2017年から本格的にWorldRX世界ラリークロス選手権への挑戦を開始したGRX-SET・ワールドラリークロス・チームは、2021年に向けニクラス・グロンホルムとクリスティアン・サボーのレギュラー起用を発表した。WRC世界ラリー選手権で2度のワールドタイトルを獲得したマーカス・グロンホルムは、自らが率いるGRXと息子ニクラスとともに、本格的にWorldRX王者を目指したシーズンに挑む。
現在25歳のニクラスは、2015年のスウェーデン・ホーリエス戦でWorldRXデビューを果たすと、翌年からフル参戦を開始し、年を追うごとにタイトル候補として頭角を現していった。
WRC経験者ケビン・アブリングが2021年WorldRXにフル参戦。ルノー・メガーヌをドライブへ
2017年に父マーカスが本格的にGRXのチーム運営を始めると、エースのニクラスはドイツ戦で決勝進出を果たし、現在のヒュンダイi20スーパーカーにスイッチした2018年にはファイナルの常連へと成長。翌2019年には初優勝と2度の表彰台を含め、タイトルまであと25点と迫る活躍を演じた。
そして世界が新型コロナウイルス(COVID-19)に揺れた難しい条件の2020年には、ふたたび勝利を挙げてランキング4位を獲得。2021年はいよいよ、世界の頂点にチャレンジするシーズンと位置付ける。
「そう、今季の僕の希望は非常に単純で明快だ。それはチャンピオンシップを賭けて戦うことさ」と、決意を語ったグロンホルム。
「昨年は誰にとっても本当に難しく、厳しいシーズンになったけれど、そこでたくさんのことを学び、今は正しい方向に進んでいると思う。僕らはクルマのエンジニアリング面でも多くの実験に取り組み、改善すべき領域が発見できたんだ」
現在シリーズ戦が開催されているRallyX Nordic(ラリーXノルディック)にも同車で参戦し、WorldRXで3冠を誇るヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ポロGTI RXスーパーカー)を相手に互角の戦いを繰り広げるグロンホルムは、すでに3勝をマークする活躍を演じている。その勢いをWorldRXの新シーズンにも持ち込みたい考えだ。
■「個人的にもっとも楽しみなイベントは、スウェーデンとポルトガル」と二クラス・グロンホルム
「戦力差と選手権の展開が、2019年と2020年に似ていることを期待しているんだ。簡単に勝つことはできないし、勝つチャンスを得るにはすべてのラウンドで必要な仕事を続けて準備をし、適切な場所にいる必要がある」と続けたグロンホルム。
「個人的にもっとも楽しみなイベントは、スウェーデン(ホーリエス)とポルトガル(モンタリグレ)だね。それとドイツのニュルブルクリンクは誰にとっても未知の体験で、とても興味深いイベントになると思っている」
一方、2021年からチームに新加入するサボーは、10代からスキー競技で成功を収めると、16歳のときにオートクロス選手権で4輪初タイトルを獲得。その後、ジュニアバギーを経て2014年にはユーロRXのスーパー1600クラスに昇格し、ここまで順調にステップアップを重ねてきた。
「この素晴らしいチームに加入できて本当にうれしいし、ようやくチャンピオンシップのために戦う条件が与えられたことに興奮している」と、GRX加入の喜びを語ったサボー。
「自分がどの立ち位置にいるかを正確に知るのは難しいけれど、今年は速く走れるはずだとかなり楽観的に見ている。個人的な目標は、力強く安定した結果を出し、可能な限りファイナルに進むことだ」
2021年のWorldRX新シーズンは、7月23~24日にスペイン・バルセロナで幕を開け、その後ドイツ、スウェーデン、フランス、ラトビア、ベルギー、ポルトガルでの全8戦が予定されている。
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