この記事をまとめると
■約70年の歴史を誇るシボレー・コルベットの第4世代から現行型である第8世代までを振り返る
アメリカきってのスーパースポーツ「コルベット」! いかにして誕生して成長したのか「初代から3代目」を振り返ってみた
■第4世代以降、コルベットのコンセプトはヨーロピアナイズされた
■世代を重ねるごとに走行性能を強化し、ついに第8世代ではミッドシップレイアウトを採用
以降の方向性を決定づけた第4世代コルベット
前回は、シボレー・コルベットの誕生から、第3世代のC3型コルベットに至るまで、それがどのように進化してきたかについて解説してきた。そのC3型コルベットに続くC4型コルベットは1984年末に誕生しているが、それはよりヨーロピアナイズ化された、スムースな面構成のボディを持つモデルに仕上げられていた。コルベットのデザインコンセプトは、このC4で大きく変わったのだ。参考までにそのCd値は0.34と優秀なものだった。
一方、そのメカニズムもエンジン以外のほぼすべてを新設計。こちらも意識したのはヨーロッパのスポーツカーで、とくに現在でも人気のスポーツパッケージオプション、Z51には人気が集まった。スタンダードモデルよりハードなセッティングのサスペンション、ギヤボックスを4速MT+電磁式ODのみの設定としたことなど、それは特別なコルベットとして十分な魅力を持つモデルだったのだ。
1989年には、こちらもコルベットのファンには憧れの一台といえる最強パッケージオプションのZR-1も誕生する。
搭載されたLT5型エンジンは、当時GMグループに属していたイギリスのロータスカーズの設計によるもので、このオールアルミニウムのブロックを持つ5727ccのV型8気筒DOHC32バルブエンジンは、6速MTとの組み合わせで375馬力という最高出力を誇った。
C4型の生産期間内にコルベットは生誕35年と40年の節目を迎えるが、1993年の40周年では、ZR-1は405馬力にまでパワーアップ。1995年で生産は中止されるが、シボレーはそれと同様に魅力的な2タイプの特別仕様車を、C4の最終年となる1996年に用意していた。
そのひとつがこちらもコレクターズアイテムとして、ファンには見逃せない存在といえるグランドスポーツ。ブルーとホワイトによるツートーンのボディカラーに、左側のフロントフェンダー上には赤いストライプを配したスペシャルカラー、そして335馬力と高性能なLT4型エンジンを搭載したその人気は高く、シボレーは後にこのC4に続いて、C6、C7の両世代においてもグランスポーツを誕生させている。
このC4から1997年にフルモデルチェンジを受けて登場したC5型コルベットは、さらにエアロダイナミクスに富む、流麗で高性能なボディデザインが印象的なモデルだった。ちなみにC2から受け継がれてきたリトラクタブルヘッドライトを持つフロントマスクは、このC5で見納め。
相変わらず薄く滑らかな造形のボンネットラインは、長年改良を受けながら進化を続けてきた5.7リッターのV型8気筒OHVエンジン、すなわちLS1型ユニットのコンパクトさと、それをフロントミッドシップするというC4以来の基本設計による部分が大きい。
さらにこのC5では、ミッションをリヤに配置するトランスアクスル方式も新採用されているのだ。ハイドロフォーミングと呼ばれる新たな製法で生産された軽量高剛性なボックスフレームを始め、メカニズム面でのC4からの進化は著しかった。
ボディバリエーションとして、クーペ、コンバーチブルに加えて、ノッチバックスタイルのリヤウインドウを持つハードトップがラインアップされたのもC5での大きな話題だった。細かい部分では、初代C1コルベット以来の伝統でもあった対向式のワイパーがパラレル式に変化したのもこのC5からのことになる。
実際にこのC5が記録したパフォーマンスデータは、ヨーロッパのスーパースポーツに確実に迫るものだった。そして、このC5の誕生を機に、コルベット・レーシングも復活。
コルベットは再びサーキットにおいてもその名を轟かせることとなったのだ。
究極の動力性能を追求して進化してきたコルベット
続いて2005年から生産が開始されたC6型コルベットは、さらにエアロダイナミクスを改善するために、よりシャープなボディデザインを採用して登場した。
搭載エンジンは、6リッターに排気量拡大されたV型8気筒OHV、LS2型で、404馬力を発揮したこのエンジンは、2008年モデルではさらに6156cc仕様のLS3型に進化。最高出力は436馬力に向上した。
C6型コルベットでは、ほかにも魅力的なモデルが続々と復活している。Z06やZR1(C4ではZR-1が正式な表記だった)、そしてグランスポーツなどがそれだ。
Z06に搭載されたエンジンはLS7型と呼ばれた7リッター仕様のV型8気筒OHV。最高出力は512馬力という数字だった。
ブルーデビルの愛称で開発が進められていたという6.2リッターのLS9型エンジンを搭載するZR1は、647馬力の最高出力を叩き出したまさに悪魔のようなスーパースポーツだった。
ボディパネルの多くにはカーボンファイバーが使用され、このハイパワーに加えて軽量化と優れた空力特性、そして優秀なシャシーの相乗効果によって、シボレーは実際にドイツのアウトバーンで309km/hの最高速を記録。スペックシートには330km/hの数字が記されている。
C1型コルベットの誕生から60年を迎えた2013年。シボレーは、C7型コルベットを発表する。日本では残念ながらいまだに使用できないが、スティングレイのサブネームがC3以来復活したのも見逃せないポイントだ。
軽量なFRPとカーボンからなるボディは、やはりC2以降の伝統を継承して薄いボンネットラインを特徴とするロングノーズスタイルだが、これまでとは異なる大きな変更点は、リヤウインドウがラウンドデザインではなくなったこと。これはおもにモータースポーツ部門からのリクエストによるものと説明されている。
C5以降、C6でも積極的なレース活動を続けてきたシボレーは、当然のことながらC7でもその活動を継続する計画を持ち合わせており、そのためには空力面で有利なノッチバックスタイルを、開発段階から望む声が強かったのがその理由だったという。
このC7にも、これまでの伝統を受け継ぐZ51やZ06、Z07、そしてグランスポーツといったパフォーマンスパッケージが続々と設定され、それぞれにカスタマーから高い支持を得ることになる。そのなかでもとくにコレクターを刺激しているのは、2017年に1000台の限定生産が発表されたグランスポーツコレクターズエディション(Z25)。
さらに同年には、6.2リッターのLT5型V型8気筒DOHC+スーパーチャージャーエンジンを765馬力の最高出力で搭載するZR1を発表。加えてそのコンバーチブル仕様も発表した。
そして2019年、現行モデルとなるC8型コルベットが発表されるわけだが、それはこれまでのコルベットの歴史を大きく転換させるトピックスを秘めたモデルだった。
最大の話題はエンジンの搭載位置がフロントからリヤミッドシップへと変更されたこと。エンジン自体はC7譲りのLT2型と共通だが、潤滑方式はドライサンプに、またミッションも8速DCTへと進化を遂げているが、一方でMTの設定がないのは一部のファンには残念なところだろう。
ちなみにコルベットがMTを設定しなかったのは、1953年と1954年のC1、そして1982年のC3のみである。
最高出力で502馬力、最大トルクでは637Nmを発生するLT2型ユニットをミッドに搭載し、こちらも完全新設計のダブルウイッシュボーンサスペンションとの組み合わせによる走りがいかに魅力的なのかは想像に難くない。
さらに日本仕様のC8は、いずれのモデルでもブレンボ製の4ピストンモノブロックキャリパーや大径ローター、電子制御LSDなどを備えるZ51パフォーマンスパッケージが標準装備化されているから、走りのレベルはさらに高まる。
近く日本でも発表予定のZ06は、679馬力のLT6型6.2リッターV型8気筒DOHCエンジンを搭載するモデル。独自のフロント&リヤスポイラーを装備するなど、こちらもよりスポーティな走りにフォーカスしたモデルとなっている。
そして、C8コルベットからの派生形で、いまもっとも注目されているのがE-RAYと呼ばれるモデル。2024年モデルで生産化が実現するとされるE-RAYは、コルベット初のハイブリッド車であると同時に、初の全輪駆動車ともなる。フロントアクスルに163馬力の最高出力と165Nmの最大トルクを発揮するエレクトリックモーターを搭載。それで前輪を駆動するシステムを持つからだ。
E-RAYは残念ながら外部充電が可能なPHEVではないためEV走行が可能な距離は短いが、システム出力で654馬力というZ06に匹敵する数字はなかなかに魅力的だ。
コルベットが歩んできた70年間の道のり。そしてその中で現在まで受け継がれたものと失ってしまったもの。その歴史を簡単に振り返るだけで、70年という時間の重みは強く我々の心に伝わってくる。
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