かつては国内トップセラーの常連であったのに、いつの間にやら見る影もない存在に成り下がっていた——個人的には、そんな思いがどうしても抜けなかった、このところの「カローラ」という存在。
「乗り続けてくれる高齢者のために、仕方なく作っている……」と、そんな雰囲気すら漂っていたのが従来型であったゆえ、さしたる期待もせず9月に販売開始された新型に乗ってみると、それはセダンもステーションワゴンも、そしてガソリン・エンジン仕様もハイブリッド仕様も、「これなら日本を代表出来る!」と、言いたくなる、世界に誇るべき内容の持ち主へと大変貌を遂げていた!
2019年、もっとも気になった3台はコレだ! Vol.4 吉田由美編
余りに凡庸なルックスにはとりあえず目を瞑って走り始めてみれば、「真っすぐ走ることすら覚束ない……」と、思えたのが従来型。
ところが新型は、どの仕様に乗ってもピシッと直進が決まり、そして、やはりどのモデルに乗ってみても、ボディのしっかり感が格段に高くなっている。「日本のクルマをツマラなくしているのは、半分はこのトランスミッションのせいだ」と、常々感じていたCVTも、このモデルのそれは例外的に嫌な印象は薄い。アクセルペダルを踏みくわえたとき、エンジン回転数だけが高まって実際の加速感が伴わないという、あの気味の悪い”ラバーバンド感”が強く抑え込まれていたからだ。
そして、新型カローラの真骨頂はその乗り心地の素晴らしさで、これは、”欧州代表”と言われて評価の高い、あのフォルクスワーゲン「ゴルフ」のそれすらものともしない。
それでも、「だけど、所詮カローラでしょ?」と、ネガティブな目で見ている人は、まもなく大量に出まわるはずのレンタカーで、是非とも1度体験するべき。すこぶる優れた乗り味の下で、思い通り、爽やかに走れてしまうことに——初試乗時の自分がそうであったように——きっと目からウロコが剥がれ落ちるに違いない。
ベスト・オブ・輸入車:ルノー メガーヌ R.S. トロフィーすでに年末も迫りつつある10月末というタイミングで日本発表がおこなわれた、ルノー「メガーヌ R.S. トロフィー」。筑波サーキットの本コースを舞台にテストドライブしたこのモデルは、「どれもがすこぶる刺激的」という経験則があてはまるルノーのR.S.モデルのなかにあっても、最上級の刺激と感動が味わえる1台だった。
117年を超える(!)モータースポーツ挑戦から得られた知見が生かされた、R.S.の名が冠されたルノー車。そのなかにあっても、さらに”トロフィー”なる名称がくわえられたメガーヌは、よりハイチューンの心臓や強化されたサスペンション、タフネスぶりが高められたブレーキなどを採用。サーキット走行によりフォーカスしたスペシャルウェポンという内容の持ち主である。
このモデル専用のレカロ・シートに腰を降ろし、エンジンに火を入れた段階で、すでに”普通のR.S.”と異なることはそのサウンドからも明らか。このモデルには、R.S.初のアクティブバルブ付きのエキゾースト・システムが標準採用されているのだ。
というわけで、そんなこのモデルでサーキットを全開走行すると、それはもう感動の世界だった。
ベース・モデルに対し21ps上乗せされ、最高出力はついに300psの大台にのった。結果、加速性能はすこぶる高い。が、それよりも鍛えあげられたシャシーや標準採用されるトルセンLSDがもたらす、FWD(前輪駆動)レイアウトの持ち主ながら高度なトラクション能力に感心させられる。
最初は左、次は右……と、筑波サーキットには2カ所存在するヘアピンコーナーで追い込んでも、だらしなく外側にはらんだりしない「アンダー知らず」のハンドリングも感動的。レーシングスピードで何周走り続けてもペダルタッチさえ変わらない強靭なブレーキも、真のスポーツモデルである証と言える。
本格的なサーキット走行を楽しめるメガーヌ R.S. トロフィーの価格が、”500万円切り”を実現させている点も見逃せない。
かくして、2019年の”リアルスポーツカー・オブ・ザ・イヤー”の賞を進呈したいメガーヌ R.S. トロフィーなのである。
2020年、再試乗したい1台:ポルシェ タイカンDelia Baumよんどころない事情により、9月に開催されたポルシェ初のEV「タイカン」の国際試乗会に参加出来なかった。「これはもう、当分乗れないのでは……」と、半ば諦めかけていたものの、幸いにして11月、12月と立て続けにテストドライブのチャンスがあった。
EVの場合、とりあえず、強力なモーターと大出力のバッテリーを組み合わせれば、難なく”怒涛の加速力”を得られるというのは、すでに幾ばくかのモデルでの実体験からも理解と予想が出来た。
けれどもタイカンの場合、そんな強靭な加速力よりも、走りのテイストが感動的だった。これまでのポルシェで、味わったことのないレベルにあるボディコントロール性能の圧倒的な高さだった。
とくに、高速クルージング中のフラット感の高さは、もはや通常のクルマとは異次元とも思える仕上がり。
Delia Baumロサンゼルス郊外を基点とした11月のテストドライブは、街中からフリーウェイ、そしてワインディング・ロードを。フィンランドの北極圏にまで出向いて乗った12月は雪上/氷上と、幸いにもさまざまなシチュエーションでひと通りの経験は出来た。
とはいえ、ロサンゼルスでは1時間強。フィンランドでも3時間ほどと、テストドライブの時間は限られた。正直、「まだまだ乗り足りない」印象が残っただけに、近いうちにあらためて、そして日本の地で、再テストトライブを切望したい。
文・河村康彦 写真・安井宏充(Weekend.)
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