これまでとは異なるプロセスで開発されたシアン
2019年9月12~22日に開催されるフランクフルト・モーターショー(IAA)において、ワールドプレミアされるランボルギーニ初のハイブリッドスーパースポーツ「シアン」。自然吸気V型12気筒エンジンに、スーパーキャパシタを搭載したハイブリッドテクノロジーが組み合わせられたこの限定モデルは63台が発表前にソールドアウトとなっている。
ランボルギーニ開発トップに訊く、ハイブリッドスーパースポーツ「シアン」の狙い
今回、ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジア・シリーズ第4戦が行われた上海において、アウトモビリ・ランボルギーニのチーフ テクニカル オフィサーを務めるマウリツィオ・レッジャーニに話を聞くことができた。
「これは私にとってもそうですが、ランボルギーニにとっても、これまでとは違うプロセスで開発されたクルマです。非常にチャレンジングでしたし、“ランボルギーニの未来”を示唆する、非常に重要な1台と言えるでしょう」と、レッジャーニは笑顔を見せた。
Lamborghini Sian
ランボルギーニ シアン
抜群のトラクションを生み出すモーター駆動
世界中のスポーツカーメーカーが電動パワートレインへの参入を行うなか、ランボルギーニが選択したのは、従来の内燃機関に、スーパーキャパシタ(電気二重層コンデンサ)を搭載したハイブリッドシステムを組み合わせることだった。
「今回、最も大きな技術的な挑戦は、一般的なリチウムバッテリーではなく、スーパーキャパシタを採用したことにあります。従来のバッテリーと比較すると、スーパーキャパシタはパワフルなだけでなく、非常にコンパクトで軽いという特徴を持っています」
「ハイブリッドシステムをスーパースポーツに採用したことのベネフィットは、環境面はもちろんですが、何よりもモーター動力のトラクションの良さがあります。回生ブレーキなどによって蓄電されたエネルギーはスタート時にパワーをフルに使うことができる。0km/hから立ち上がり時におけるトラクションの良さは、ピークパワーが山なりに訪れる内燃機関では絶対に実現できないことです」
「V型12気筒エンジンは、アヴェンタドールのエンジンをベースにマッピングなどを変更しています。モーターが組み合わせられることで、ギヤボックスに関しては完全な新規開発になりました。これは、従来とは全く異なる技術的な挑戦でした」
パワーや軽量に加え、抜群の熱効率を持つスーパーキャパシタ
アヴェンタドールでは始動用に搭載されているスーパーキャパシタの採用は、ハイパワー&軽量以外にも理由があったという。
「先ほどお話したように、パワーや軽さもありますが、スーパーキャパシタのアドバンテージは熱効率が非常に優れていることにあります。蓄電したエネルギーをロスすることなく、すべてを動力として使い切れるのです。おそらくシアンは、最もエネルギー効率の良いスーパースポーツと言っていいはずです」
Lamborghini Terzo Millennio
ランボルギーニ テルツォ ミレニオ
フルEVハイパースポーツへと続く第一歩となる存在
それでは、多くのメーカーがフルEVスポーツを発表するなか、なぜランボルギーニはハイブリッドを選んだのだろうか?
「それは我々が掲げたビジョンがあるからです。昨年発表したフルEVスーパースポーツコンセプト『テルツォ ミレニオ』は、我々が現時点で考える究極の形になります。これが実現する時期はかなり先、おそらく2035年頃になるでしょう。スーパーキャパシタを使用したフルEVスーパースポーツに向けて、シアンはその第一歩となる存在です」
「速度域も我々の想像を超えたものになるでしょうし、それこそニュルブルクリンク・ノルドシュライフェのタイムも常識を超えたタイムが記録されるはずです。そして、同時にランボルギーニが提供する以上、我々のカスタマーが安全に扱えるものでなくてはなりません。『テルツォ ミレニオ』に続くロードマップを進むためには、新たなテクノロジーの経験や蓄積が必要です。我々はステップ・バイ・ステップで進みます」
限られた特別なカスタマーにのみ提案されたシアン
世界でわずか63台という限定台数は、ジュネーブでのワールドプレミアを前にソールドアウトしてしまった。
「63台という数字は、ご存知の通り、ランボルギーニ創立年の1963年へのオマージュです。63台という限られたボリュームにした理由は、管理できる範囲を考えてのことです。やはりカタログモデルとなると、そのハードルは一気に高くなります。我々が新たにハイブリッドスーパースポーツを市場に送り出す以上、公道で使用されている状況をすべてフォローしていく必要があるのです」
それでは、どのようなカスタマーが予約したのだろうか?
「今回のシアンに関しては、我々は世界中の限られたランボルギーニ・オーナーの方々に、新たなデザインコンセプト、そして新技術のアナウンスを行いました。様々な条件をクリアしたランキング上位のカスタマーに提案させていただいたのです。彼らに我々の将来に対するヴィジョンや技術的な挑戦などを説明した上で、予約して頂きました」
しかし、ハイブリッドスーパースポーツがカタログモデルとなる可能性を現時点でレッジャーニは否定した。
「シアンは、バッテリーを使ったコンベンショナルなハイブリッドシステムを搭載していません。現時点で、量産化は厳しいと言わざるを得ない状況です。ただ、SUVのウルスはスペースという意味でも、ハイブリッド化に適していると言えるかもしれませんね。現時点で私がお話しできるのは、これくらいです(笑)」
REPORT/入江大輔(Daisuke IRIE)
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