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スバル初披露「STI E-RAコンセプト」 EVスーパースポーツに託された使命とは?

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スバル初披露「STI E-RAコンセプト」 EVスーパースポーツに託された使命とは?

オートサロンでのサプライズ

東京オートサロン(2022年1月14日~16日)の初日、報道陣向け公開日に登場された「STI E-RA1コンセプト」の姿と、STIの今後の計画を知って多くが驚いた。

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事前情報として、スバル・STI(スバルテクニカインターナショナル)のブースには、近未来を予感させるEVコンセプトモデルがあると、報道陣は知らされていた。

それを受けて、大方の予想は「2022年にはトヨタとスバルが協業する量産型EVとして、bZ4Xとソルテラが登場する。だから、STIとしてもEVに関する何らかの方向性を示す必要がある時期だろう」という程度のものだった。

ところが、実際に登場した「STI E-RA1」は2022年中に国内でシェイクダウンをおこない、そして独ニュルブルクリンクでのタイムアタックに挑戦する本物のマシンだったのだ。

実は、「本物のなかの本物を展示する計画もあった」(STI幹部)という。

つまり、いまいまSTI E-RA1の実車は開発の真っ最中であり、東京オートサロンのタイミングには本物の登場が間に合わなかったということだ。

ただし、STI幹部によると「本物は、今日お見せしているこのモデルとほとんど同じだ」という。

まさに、「本物に対するコンセプトモデル」を世界で初めてお披露目したことになる。

その中身について深堀りする前に、コンセプト登場の背景から見ていこう。

目先の「EVシフト」ではなく……

なぜスバルがこのようなタイムアタックモデルの製作を決めたのか?

正確に表現すれば、「スバルが」ではなく、主語はあくまでも「STIが」である。ここは大きなポイントとなる。

STIの発表によると、「地球温暖化対策を主としたカーボンニュートラルな時代において、モータースポーツの世界で新しい技術の経験と修練を積むことを目的とし、STI近未来モータースポーツスタディプロジェクト「STI E-RA チャレンジプロジェクト」を立ち上げた。

Eとはエレクトロニック(電動)、またRAはレコード・アテンプト(記録への挑戦)を意味する。

東京オートサロン発表現場で、STI幹部は「プロジェクトが具体的に動き出したのは2020年の始め」といった。

その時点で、日本を含めたグローバルでカーボンニュートラルに関する議論は盛んになっていた。

だが、日本政府が「2050年カーボンニュートラル」を念頭に置いた「グリーン成長戦略」を打ち出したのは2020年末だ。

また、グローバルでのEVシフトが本格化してきたのも、コロナ禍による自動車販売の影響が一段落し始めた2020年春から夏にかけてである。

要するに、STIとしてはグローバルや日本国内での「目先のEVシフト」に振り回されたのではない。

「STI E-RA1」どんなクルマ?

「これからSTIはどうしていくべきか?」という自問自答する中で、STI E-RAチャンレジプロジェクトが生まれたといえるだろう。

このプロジェクトは、STIにとって必然なのだ。

では、STI E-RAチャレンジプロジェクトの第1弾、STI E-RA1の中身について見ていく。

まずは外観だが、近未来のGTレーシングカーという雰囲気だ。

ボディ寸法について詳しい数字は公開されていないが、東京オートサロンのブース内に展示されていた現行GT300マシンと見比べると、サイズ感としてはかなり近いイメージがある。

ここには当然、理由がある……。

また、なんらかの国際レギュレーションに沿ったマシンでもないが、資料には「将来のモータースポーツ車両(FIA E-GT)」という言葉も出てくる。

次に、パワートレインだが、STIとしてレギュレーションがとくにないとなると、やはり四輪駆動が必然となる。

公開された資料には、「モーターはヤマハ発動機より供給のハイパーEV向けギア、インバーターを一体式としてトルク高回転タイプを採用」とある。

「四輪でダイレクトのモーターがついてため応答性が高く……」という表現もある。

そうなると、インホイールモーターなのか?

この点についてSTI幹部につっこんで聞いてみたところ……。

目標はニュル北6分40秒

「インホイールモーターではなく、ドライブシャフトを介して、四輪それぞれを独立した制御するモーターと制御システムを合計4つ搭載している」と詳細を明らかにした。

パワーは1モーターユニットあたり最大出力271.9psでマシン全体で1088psにおよぶ。

現行のGT300はもとよりGT500を大きく凌ぐスーパーマシンであることが分かる。

STI幹部によると「これまでSTIやスバルが量産車やラリーマシンなどで培ってきた、機械式の四輪駆動とはまったく違う発想が必要だ」とEV四輪駆動の難しさと技術に対する深みについて触れた。

「結果的に、車体のヨー方向のコントロールをして、操縦性や安定性を高めるという点は機械式四駆と同じだが、アプローチがまったく違う」と説明する。

そして、ニュル北コースで6分40秒という目標設定については「VWのID.Rが6分5秒だが、シングルシーター。GTカー的に発想では、中国のニオEP9が6分45秒なので、目標を6分40秒と設定した」という。

さらには「将来的には、2ドアGT(の量産モデル)の実現も念頭に置いているため、こうした目標設定を決めた」と、なんとも意味深なコメントである。

近未来のモータースポーツの在り方、そして近未来のSTIブランドの在り方について、具現化することで議論を深めていくこと。それが、STI E-RA1の使命である。

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みんなのコメント

1件
  • エコな技術の開発のためなんだろうけど、モータースポーツって一生懸命資源やエネルギーを消費するものなので、電動化したところでエコなイメージがないんだよな…。
    「自前再エネ縛りでやります」って言ってくれたら大分イメージ違うけど。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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