イギリス・ロンドン東部のリバーフロント再開発地区、通称ドックランズでは、計画の一部としてF1グランプリを誘致することが提案されている。
しかし、F1世界選手権として第1レースを開催した”F1発祥の地”シルバーストン・サーキットとしては、この企画案を取るに足らないモノだと捉えている。
■ピットレーンがグランドスタンドの上に!? 再開発進むロンドン・ドックランズ、イギリス2戦目”F1ロンドンGP”構想を発表
2010年代には、元F1オーナーのバーニー・エクレストンが、バッキンガム宮殿をはじめとするロンドンのランドマークを回る市街地サーキットでのグランプリ開催を検討するなど、イギリスの首都でF1レースを行おうという動きはこれまでもあった。
ドックランズで企画された今回の誘致案は、長年に渡り廃墟となっていたテムズ川沿岸のドッグランズ地域をスポーツやレジャー、エンタメの”中心地”へ変えるという再開発計画の一環としてのものだ。建築環境の専門家集団であるLDN Collectiveとコンサルタント会社であるDARによって提案が行なわれた。
構想案では、再開発地域にあるコンベンションセンター”ExCEL London”の2階にピットレーンを設置する、風変わりな市街地サーキットでの開催を想定していることが明かされていた。
このロンドンGPのコンセプトは、シルバーストン・サーキットで行なわれる既存のイギリスGPに取って代わるモノではなく、イギリスでの2レース目としての開催を目指している。
ただ、イギリスGPを開催するシルバーストンは2019年に現F1オーナーのリバティ・メディアと新たな開催契約を結んだ際に、万が一ロンドンでのグランプリ開催が決定した場合も歴史あるイベントを守るための条項が盛り込まれた。
そうした状況の中、ドックランズでのF1開催は懐疑的な見方が強く、LDN CollectiveとDARはF1側に接触していない。
motorsport.comの取材に応じたシルバーストンのマネージングディレクター、スチュアート・プリングルは、ロンドンでのF1開催について次のように語っていた。
「私には開発会社が自分たちの資産を持ち逃げしようとしているように見える」
「誰がその費用を負担するのかな? 常設の施設を設置するためには、目が飛び出るような金額がかかるのだ」
「(既に施設を持つ)我々の開催コストは限りなく低いモノだ。F1がタダでやってくれる訳がない」
「では、誰がその費用を負担するのだろうか? その質問には誰も答えていない。無意味だよ」
「10年前、市街地レースを開催するのには当時でも5,000万ドル(約67億円)必要だと言っていたんだ。(路面が)ただの石畳だからね」
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ラリージャパンが開催されたのは奇跡だよ