■クルマに載せてる?「停止表示器材」 三角以外にも種類がある
高速道路や自動車専用道路を走行中に、故障や事故などでクルマを停止せざるを得ないときがあります。
その際に、赤い三角形状の表示器材である「三角停止板」などの「停止表示器材」を使用することが必要ですが、これをクルマに載せていないと違反になってしまうのでしょうか。
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高速道路上では駐停車が禁止されていますが、事故や故障などのやむを得ない理由によって停車が必要な場合もあります。
その場合、路肩や路側帯、非常駐車帯などできるだけ安全な場所に停止させた上で、後方から走行してくるクルマに停止車両があることを知らせる必要があります。
後続車に知らせる方法として、クルマのハザードランプを点灯させ、かつ後続車に注意しながら車両後方で発炎筒を炊いて三角停止板などの停止表示器材を設置します。
三角停止板は、一辺が45cm以上の赤い三角形の表示板で、三角の部分には反射材が用いられているため、夜間ではクルマのライトが反射して光り、一定の距離からの視認が可能です。
これらの設置作業が完了したら衝突事故などを避けるため、路上に留まったり車内に戻ったりせず、素早くガードレールの外側に避難して安全を確保することが大切です。
実は後続車に停止車両があることを知らせる方法のうち、三角停止板などの停止表示器材については必ず設置しなければならないことが道路交通法第75条11において定められているのです。
三角停止板は停止車両から少し離れた後続車から分かりやすい場所に設置しますが、NEXCO西日本では「停止表示器材は車の後方に、無理のない範囲で設置をしてください」と呼びかけています。
もし、高速道路上でクルマを停止させたにもかかわらず三角停止板を設置していない場合には、「故障車両表示義務違反」となり、違反点数1点と反則金6000円が科されます。
そのため、高速道路を通行する際には、TSマークがついた製品など、国家公安委員会の定める安全基準を満たした三角停止板をクルマに載せておくことが必要です。
一方、三角停止板は標準装備されていないことが多いのが現状です。
実際に国産メーカーでは新車カタログには標準装備としての記載がなく、販売店オプションとして用意されています。
これは車検でチェックされる項目ではないことが挙げられ、携行していないこと自体は違反にはならないことが理由として考えられます。したがって、車載していないことで罰則を受けることはありません。
ただし、思いがけない事故や故障が起きた際、停車しなければならないときには設置が必要ですので、高速道路を走行する予定がある場合には、事前に積載しておくことが必要だと言えます。
なお、最近では三角停止板と同じように使える「停止表示板」として、LEDライトタイプの製品が販売されています。
この製品は車両の上部に設置して使用するため、夜間では約800m、昼間は約300m後方からでも十分な視認性が確保されているのが特徴で、一部製品ではLEDライトタイプの停止表示灯も道路交通法施行規則に適合していると説明されており、三角停止板の代わりに使うことが可能です。
このLEDタイプのメリットとして、車両上部に設置することで、手を伸ばせば車内からも設置が可能な点が挙げられます。
従来の三角停止板では車両の後方に設置するため、クルマが高速で行き交う中を徒歩で設置するという危険な作業が必要です。
電子機器であるため、定期的に動作するかどうかをチェックするといったことは必要ですが、危険な作業を回避できるメリットがあります。
高速道路を走行する場合は三角停止板やLEDタイプの停止表示灯を携行し、いざという時に備えて準備しておくと良いでしょう。
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