現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 背面タイヤって安全性どうなの!? 一見よさそうだけど廃れたワケって?

ここから本文です

背面タイヤって安全性どうなの!? 一見よさそうだけど廃れたワケって?

掲載 43
背面タイヤって安全性どうなの!? 一見よさそうだけど廃れたワケって?

 すっかり廃れた背面タイヤ。SUVのリアにでかでかとスペアタイヤを背負っているアレだ。一見すると後ろからぶつけられた時なんか緩衝材になる気もするけど、あれどうなの!?

文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部

背面タイヤって安全性どうなの!? 一見よさそうだけど廃れたワケって?

■当たり前だったのに……今やジムニーシリーズだけ

ランクルなど本格派モデルと同様に、今でいうクロスオーバーSUVのラシーンにすら背面タイヤが!!

 ひと昔前ではSUVの象徴ともなっていた背面スペアタイヤ。そのアイコンさたるや日産のパイクカーでもあるラシーンや、スターレットをベースにSUV風の加飾をプラスしたスターレットリミックスなど、乗用車ベースのSUV“風”モデルにも、SUVっぽさをプラスするアイテムとして採用されていたほどだ。

 しかし、近年ではスペアタイヤを背負うSUVはすっかり少数派となり、キングオブオフローダーであるランドクルーザー300も背面スペアタイヤは採用していない。

 今や国産車で背面スペアタイヤを採用しているのはジムニーとジムニーシエラ程度というのが実のところとなっている。

■デメリットだらけだった!? 背面タイヤが衝撃を吸収することはほぼなし……

追突された際など、背面タイヤが緩衝材となりそうだが……

 このスペアタイヤを背中に背負うというスタイル、実はデメリットも少なくなく、それによって徐々に姿を消しているというのが実のところのようなのだ。

 例えば、後方から追突されてしまった場合など、空気の入っているタイヤがあるために衝撃を吸収してくれるような印象があるかもしれないが、スペアタイヤというのはタイヤだけでなくホイールも備わっている。

 そしてホイールというのは路面からの入力を直接受けるものであるため、かなり高い強度を誇っているのはご存知のことだと思うが、そんなホイールに向かって衝突したら、衝撃を吸収してくれるどころかより甚大なダメージを与えかねないのである。

 もちろん実際には背面スペアタイヤの車両にぶつかった方が被害は大きいということはないが、タイヤが衝撃を吸収してくれるということはあまり期待できないというのが正直なところだ。

■パンク修理キット台頭も影響大!! 走行性能にマイナス面も

 そしてもうひとつ、最近のモデルはスペアタイヤレスでパンク修理キットという車両が増えているが、これも背面スペアタイヤが減った理由のひとつと言える。

 スペアタイヤはいざという時にあると助かるものではある。が、ユーザーの多くはスペアタイヤのお世話になることなく車両を乗り換えているケースがほとんど。

 わざわざスペアタイヤを全車に搭載するのは、コスト面でもスペース面でも重量面でも歓迎しづらいものとなっているのである。

 さらにリアの最も後端に重たいスペアタイヤを装着するということは、言うまでもなく運動性能にマイナスな影響を与えてしまうので、そういった面でも背面スペアタイヤは嬉しくないアイテムというワケなのだ。

■ジムニー未だ採用のなぞ!! スペースが最大の要因か!?

ジムニーは初代から一貫して背面タイヤを採用中!! 軽自動車ゆえほかに設置できないという要因も

 では逆に、未だに背面スペアタイヤを採用している車種はどんな狙いがあるのかというと、まず大きなところではスペアタイヤを格納するスペースがないということが挙げられる。

 ジムニーなどは実際に荷室を見た人であればお分かりになると思うが、あのミニマムなスペースにスペアタイヤを格納するのは間違いなく不可能であり、とはいえ本格オフローダーとしてスペアタイヤをパンク修理キットに置き換えるのも難しい……ということで背面スペアタイヤとなっている。

 またランクルのように床下にスペアタイヤを吊り下げるという方式も手段のひとつと言えるが、床下に大きなタイヤをぶら下げるということは最低地上高の確保はもちろん、悪路を走行する際にランプアングルやデパーチャーアングルの悪化にもつながってしまうため、本格オフローダーにおいてはできれば避けたいというのが本音のようだ。

 なお、背面スペアタイヤはあくまで「積載物」扱いとなるため、ボディの全長には含まれない。そのため、ジムニーはスペアタイヤブラケットまでが全長ということになり、軽自動車枠内に収めているのである。

 そのためスペアタイヤの搭載位置を変更するなどして、背面スペアタイヤを下ろしてしまっても何ら問題はないが、ブラケット自体も外してしまって全長が3cm以上短くなってしまうと記載変更が必要となるので注意が必要。

 逆に現行ジムニーなどでシエラ用のブラケットを装着して社外ホイールを背面スペアタイヤとして装着する場合も、厳密に言うと軽自動車枠を超えてしまうため、そのまま乗っていると違法改造となってしまうのだ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ランボルギーニ、WEC参戦“休止”を発表。ハイパーカー、LMGT3共に撤退……IMSAとテメラリオGT3開発に専念か
ランボルギーニ、WEC参戦“休止”を発表。ハイパーカー、LMGT3共に撤退……IMSAとテメラリオGT3開発に専念か
motorsport.com 日本版
EVの充電がプラグを接続するだけに! Terra Chargeがプラグアンドチャージ対応EV充電器を2025年度から設置開始
EVの充電がプラグを接続するだけに! Terra Chargeがプラグアンドチャージ対応EV充電器を2025年度から設置開始
THE EV TIMES
世界最高峰のラリーストが日本に集結した! ラリージャパンのオープニングは2台同時走行のSSバトル!!
世界最高峰のラリーストが日本に集結した! ラリージャパンのオープニングは2台同時走行のSSバトル!!
WEB CARTOP
マツダが「超凄いロードスター」公開! 2Lで200馬力×幌仕様で登場!? こだわり“リアスポイラー”にも注目!? 限定で明かされた内容とは
マツダが「超凄いロードスター」公開! 2Lで200馬力×幌仕様で登場!? こだわり“リアスポイラー”にも注目!? 限定で明かされた内容とは
くるまのニュース
スタイリッシュでカッコイイ! アキュラ「ADX」世界初公開  1.5リッターVTECターボを搭載する全長4.7mの高級コンパクトSUV
スタイリッシュでカッコイイ! アキュラ「ADX」世界初公開 1.5リッターVTECターボを搭載する全長4.7mの高級コンパクトSUV
VAGUE
2億年前の石材を使ったベントレー!? 「テクスチャー表現」に匠のワザ光る4台
2億年前の石材を使ったベントレー!? 「テクスチャー表現」に匠のワザ光る4台
レスポンス
SS12は“安全上の問題”でキャンセルに。SS11を終えた時点でトヨタ勝田貴元は総合3番手|WRCラリージャパンDAY3午前
SS12は“安全上の問題”でキャンセルに。SS11を終えた時点でトヨタ勝田貴元は総合3番手|WRCラリージャパンDAY3午前
motorsport.com 日本版
トヨタ大逆転か、ヒョンデ初の3冠か。勝田貴元が握る、タイトル防衛のカギ【ラリージャパンの見どころ】
トヨタ大逆転か、ヒョンデ初の3冠か。勝田貴元が握る、タイトル防衛のカギ【ラリージャパンの見どころ】
AUTOSPORT web
フェラーリ、予想通りタイヤのウォームアップに苦労。ルクレール「レースペースは良い。逆よりマシだ」
フェラーリ、予想通りタイヤのウォームアップに苦労。ルクレール「レースペースは良い。逆よりマシだ」
motorsport.com 日本版
スズキ「ジムニー」の“スライドドア仕様”を初公開!? アウトドア最強の「本格オフロード」モデル実車登場! めちゃゴツ顔の「エブニイ SPIEGEL」に反響続々!
スズキ「ジムニー」の“スライドドア仕様”を初公開!? アウトドア最強の「本格オフロード」モデル実車登場! めちゃゴツ顔の「エブニイ SPIEGEL」に反響続々!
くるまのニュース
「昔あったなぁ」装備 「燃料コック」操作したことありますか?
「昔あったなぁ」装備 「燃料コック」操作したことありますか?
バイクのニュース
フェラーリ代表、選手権争いに向け「自分たちの潜在能力に自信を持っている」ラスベガスでは好結果を残せると確信
フェラーリ代表、選手権争いに向け「自分たちの潜在能力に自信を持っている」ラスベガスでは好結果を残せると確信
AUTOSPORT web
アルファロメオ、日本初導入となる『ジュリア』左ハンドル車のカスタマイズプログラムを実施
アルファロメオ、日本初導入となる『ジュリア』左ハンドル車のカスタマイズプログラムを実施
AUTOSPORT web
【1970年代国産GTカーに思いを馳せて】光岡自動車からM55の市販バージョンが登場!
【1970年代国産GTカーに思いを馳せて】光岡自動車からM55の市販バージョンが登場!
AUTOCAR JAPAN
BMWの次世代EV「ノイエ・クラッセ」、SUV版のテスト車両を生産開始
BMWの次世代EV「ノイエ・クラッセ」、SUV版のテスト車両を生産開始
レスポンス
排気量アップで140馬力!? 軽枠超えのコペンが本気すぎ
排気量アップで140馬力!? 軽枠超えのコペンが本気すぎ
ベストカーWeb
[2000年]代[軽スポーツ]に注目!? 流通量豊富なスズキ[アルトターボRS]に中古で乗る!!
[2000年]代[軽スポーツ]に注目!? 流通量豊富なスズキ[アルトターボRS]に中古で乗る!!
ベストカーWeb
旧車ベンツW111型「220SE」をデイリーに楽しむ!「羽根ベン」と呼ばれる理由は当時の米国の流行に乗ったデザインにありました
旧車ベンツW111型「220SE」をデイリーに楽しむ!「羽根ベン」と呼ばれる理由は当時の米国の流行に乗ったデザインにありました
Auto Messe Web

みんなのコメント

43件
  • > もちろん実際には背面スペアタイヤの車両にぶつかった方が被害は大きいということはないが、タイヤが衝撃を吸収してくれるということはあまり期待できないというのが正直なところだ。

    いや、実際にIIHSの衝突安全性テストで背面スペアタイヤによる被害が大きかったのが減った理由のひとつ。いすゞウィザードもモデル途中でリアから下部に移されたのはこれが理由だったし、試験結果もだいぶ違った。あとは単純にリアスペアだとリアゲートを横開きにするか、スペアだけ別途ヒンジに固定する必要があって日常用途では不便だと不評だったから。

    結局本当にオフロードする人でなければ恩恵がなく、実際にオフロードで使う人が一握りだったからというのが一番の理由じゃないかな。
  • >現行ジムニーなどでシエラ用のブラケットを装着して社外ホイールを背面スペアタイヤとして装着する場合
    しっかりとバックドアに固定できず浮いた状態でブラケットだけで固定している人もいる。
    タイヤの重みで経年劣化でブラケットとドアの接合部分がもげるぞ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

165.4200.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0650.0万円

中古車を検索
ジムニーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

165.4200.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0650.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村