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ついに3000万円越え!まさに公道走行可能なレーシングカーといえる新型ポルシェ911 GT3 RSは空気を操る技を持つ

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ついに3000万円越え!まさに公道走行可能なレーシングカーといえる新型ポルシェ911 GT3 RSは空気を操る技を持つ

 ポルシェのフラッグシップスポーツ「911」の中でも、最もサーキット指向を強めた「GT3」シリーズの最強モデル「911 GT3 RS」の最新モデルが発表された。

 911 GT3をベースにエンジンパフォーマンスの向上や更なる軽量化が図られているだけでなく、レーシングカー由来の技術を投入することで大幅なアップデートが図られているのが特徴だ。3千万円越えとなる新型ポルシェ911の特徴を紹介しよう。

ついに3000万円越え!まさに公道走行可能なレーシングカーといえる新型ポルシェ911 GT3 RSは空気を操る技を持つ

文/大音 安弘、写真/ポルシェ ジャパン

シリーズ最強モデルGT3 RSがデビュー

 ポルシェ ジャパンは、2022年8月18日、最新仕様となるポルシェ911 GT3 RSを発表し、同日より予約受注を開始した。価格は、3134万円となり、ステアリング位置は、右と左の選択が可能となる。因みにベースとなる「911 GT3」の価格は、2438万円であり、696万円もの価格差がある。

GT3よりも大幅な価格上昇によりサーキットマシンとして鍛え上げられた新型911 GT3 RS

新911GT3 RSの特徴は、公道走行可能な市販車でありながら、モータースポーツ由来の技術をより積極的に搭載することで、サーキットでの戦闘能力を強化したことにある。まさに公道を走るレーシングカーといっても過言ではない。

ハイライトはモータースポーツ由来の冷却と空力システム

 911らしいフォルムは、GT3との共通も感じられるものだが、走行性能を高めるべく、エアロダイナミクスをはじめ、各部に大幅なアップデートが加えられている。まずは外観からは伺うことが出来ない内側の構造から紹介すると、その代表格となるのが「センターラジエーターコンセプト」だ。これまでの市販モデルでは、3つのラジエーターレイアウトを採用していたが、同車では、フロントノーズの内部に、傾斜した大型のラジエーターが装着されている。ラジエーターが、フロント部中央に配置されたことで、他の911に備わるフロントのラゲッジスペースは排除されたが、このシステムの恩恵は、側面の空スペースを生むため、アクティブエアロダイナミクスの統合を可能とした。その結果、新型911GT3 RSが発生させるダウンフォースは、従来型となる991.2世代の2倍。現行型911GT3の3倍にも達する。そのダウンフォースは、200km/hで409kg、285kgでは、860kgにも達するというから驚異的だ。

 新たなアクティブエアロダイナミクスには、ポルシェ市販車初となる「ドラッグリダクションシステム(DRS)」を装備されたのもトピックのひとつ。DRCは、サーキットのストレートセクションで空気抵抗を抑えて高速を得るために、特定の作動範囲内に置いて、ボタン操作ひとつでウィングをフラットにすることができる。またエアブレーキ機能も備えており、高速走行中の緊急ブレーキ時に作動。アクティブなフロントとリヤウィングの空気抵抗を最大化させることで、減速効果を生み、足回りのブレーキシステムをサポートするという。

空気を自在に操ることを可能とした新エアロダイナミクスシステムが大きな武器だ

機能だけでなくビジュアルも魅力的なリヤウィング

 新911GT3 RSの外観上、最も目を引くのがリヤウィングだろう。最新のレーシングカー同様にスワンネックで支持され、サイズも大型化されたもの。ウィング自体は固定式メインウィングと油圧調整式アッパーウィングのふたつで構成。リヤウィングの上端がルーフよりも高く設定されているのも、ポルシェの市販車初の試みだ。

新たな武器のひとつ可変機能によりダウンフォースの調整だけでなく、エアブレーキにもなるリヤウィング

 意外なことに911GT3が備えるフロントスポイラーは、排除されている。これは空力システムの統合化による進化の特徴でもある。フロント部には、スポイラーの代わりに、空気を上下に分断するスプリッターが与えられ、サイドブレードにより空気は外側へと導かれる。前後のフェンダーは一部が剥き出しの構造となっており、冷却とホイールアーチの動圧の低減を行う。まさにレーシングカーさながらの構造が与えられているのだ。リヤデュフューザーは、911GT3から流用されたパーツだが、これにも僅かな改良が加えられているという。

大きく迫り出したリヤウィングと部分開放され、スプリッターを備えた前後フェンダーは、レーシングカーそのものだ

RSらしい機能的なコクピット

 インテリアは、基本的にはGT3と共通性が高いが、よりストイックな雰囲気かつスポーツドライビングでの操作性が高められている。ステアリングには、4つのロータリースイッチとDRSスイッチが備わり、走行状況に合わせて、各部の調整が可能となる。シートはカーボンファイバー強化プラスチック(CPFR)製のフルバケットシートを装備。前後調整は手動だが、高さ調整は電動で行える。無料オプションの「クラブスポーツパッケージ」を選択すると、リヤエリアに強固なスチール製ロールケージが加わり、シートベルトも6点式レーシングハーネスが追加されるので、サーキット指向の強いGT3 RSでは選択したいオプションとなっている。

レーシーなコクピット。MTに見えるシフトは、実はオートマの7速PDKである

ポルシェらしい最強のNAエンジン

 搭載される4.0L水平対向6気筒エンジンは、もちろん、高回転型の自然吸気仕様のもの。最高出力を525psまで高めるべく、カムシャフトとマップの変更を実施。モータースポーツ由来のシングルスロットルインテークシステムとリジッドバルブドライブも採用。7速PDKも、全体的なギア比を911GT3よりもクロス化。その実力は、0-100km/h加速3.2秒、最高速296km/hを誇る。

 ブレーキシステムは、フロントに6ポッドアルミニウム製モノブロックキャリパーと408mmの大径ブレーキディスクを装備。ブレーキキャリパー自体も変更され、ピストン径を30mmから32mmに拡大し、ディスクの厚みも34mmから36mmに増加。リヤブレーキは、GT3同様の4ポッドキャリパーと380mmのディスクが受け継がれている。もちろん、オプションでポルシェセラミックコンポジットブレーキ(PCCB)へのアップデートも可能。サーキット指向の高さを示すべく、ホイールは、センターロック式軽合金性鍛造を装備。さらに性能向上に併せて、足回り自体の設計変更も行われいる。軽快な走りと各部の負担軽減に繋がる軽量化もCFRPを多用することで、車両重量が1450kgに抑えられている。

強烈なストッピングパワーを生むブレーキとモータースポーツ指向のセンターロッキ式軽量ホイールを装備

 今やエントリープライスが、1503万円にも高騰している911シリーズだが、サーキット指向の強い911GT3 RSは、その2倍を超えるプライスとなり、ポルシェの中でも手の届きにくい一台となっている。しかし、電動化時代を目前に控えた今、伝統の自然吸気仕様のフラット6の魅力を存分に味わえ、そのままサーキットに挑める911GT3 RSは、クラブマンレーサーたちの憧れであることは間違いないだろう。

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みんなのコメント

11件
  • 公道走行可能なレーシングカーが3000万円なら安いでしょう。
  • カイエンなんかでも普通にオプション積んでいくと2000万くらいになるからね。むしろお買い得のような。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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