現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【新型メガーヌ ルノー・スポールの比類なき走り vol.3】異次元の走行フィールを実現する4コントロール

ここから本文です

【新型メガーヌ ルノー・スポールの比類なき走り vol.3】異次元の走行フィールを実現する4コントロール

掲載 更新
【新型メガーヌ ルノー・スポールの比類なき走り vol.3】異次元の走行フィールを実現する4コントロール

3代目ルノー メガーヌR.S.のステアリングを実際に握るチャンスが来た。クローズドコースで開発ドライバーのロラン・ウルゴン氏の助手席を体験し、その比類なき走行性能に驚かされた。「いったいこの走りはどうやって作り出されているのだろうか」そして、投入された武器とその制御レベルの高さを知り、いよいよ、自らドライブする機会を得た。
※関連記事:
【新型メガーヌ ルノー・スポールの比類なき走り vol.1】三代目ルノースポールが開発の頭脳とともに日本にやってきた
【新型メガーヌ ルノー・スポールの比類なき走り vol.2】究極の走りを実現するメカニズム詳細解説

ステージは箱根の一般道。ワインディングを存分に楽しめる場所だ。開発ドライバーのウルゴン氏も、箱根周辺は走りまくったという話を聞いている。日本の道路はアンジュレーションが多く、高速道路や橋ではその継ぎ目の衝撃が大きいことも熟知しているという。そうした日本の道路も踏まえ、楽しく走れるサスペンションに仕上げてきたのが3代目メガーヌ ルノー・スポールだ。

【DSオートモビル「DS7 クロスバック」 vol.2】試乗記 フランスの世界観に浸れる魅惑の乗り心地


ルノー・スポール専用デザイン

スペックを確認しよう。1.8Lガソリンエンジンにターボを搭載し、6速ツインクラッチEDCを搭載。そしてHCCダンパーと4コントロールというリヤ操舵を搭載したのがメガーヌR.S.だ。詳細はvol.2へ。

このルノー・スポールは通常の市販モデル、メガーヌGTなどとは一線を画し、トレッドやボディサイズもアップされた走りを楽しむラインアップで構成されている。かつてはルノー・スポールのエントリーグレードがシャシー・スポール、その上がシャシー・カップ、そしてトップグレードにトロフィーというヒエラルキーで構成し、メガーヌだけでなく、ルーテシアも同様のラインアップを展開している。しかし、現在はそのヒエラルキーを国内には持ち込まず、ルノー・スポールとして発売されている。


エクステリアは、メガーヌGTと比較して、フロントトレッドが+45mm、リヤが+25mm拡大しており、ボディサイズでみれば、フロントが+60mm、リヤが+45mm広げられている。そのため全体的にワイドで低重心の印象があり、また個性的なフロントマスクとチェッカーフラッグをイメージさせるドライビングランプはR.S.ビジョンの呼称がある。そして、3Dハニカムパターンのメッシュグリルも特徴的だ。

ボディサイズを確認すると全長4410mm、全幅1875mm、全高1435mm、ホイールベースは2670mmで、Cセグメントサイズにカテゴライズされる大きさだ。ライバルはゴルフGTIやシビック タイプRといったあたりだ。

ボディサイドでは19インチの大径タイヤが目を引く。そしてフロントフェンダーに組み込んだスリットはフロントフェンダー内の空気の掃き出し整流している。リヤは新設計のルーフスポーイラーを装備し、バンパーコーナーに設置したバーチカルスリットはワイド感を強調するだけではなく、空力特性にも貢献しているという。

そして歴代メガーヌ ルノー・スポールのシンボルとも言うべきセンターマフラーも装備、ディフューザーとともにスパルタンな印象を与えるデザインだ。


インテリアではバケットタイプのヘッドレスト一体型シートが目を引く。R.S.のロゴ刺繍やシートエッジ、シフトブーツノブ、センターアームレストには赤いステッチが施され、スポーティ感が増している。

試乗レポート

マルチセンス(走行モード)は主にニュートラル(ノーマル)とスポーツで走行した。レースモードはESCが完全にオフになる仕様で、サーキットに限られたモードというわけだ。さて、走り出して最初の印象は、19インチの大径サイズでありながら一般道でもその乗り心地の良さに驚かされた。やはりタイヤサイズの大きさと扁平率を見ると硬そうな印象を受けるが、全くその心配はなかった。ちなみにタイヤサイズは245/35R-19である。



試乗ルートは箱根でもやや道幅が狭く、アンジュレーションのきついルートを選択した。ルートはタイトコーナーも多く、そして路面のねじれも多いので、普段は走行しない場所だ。しかし、敢えてこのルートを選択した理由は、修善寺でのテスト走行を体験し、アンジュレーションのいなし方を現実の路面ではどうなのか、試したかったからだ。

車速も2速と3速を使う程度で速度域も低い。普通のクルマでは揺れが激しく厳しい道なのだ。だが、このメガーヌR.S.はテストコースで感じたことがそのまま再現されていた。ロールを感じることなくコーナーをクリアしていく。そして4コントロールの威力である小回りが良く効き、ステアリング舵角も通常より少なくても曲がり切れる。


そしてなによりも、路面のねじれを感じさせることなく、何事もないようにフラットになめらかに走り抜けていくのだ。このロールがなく、アンジュレーションを感じさせないのは、まさにHCCのサスペンションと4コントロールの威力が存分に発揮されているということだ。

そしてステージを変え、ハイスピードで走れるワインディングに移してみる。ここでもロールの少なさに驚かされた。旋回時の剛性感やしっかり感をはっきりと感じさせながらコーナーをクリアする。このルートには、いつも使う評価コーナーがいくつかある。特に下りの左コーナーの途中にアンジュレーションがあるコーナーはクルマの挙動が分かりやすいからだ。しかし、そこも路面のねじれなど全くないように走り抜けてしまうのだ。国産プレミアムブランドのFR車で走行したときには、コンプライアンスステア的な動きが出てしまうような場所にも関わらずだ。

それほど驚異的なクルマの動きをしている。いや、クルマが動いているのではなく、サスペンションが動き、ボディは安定していると伝えたほうが正確だろう。


実は、この4コントロールはメガーヌGTにも搭載され、リヤの舵角も全く同じ設定の同位相1度、逆位相2.7度の設定だ。だが、ルノー・スポールではリヤ操舵されている感じが薄い。言い換えれば自然な動きとして感じるのだ。メガーヌGTでは明らかに後輪が操舵されていることに気づき、乗りはじめは違和感として体感する。が、次第に慣れていく行程があった。だが、このR.S.はその違和感が全く起きない。

説明によれば、舵角自体は同じでも制御プログラムが異なり、全く別のアルゴリズムで制御されているからだということだ。言い換えればより人間の感性に寄り添った制御ができているということなのだろう。

従って、車両の安定感、旋回性には抜群の信頼性と安心感があり、自然と速度域も高くなってしまう。それでも軽快にいつまででもアクセルが踏み続けられるのではないかと勘違いさせるほどのスタビリティなのだ。そして、エンジンもミッションもバランスがよく、箱根の厳しい上り坂をパワー不足と感じさせることなく、力強く駆け上る。

特にスポーツモードにすればDモードでも自動でブリッピングしながらシフトダウンをし、心地よいエンジンサウンドを室内で聴くことができる。

このレベルまで来るとますます、車両の限界を知りたくなるもので、ぜひサーキットで試乗してみたいという衝動に駆られるスポーツモデルだったのだ。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>

価格

・車両価格:メガーヌ ルノー・スポール 440万円(税込)

スペック

・全長:4410mm
・全幅:1875mm
・全高:1435mm
・ホイールベース:2670mm

・エンジン:M5P型1.8L直噴ターボ
・出力:279ps(205kW)/390NM
・ミッション:6速EDC(DCT)

・フロントサスペンション:ダブル アクシス ストラット
・リヤサスペンション:トーションビーム

【新型メガーヌ ルノー・スポールの比類なき走り vol.1】三代目ルノースポールが開発の頭脳とともに日本にやってきた
【新型メガーヌ ルノー・スポールの比類なき走り vol.2】究極の走りを実現するメカニズム詳細解説

ルノー メガーヌ 関連情報
ルノー 関連情報

こんな記事も読まれています

無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
AUTOSPORT web
フェルスタッペンがドライバーズ選手権4連覇【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP 決勝
フェルスタッペンがドライバーズ選手権4連覇【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP 決勝
AUTOSPORT web
古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
ベストカーWeb
ドリキンが自腹購入したホンダ「シビックタイプR」でチューニング指南! 無限×ヤマハコラボの「パフォーマンスダンパー」は買いです
ドリキンが自腹購入したホンダ「シビックタイプR」でチューニング指南! 無限×ヤマハコラボの「パフォーマンスダンパー」は買いです
Auto Messe Web
【F1第22戦決勝の要点】 岩佐歩夢が分析するメルセデスの速さの秘密「マシン特性の不利を覆すほどのいい仕事」
【F1第22戦決勝の要点】 岩佐歩夢が分析するメルセデスの速さの秘密「マシン特性の不利を覆すほどのいい仕事」
AUTOSPORT web
1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り
1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り
AUTOCAR JAPAN
ヒョンデ「アイオニック5」がマイチェンで航続可能距離703キロに! 気になる車両価格は523万6000円から…30台限定の「コナ マウナ ロア」にも注目
ヒョンデ「アイオニック5」がマイチェンで航続可能距離703キロに! 気になる車両価格は523万6000円から…30台限定の「コナ マウナ ロア」にも注目
Auto Messe Web
『絶対完走』の重圧に耐えた勝田。来季シートがかかっていたことを示唆【ラリージャパン後コメント】
『絶対完走』の重圧に耐えた勝田。来季シートがかかっていたことを示唆【ラリージャパン後コメント】
AUTOSPORT web
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 後編 ジャンクヤード探訪記
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 後編 ジャンクヤード探訪記
AUTOCAR JAPAN
中型からステップアップ 人気の“ミドルクラスネイキッド”スズキ「SV650」とカワサキ「Z650RS」どっちを選ぶ?【スペックでライバル比較】
中型からステップアップ 人気の“ミドルクラスネイキッド”スズキ「SV650」とカワサキ「Z650RS」どっちを選ぶ?【スペックでライバル比較】
VAGUE
ラリージャパンで一般車の侵入という衝撃トラブルが発生! SSのキャンセルもあるなかトヨタ勢は2・3・5位に着ける
ラリージャパンで一般車の侵入という衝撃トラブルが発生! SSのキャンセルもあるなかトヨタ勢は2・3・5位に着ける
WEB CARTOP
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 前編 ジャンクヤード探訪記
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 前編 ジャンクヤード探訪記
AUTOCAR JAPAN
サーキット派に朗報! ウェッズスポーツ「TC105X」に16インチの新サイズ登場…マツダ「ロードスター」や走りのFF車にオススメです
サーキット派に朗報! ウェッズスポーツ「TC105X」に16インチの新サイズ登場…マツダ「ロードスター」や走りのFF車にオススメです
Auto Messe Web
【ラリージャパン2024】最終ステージでトヨタが逆転! マニュファクチャラーズタイトル4年連続獲得、豊田章男会長「感動という共感を生んだ」
【ラリージャパン2024】最終ステージでトヨタが逆転! マニュファクチャラーズタイトル4年連続獲得、豊田章男会長「感動という共感を生んだ」
レスポンス
独創的な「近未来」フォルム! シトロエンCX 5台を乗り比べ(1) モデル名は空気抵抗係数から
独創的な「近未来」フォルム! シトロエンCX 5台を乗り比べ(1) モデル名は空気抵抗係数から
AUTOCAR JAPAN
1度の運転では好きになれない シトロエンCX 5台を乗り比べ(2) GTiにファミリアール 仏大統領も愛用
1度の運転では好きになれない シトロエンCX 5台を乗り比べ(2) GTiにファミリアール 仏大統領も愛用
AUTOCAR JAPAN
4連覇を決めたフェルスタッペン「苦しいシーズンの中で多くのことを学んだ。だからこそ特別だし、誇らしい」
4連覇を決めたフェルスタッペン「苦しいシーズンの中で多くのことを学んだ。だからこそ特別だし、誇らしい」
AUTOSPORT web
【ポイントランキング】2024年F1第22戦ラスベガスGP終了時点
【ポイントランキング】2024年F1第22戦ラスベガスGP終了時点
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

559.0659.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

18.0677.0万円

中古車を検索
メガーヌ ルノー・スポールの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

559.0659.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

18.0677.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村