今年を最後に閉鎖
世界最大級の自動車見本市の1つ、ジュネーブ・モーターショーが無期限で開催中止となった。主催団体は厳しい市場環境と「不確定要素が多すぎる」ことを中止の理由に挙げたが、メーカーにも厳しい視線を向けている。
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同ショーはこれまでスイスのジュネーブで毎年3月に開催されてきた。新型コロナウイルス感染症の拡大による4年間の中止を経て、今年になってようやく再開された矢先の発表である。
ジュネーブ・モーターショーの会長を務めるアレクサンドル・ド・スナルクラン氏は、「自動車メーカーの関心の低さ」と、パリやミュンヘンのような他のショーとの競争激化を、「今後の開催に対するとどめの一撃」と指摘した。
主催団体である国際自動車サロン委員会(Comite Permanent du Salon International de l’Automobile)は、これ以上の投資はリスクが大きすぎるとし、開催中止を「責任ある決定」とした。
同委員会は声明で、ショーの再開目処が立っていないことを認めた上で、「この決定は、欧州の市場環境が今後の開催を成功に導くものではないという認識に基づくものである」と述べた。
今回の決定は、他のショーには影響しない。2023年、新型コロナで中止となったジュネーブの代わりに中東カタールの首都ドーハで初めてジュネーブ・カタール・モーターショーが開催されたが、次回の開催は2025年11月を予定している。
「極めて遺憾な決定ですが、わたし達が成功を取り戻そうとした努力と決意を損なうものではありません。新型コロナウイルスのパンデミックの後、チームとしてこのモーターショーの復活に全力を注いできました」とド・スナルクラン氏は言う。
2019年以来の開催となるジュネーブ・モーターショー2024(2月26日~3月4日)では、メーカー23社が車両を展示したものの、パンデミック前よりも著しく小規模だった。特にステランティスやフォルクスワーゲン・グループなど大手の不参加が目立った。
こうしたメーカーの消極的な姿勢は、2020年のショーが開催直前になってキャンセルされたことで発生した金銭的損失をめぐり、主催団体と一部メーカーとの間に不和が生じたことに起因すると言われている。
ジュネーブ・モーターショーは1905年に初めて開催されて以来、欧州の自動車業界を象徴するイベントと見なされてきた。全盛期には120社もの参加企業と約60万人の来場者があった。
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