フルモデルチェンジしたレクサス「GX」について、河西啓介が考えた!
挑戦的なデザイン
レクサスの新型GXが6月8日(現地時間)、アメリカで世界初公開された。GXは2002年に登場し、これまで北米を中心に世界約30の国と地域で累計54万台が販売されている大型SUVだ。
GXは、わかりやすく言うならトヨタ「ランドクルーザー・プラド」のレクサス版である。レクサスのSUVラインナップの位置づけで言えば、フラッグシップである「LX」に次ぐモデルだ。その弟たちとしては「RX」、「NX」、「UX」、先日公開された「LBX」がある。
兄弟車ともいえるランドクルーザー・プラドは現行モデルが2009年に登場、14年を経た今もバックオーダーが解消しないほど売れ続けている人気モデルだ。先代GXもおなじ2009年に登場、今回はじつに14年ぶりのフルモデルチェンジとなる。
公開された写真を見て驚いたのはそのデザインだ。レクサス流に比較的上品にまとめられていた先代に較べ、新型はかなりゴツく、ワイルドになっている。直線基調のボクシーなデザインはメルセデス・ベンツ「Gクラス」とランドローバー「レンジローバー」をミックスし、レクサス風味を加えた感じ? いまにもトランスフォームしそうな“近未来感”もあり、主力市場であるアメリカでは大いにウケそうだ。
顔つきはこれまでのレクサスのファミリーフェイスとはまったく違うが、よく見るとグリルはレクサスのアイデンティティであるスピンドル(糸巻き)形状をとどめている。
とはいえこれまでのレクサスとは一線を画す無骨さはインパクトが大きく、かなり挑戦的なデザインと言えるだろう。筆者としては、これまで以上に若者からの人気が高まるのでは? という気がする。
日本でもギリギリ扱えるサイズ新型GXの開発コンセプトは「ザ・プレミアム・オフローダー」とのことで、これ自体はとくに目新しいフレーズではないが、要は直球ド真ん中勝負で、オン/オフロード問わず全方位的な走行性能や快適性の向上を目指したということだろう。なにしろ14年ぶりのモデルチェンジなのだ。とくにこの間の電子制御技術の進化は著しく、プレス資料にも溢れんばかりの刷新情報が盛り込まれている。
GXはランドクルーザー・プラドと同様、ラダー(梯子形)フレームを基礎とし、その上にボディを載せるという構造を採っている。フレームとボディが一体化したモノコック構造より頑丈で、本格的なオフローダーに採用されるボディ構造だ。それは新型でも踏襲され、つまりSUVとはいってもかなりガチな“クロスカントリー四駆”というべき悪路走破性を備えている。
それゆえあらゆる道を走る走破性能については、電子技術を駆使するなどしてさらにタフになっているのは間違いない。同時にオンロードでの走行性能や快適性の向上も図られているはずだ。プラットフォームが2002年のデビュー以来、初めて、21年ぶりに刷新され、上級モデルのLXとおなじ新しい「GA-F」が採用されたという事実からも、これまでのGXとは“別モノ”になっていると考えられる。
これまでGXは、日本では販売されていなかった。そこで気になるのは「新型GXは日本で販売されるのか?」という点だ。レクサスによれば、「日本導入を検討している」という。ちなみに新型GXのボディサイズは全長4950mm×全幅1980mm×全高1870mm。長さで5m、幅で2mを切っていることから、大きいとはいえ日本でもギリギリ扱えるサイズと言えるだろう。
いま高級SUVは世界的にとても需要が大きい。Gクラスやレンジローバーをはじめ、トヨタのランドクルーザー300やレクサスLXも発売されるや4~5年の納車待ちになり、現在では受注を停止しているほどの人気ぶりだ。もし新型GXが日本で発売されれば、そうなるのは間違いないだろう。
早くも熾烈なGX争奪戦が始まりそうだ。
文・河西啓介 編集・稲垣邦康(GQ)
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みんなのコメント
どんどん大きくなるんやけど
駐車場はすぐに大きくなんない(笑)