現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ポルシェ製6ストロークエンジン登場!2ストロークと4ストロークに次ぐ6ストロークエンジンでポルシェが特許を取得!

ここから本文です

ポルシェ製6ストロークエンジン登場!2ストロークと4ストロークに次ぐ6ストロークエンジンでポルシェが特許を取得!

掲載 更新 17
ポルシェ製6ストロークエンジン登場!2ストロークと4ストロークに次ぐ6ストロークエンジンでポルシェが特許を取得!

内燃機関のコンセプト:ポルシェが革新的な動作原理を持つガソリンエンジンの特許を申請した。このガソリンエンジンは2ストロークでも4ストロークでもなく、6ストロークである。これがポルシェの新型エンジンの仕組みだ!

ジャズファンにとって「テイクファイブ」は伝説的な曲だ。このクールなジャズ曲は、1小節あたり5拍子で記譜されたキャッチーなメロディで知られている。ほとんどの人は4拍子(ストローク)の音楽に慣れている。4拍子の音楽は、トラビ(トラバント)とヴァルトブルク(Wartburg)の東ドイツのクルマと大型船舶のエンジンを除いて、内燃機関の世界でも主流だ。しかし、ポルシェの新しいエンジンは、さらに2拍子追加され、6拍子(ストローク)のエンジンとして設計されている!

モーガン プラス シックスの特別限定モデル「MORGAN PLUS SIX PINNACLE」販売開始

なぜそんなことが可能なのだろうか?ポルシェの6ストロークエンジンの心臓部には、それ自体が動くクランクシャフトがある。そこに、シャフト上のロータリーエンジンやヴァンケルエンジンのピストンと同様に、偏心してコネクティングロッドが取り付けられている。そのコネクティングロッドは、クランクシャフト内の遊星ギヤの中で動く。つまり、平たく言えば、クランクシャフトの中で「ぐらぐら」動くのだ。これにより、回転に応じてピストンのストロークが変化する。この目的は、クランクシャフトが回転する際に発生する望ましくない横方向の動きを減らし、エネルギーを無駄にしないことだ。

エンジンは1回の動作で2回動力を発生させる副次的な効果として、従来の4つの行程(吸気、圧縮、燃焼、排気)に2つの行程が追加される。圧縮と燃焼が繰り返されるため、これらのステップはサイクルごとに2回行われる。このガソリンエンジンでは、1回の動作で2つの出力段階が得られる。

この図は6ストロークエンジン原理を示している。クランクシャフトはサイクルの中で3回転する。図面には、2ストロークエンジンと同様に、シリンダー内にバルブに加えて開口部があることが示されている。運転状況に応じて、この開口部から追加の酸素や燃料が供給される。例えば、全負荷時の性能向上のために使用される。おそらく、燃焼ストロークに必要なエネルギーは少なくて済むだろう。また、クランクシャフトの周囲でコネクティングロッドが往復運動を2回繰り返すことで、従来の直列エンジンと比較してエンジンが静かになり、振動も低減されるだろう。

従来の一般的なコネクティングロッド(ここではポルシェのロッドとピストン)は、クランクシャフトにしっかりと取り付けられている。同社は数日前、この設計原理の特許を米国で申請した。すでにプロトタイプは存在するのだろうか?燃焼技術におけるセンセーショナルな革新的飛躍の時が迫っているのだろうか?ポルシェは沈黙を守っている。だが、これだけは言える。特許は「ポルシェエンジニアリング」の従業員とクルージュ=ナポカ工科大学(ルーマニア第2の都市)のアイデアに基づいて申請されたものである。「ポルシェエンジニアリング」は研究開発を担当する子会社である。

2桁パーセントの節約の可能性ツッフェンハウゼンを拠点とするスポーツカーメーカーはこれ以上の情報を開示することを望んでいない。秘密保持は「ビジネスモデルの根幹」である。ポルシェは個々のプロジェクトに関する情報は開示しないことを理解してほしいと述べている。専門家はアイデアをどう評価しているのか?「よくできている!」、「よくやった!」。「確かにうまくいくし、可能性もある」と、カールスルーエ工科大学(KIT)ピストン機械研究所のトーマス コッホ所長は言う。

グラフはパワーストローク中のピストンの動きを示している。1サイクルにつき上死点は2回あり、それに応じて2つのエネルギー出力がある。部分負荷の範囲では、ポルシェの6ストロークエンジンは2桁のパーセンテージで効率を向上させることができると彼は考えており、おそらくフルロード時でも数パーセントポイントは向上するだろう。しかし、市場に投入する前に解決しなければならない技術的な問題が数多く残っていると、コッホ氏は考えている。シリンダーヘッドだけでも、多大な費用をかけて再設計しなければならないだろう。コッホ氏によれば、複雑なメカニズムは批判的に見るべきであり、「部品数が増えれば増えるほど、リスクも増大する」という。

したがって、市場が成熟するにはあと数年はかかるだろう。「このエンジンが次世代の911やパナメーラに搭載されることはまずないでしょう」。しかし、ポルシェの6ストロークエンジンのような特許申請は、メーカーが内燃機関に将来性を見出していることを示している。コッホ氏は「これは朗報です」と笑顔で語った。

Text: Ronald WildbergPhoto: Porsche AG

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

マツダ『ロードスター』NA&NB用強化タイミングベルト、HKSが発売
マツダ『ロードスター』NA&NB用強化タイミングベルト、HKSが発売
レスポンス
えっ!? 運転中に「謎のビックリマーク」が出現…何か悪いことした!? 対処しないと「制御不能」の可能性も!? 実はあまり知られていない「重要な意味」とは
えっ!? 運転中に「謎のビックリマーク」が出現…何か悪いことした!? 対処しないと「制御不能」の可能性も!? 実はあまり知られていない「重要な意味」とは
くるまのニュース
【2025年のクルマ世界に思うこと】マルチパスウェイで本当に自分の好きなクルマを探したい
【2025年のクルマ世界に思うこと】マルチパスウェイで本当に自分の好きなクルマを探したい
AUTOCAR JAPAN
大坂なおみ! 錦織圭! ジャック・ニクラウス! 世界のトップアスリートの名を冠したクルマ4台
大坂なおみ! 錦織圭! ジャック・ニクラウス! 世界のトップアスリートの名を冠したクルマ4台
WEB CARTOP
刺激的な「ブリティッシュ」トリオ! 異なる個性が生む充足感 BBDC 2024(6) 頂上決戦
刺激的な「ブリティッシュ」トリオ! 異なる個性が生む充足感 BBDC 2024(6) 頂上決戦
AUTOCAR JAPAN
軽自動車は“行っていい”んですよね? 「軽車両を除く通行止め」 実は紛らわしい「軽」の文字
軽自動車は“行っていい”んですよね? 「軽車両を除く通行止め」 実は紛らわしい「軽」の文字
乗りものニュース
ニッサン斬新「“2シーター”マーチ」がスゴイ! オシャな「ウッド仕様」に大変身! 「冷蔵庫」完備で利便性バッチリな「コンパクトカー」の正体とは?
ニッサン斬新「“2シーター”マーチ」がスゴイ! オシャな「ウッド仕様」に大変身! 「冷蔵庫」完備で利便性バッチリな「コンパクトカー」の正体とは?
くるまのニュース
さらなる冒険を可能にする1台! トヨタが米国市場で2025年型「タコマ」を発表
さらなる冒険を可能にする1台! トヨタが米国市場で2025年型「タコマ」を発表
バイクのニュース
[セレナ]今買うならマジで[e-POWER]の[ハイウェイスター]がオススメ
[セレナ]今買うならマジで[e-POWER]の[ハイウェイスター]がオススメ
ベストカーWeb
新車時1200万円超えのメルセデス「C 63 AMG クーペ」を500万円でゲット! 6.3リッターV8の税金も苦にならない理由とは…?
新車時1200万円超えのメルセデス「C 63 AMG クーペ」を500万円でゲット! 6.3リッターV8の税金も苦にならない理由とは…?
Auto Messe Web
2025年も、フレキシブルウイングは開発し得? FIAはテストに変更加える予定なし
2025年も、フレキシブルウイングは開発し得? FIAはテストに変更加える予定なし
motorsport.com 日本版
やっぱりロードスターは初代だよなぁ……は思い込みじゃない! 初代こそが最高なこれだけの理由
やっぱりロードスターは初代だよなぁ……は思い込みじゃない! 初代こそが最高なこれだけの理由
WEB CARTOP
軽快なハンドリングが高評価 人気の“ミドルクラスネイキッド”ヤマハ「MT-07」とスズキ「SV650」どっちを選ぶ?【スペックでライバル比較】
軽快なハンドリングが高評価 人気の“ミドルクラスネイキッド”ヤマハ「MT-07」とスズキ「SV650」どっちを選ぶ?【スペックでライバル比較】
VAGUE
「125ccで国内販売して」話題のターボ機能付きスクーター、ヤマハ『AEROX ALPHA』に日本のファンも注目
「125ccで国内販売して」話題のターボ機能付きスクーター、ヤマハ『AEROX ALPHA』に日本のファンも注目
レスポンス
ドゥカティ新型「ムルティストラーダV4 S」初試乗!! 万能ツアラーが足つき向上デバイス投入でさらに快適に!
ドゥカティ新型「ムルティストラーダV4 S」初試乗!! 万能ツアラーが足つき向上デバイス投入でさらに快適に!
バイクのニュース
運転中の「ながらスマホ」は罰金だそうですが、「信号待ち」だったら「運転中」ではないのでOKですよね? 別に事故とか起こさないから大丈夫…? 法律では実際どうなのか
運転中の「ながらスマホ」は罰金だそうですが、「信号待ち」だったら「運転中」ではないのでOKですよね? 別に事故とか起こさないから大丈夫…? 法律では実際どうなのか
くるまのニュース
進化した三菱「アウトランダーPHEV」公道での印象は? ルックスは従来モデルと“ほぼ同じ”でも“中身は別物”! 新型は何が違うのか
進化した三菱「アウトランダーPHEV」公道での印象は? ルックスは従来モデルと“ほぼ同じ”でも“中身は別物”! 新型は何が違うのか
VAGUE
『サーキットの狼』のロータス「ヨーロッパ」が「日本一のフェラーリ遣い」の出発点!「幻の多角形コーナリング」ができるのか作者に尋ねてみたら…【極私的スーパーカーブーム】
『サーキットの狼』のロータス「ヨーロッパ」が「日本一のフェラーリ遣い」の出発点!「幻の多角形コーナリング」ができるのか作者に尋ねてみたら…【極私的スーパーカーブーム】
Auto Messe Web

みんなのコメント

17件
  • shift47
    図面を見ても本文読んでもサッパリわからん!
  • ********
    ホンダも随分前に6サイクルエンジンの特許は出してたが、製品化してない。

    ホンダのは追加の2サイクル(一回転)で燃焼室内に残った排ガスをフレッシュエアで追い出すという割と単純な考え方のものだったが、今や排ガスを積極的に燃焼室内に戻す時代だから、今後も製品化はないかな。

    シリンダー数減少も、この方式だと相性が悪そうだ。

    ポルシェの6サイクルは何を今更と思ったが、ホンダのとは少し違うな。一度燃焼させた混合気にもう一回燃料と空気を追加して圧縮燃焼するみたいだが、EGRと同等の効果になるのかな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村