日産フォーミュラEチームは、Gen3レギュレーション初年度となる2022-23年シーズンに向けて、ノーマン・ナトーとサッシャ・フェネストラズのふたりを新たに起用した。
バレンシアで行なわれたプレシーズンテストでは、日産ワークスとそれと同じパワートレインを積むマクラーレン勢は順調に走行。ナトーは12月15日(木)のメディアデーの最後に行なわれた1時間のセッションでトップに立っている。
■サッシャ・フェネストラズ、フォーミュラE挑戦は”白紙からのスタート”「今まで慣れ親しんでいたモノと全く違う!」
しかし新体制で挑む新時代に向けて、ナトーは「改善の余地はある」と考えている。
ナトーはチームに適応するためには「多くのエネルギー」を要したと説明。特に日産のe.dams買収後は、ファクトリーで多くの変更が行なわれ、他チームに比べて「準備ができていない」という。
「環境の変化……シーズン終了から、このマシンへ変更してマシンやステアリング、新たなソフトウェア、新たな人を学ぶまで、僅かな時間しかなかった」
ナトーはmotorsport.comにそう語った。
「基本的には、他のことをする時間がないようなモノだ。これはかなりのエネルギーを必要とすることなんだ。チームにとっても、これに対処するのは簡単なことじゃない。組織として、チームもかなりの変更があったからね」
「まだ完璧に準備できていないことが沢山あるのは確かで、もう少し時間がかかると思う。もちろん、ジャガーの時みたいに同じドライバー(編注:フェネストラズとナトーはジャガーでリザーブを担当)と一緒に仕事をするという点ではチームに利点がある」
「現在の僕らのポジションでは、どこを改善すべきかは分かっている。もし(開幕戦の)メキシコシティePrixで勝てる状態であれば、上出来だね」
「もしそうでなかったとしても、世界の終わりという訳じゃない。僕らがどこを改善しなきゃいけないかは分かっているし、現時点では一部のチームほど準備できていないことも分かっているからね」
ナトーはこれまでのGen2マシンとGen3マシンでの違いについて、ハンドリングやエネルギー回生の方法、それを最大限活かすためには時間的制約が厳しい点を挙げている。
また、Gen3マシンではステアリングが重くなったことで、オフシーズンにジムへ通う様子をソーシャルメディアにアップするドライバーが増えたと冗談交じりに語った。
「新しいタイヤ、ダウンフォースの点で全く違うクルマだ」とナトーは言う。
「ステアリングはとても重い。だから、インスタグラムでドライバーたちがジムで頑張っているのを目にできるんだ。もちろん乗るマシンは全く異なるモノ。ヴェンチュリ(現マセラティ)とジャガーは同じGen2マシンでも、セットアップがすでに違っていたんだ」
「だから、このマシンが全く新しいモノというのは想像できるだろう。Gen2と違って、エネルギー回生の方法がドライビングスタイルに影響を与えるから、本当に短い時間で沢山の新しいことを学ばないといけない。そしてタイムと戦うのが僕らの仕事なんだ」
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