動する車速は30km/hから160km/hの範囲だから幅広い。

 さらにターボチャージャーも変更され、ピストン、シリンダーヘッド、エンジンマウント、オイルパンカプセル、エキゾースト系まで新設計になっている。また電動化に合わせてアイシンAW製のATの制御も見直されている。

 XC60 B5を走らせてみて一番感じたことは、まったく違和感がないということだろう。48Vマイルドハイブリッド搭載モデルということをいわれなければ気づかないレベルだ。シリンダー休止システムもいつ作動しているのか、走行していてわからない。

 プリウスなどのハイブリッドモデルと比べると、エンジンが止まっている時間も長くないし、乗っていてハイブリッド感はない。だが細かいところまでチューニングが行き届いていて、通常のエンジン車のように自然な感じで運転できるところに好感が持てた。

●VOLVO XC60 B5 AWD INSCRIPTION

・車両価格:734万円
・全長:4690mm
・全幅:1900mm
・全高:1660mm
・ホイールベース:2865mm
・車両重量:1920kg(エアサス仕様
・エンジン:直列4気筒DOHCターボ+電気モーター
・排気量:1968cc
・エンジン最高出力:250ps/5400-5700rpm
・エンジン最大トルク:350Nm/1800-4800rpm
・モーター:交流動機電動機
・モーター最高出力:10kW/3000rpm
・モーター最大トルク:40Nm/2250rpm
・駆動方式:4WD
・変速機:8速AT
・サスペンション前/後:ダブルウイッシュボーン/マルチ陸
・ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
・タイヤ前後:235/55R19
・WLTC燃費:11.5km/L

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みんなのコメント

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  • せっかくパワートレイン変えたんだから、少し差別化してデザインとか改良したら良かったのに。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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