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【意外と古くからあった?】アイドリングストップやハイブリッド クルマの歴史を変えた技術 10選

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【意外と古くからあった?】アイドリングストップやハイブリッド クルマの歴史を変えた技術 10選

ハイブリッドシステム

text:James Disdale(ジェームズ・ディスディル)

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世界初の量産ハイブリッド車といえば、1997年に登場したトヨタ・プリウスであることは間違いない。

しかし、ハイブリッドシステムの歴史は、1900年にフェルディナンド・ポルシェが設計した「ローナー・ポルシェ・ミクステ」が始まりとされる。

4気筒ガソリンエンジンによりバッテリーを充電し、蓄えられた電力で2基の電気モーターを駆動するというシリーズ式ハイブリッドであった。

残念ながら、T型フォードの登場により、この重くて高価なハイブリッドシステムは約1世紀にわたって世間から忘れられることになった。

エアコン

いまやあらゆるクルマで欠かせない快適装備となったエアコン。

アメリカの高級車メーカーであるパッカードが、コンプレッサー式の冷房をはじめて導入したのは1940年に遡る。

機能的であったが、天文学的な価格、かつトランクの大部分を占めるほど巨大であったため人気を得られなかった。

1953年には、より強力でコンパクトな冷房装置をクライスラーが採用している。

タッチスクリーン

スマートフォンの誕生以来、自動車メーカーは同様のタッチスクリーンをダッシュボードに搭載すべく邁進してきた。

ハイテク自動車必携のアクセサリーだが、実はアップル社のiPhoneよりも20年ほど前に登場しており、1986年のビュイック・リビエラでデビューを飾っている。

「グラフィック・コントロール・センター」と呼ばれた9インチのディスプレイは、黒のスクリーンに緑色の電子文字が特徴で、ラジオやエアコンなど、ほぼすべてのオンボード機能をコントロールできた。

時代を先取りしていた装備だが、ユーザーからは不評で、1990年には廃止されてしまった。

デュアルクラッチトランスミッション

デュアルクラッチトランスミッションは、2003年にフォルクスワーゲン・ゴルフR32に採用されて以来、20年近くもクルマを動かし続けてきた。

しかし、開発自体はずっと昔から始まっていた。

フランス人エンジニアのアドルフ・ケグレスは、量産化には至らなかったものの、1935年に同技術を特許化。

ポルシェは1964年からこのアイデアの実現に取り組んでおり、1983年にはグループCのレーシングカー「956」に実験的なユニットを搭載した。

また、アウディは1985年のグループBのラリーカー「S1」にデュアルクラッチを採用している。

カーナビ

初の衛星ナビ搭載車は、1990年のマツダ・ユーノス・コスモだ。アメリカの軍事衛星を利用したGPSだったが、精度は悪かった。

カーナビの構想は以前から存在するが、ホンダが1981年に導入したシステムはとてもユニークだ。

エレクトロ・ジャイロケーターと呼ばれ、ヘリウムガスのジャイロスコープにより車両の回転と動きを検出し、距離センサーによって走った距離と速度を計測していた。

重さ9kgのバックライト付きスクリーンに、透明なセルロイドの地図を差し込んで使用するが、エリアごとに手動で地図を交換する必要があった。

アコードなどにオプションとして用意されたが、1年後には引退した。

アイドリングストップ

最近では省燃費技術の重要性がかつてないほど高まっているが、最も重要なイノベーションの1つがアイドリングストップだ。

この技術を初めて開発したのはトヨタで、1974年のことである。

車両が1.5秒以上静止しているとエンジンが停止し、クラッチペダルを踏むと再始動するというものであった。

当時はクラウンにオプション設定されていた。

ABS

ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)は安全装備として当たり前のものになっているが、その歴史は古く1923年に遡る。

エンジニアのピエール・カイラが設計し、テストを行ったのが始まりだ。

ハブ駆動ポンプを使用して減速時にブレーキ圧を下げる油圧システムにより、車輪のロックを効果的に低減させた。

テストまでは行われたものの、製品化されることはなかった。クルマに初めて搭載されたのは1960年代のことである。

四輪操舵(4WS)

ルノーのホットハッチからフェラーリまで、四輪操舵システムは最新のドライバビリティ実現に欠かせないものとなっている。

敏捷性と安定性を向上させる同システムは、実はそれほど新しいものではない。

1935年には早くも、イギリス人レーサーのフレディ・ディクソンが四輪操舵の実験を行っている。

1938年にはメルセデス・ベンツがゲレンデヴァーゲンに採用した。

オートハイビーム

最新のLED技術を搭載したヘッドライトは、対向車を眩惑させないよう自動的に照射範囲を調整したり、コーナリングにあわせてライトの向きを変えたりすることができる。

ゼネラルモーターズは、ハイビームとロービームを自動的に切り替える「Autronic-Eye」を1952年に実現した。

ステアリングの操舵方向を照らすシステムは、1947年型タッカー48で初めて導入されている。

気筒休止エンジン

省燃費技術として、多くのメーカーが採用しているのが気筒休止エンジンだ。

低負荷走行時またはアイドリング時に、気筒の一部を停止させることで効率化を図るものである。

このシステムを最初に採用したのはキャデラックで、6.0L LS62 V8エンジンはV6、V4として走行することができた。

しかし、信頼性の低さが問題になり1年後に廃止された。

普及しなかった5つの技術

多くの人に歓迎された技術もあれば、そうでない技術も多い。

ここからは、日の目を見ることがなかった「残念なアイデア」を5つご紹介する。

プラスティック製のエンジン

1970年代にアメリカ人のマシュー・ホルツバーグが開発。コンロッドなどに樹脂パーツを多用し、80年代のレースでは成功を収めた。しかし、メーカーの関心は低く、普及には程遠い存在となっている。

ガスタービン

ジェット機が普及し始めたころのアイデア。ガスタービンは可動部品がないため、スムーズで信頼性が高く、メンテナンスも簡単だ。レースで一時的な成功を収めたが、燃費や排出ガスなどの理由で開発は頓挫してしまった。

ロケットブレーキ

1946年にアメリカの科学研究開発局が開発したシステム。Aピラーの下に2基の小型ロケットを配置し、その逆噴射力により制動力を得るという緊急ブレーキだ。ジープを使った実験が行われたが、安全性に問題があり実現せず。

第5のタイヤ

アメリカ人のブルックス・ウォーカーが、1932年に特許を取得した技術。トランク下に横向きの車輪を装着し、ジョッキによって車体後部を持ち上げ、完璧な縦列駐車を実現するというもの。しかし、広大なアメリカではニーズがなかった。

オービタル2ストロークエンジン

オーストラリアのエンジニアによって開発された軽量コンパクトな3気筒エンジン。1990年代初頭にフォードが実車テストを行うなど、非常に優れた性能を発揮した。しかし、排出ガスなど重要な課題をクリアできず、1995年には姿を消した。

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