かつて日産を、いや日本を代表するモデルであった日産スカイライン。日本生まれの日本育ち。数々の伝説を作り、多くの日産ファンを育ててきた。しかしかつての面影は姿を潜め、今やすっかり欧米中心モデル。日本市場は(いや「売れないから」という事情は重々承知なのですが)「ついで」のような扱いとなっております。
それもそのはず、日本で「スカイライン」として売っているモデルの世界販売を見てみると、色とりどり、さまざまなラインアップが用意されているではありませんか。
いやいやもちろん、タイトルは「欧米だけのスカイライン」としておりますが、ご存じのとおり、あちらでは「インフィニティ」ブランド。でも心情的に「スカイライン」と意地を張ってみたい気持ちもわかっていただきたい。
「日本にもこの仕様を用意してください!」と、思わず呟きたくなるほどに、欧米には魅力的なスカイラインが揃っているのです。
ほんとにこれでいいのか日産!! という思いも込めて、日本には存在しない欧米だけのスカイラインをご紹介いたします。
※本記事は2017年6月のものです。
文・写真:ベストカー編集部
初出:ベストカー2017年6月10日号
■インフィニティQ60ブラックSコンセプト
Q60ブラックSはインフィニティとルノーF1チームが技術協力して作り上げたコンセプトカー。400psエンジンにルノーF1で使っているKERSの技術を組み合わせたスーパースポーツで、コンセプトカーとはいえ、こういうクルマを作ってくれるのがうらやましい。そもそも日本ではスカイラインクーペにあたるQ60自体、日本での販売は未定だ。
2017年3月のジュネーブショーに出展されたコンセプトカー。インフィニティとルノーF1チームが協力して開発したモデルで、V6、3Lツインターボ400psエンジンとルノーF1のKERS技術を組み合わせたユニットを搭載し、500ps以上のトータルパワーを発揮する。市販予定はないが、KERS技術の開発は進めているという
■インフィニティQ50レッドスポーツ400
Q50レッドスポーツ400はVR型V6、3Lツインターボをその名のとおり400psまでパワーアップしたグレードで、北米では4万8700ドル(1ドル111円換算で約540万円)から販売中。そんなイケイケの姿勢がうらやましいが、日本のスカイラインにも追加設定されるかといえば、その可能性は低いと言わざるを得ない。ついでにいえば、Q50は3月に行われたジュネーブショーでプロパイロット装着車を発表。年内にはその市販モデルが登場すると思われる。
新開発のVR30DDTT型V6、3Lツインターボ、400psエンジンを搭載したQ50最強グレード。FRと4WDがあり、FRは4万8700ドル(1ドル111円換算で540万5700円)、4WDは5万700ドル(562万7700円)で販売中。日本のスカイラインにもこういうモデルが欲しいものだが、販売実現性はあまりにも低い……
■インフィニティQX50コンセプト
QX50コンセプトは2017年4月の上海ショーに出展されたQX50の次期モデルを示唆するコンセプトカーで、日本でいえば今はもうなくなってしまったスカイラインクロスオーバーに当たるモデル。インフィニティの最新デザインコンセプトである「パワフルエレガンス」なデザインで、ベンツ、BMWなどにも負けない存在感を発揮している。
また、このクルマの最大の見どころはエンジンで、量産車世界初の可変圧縮比ターボ(VCターボ)を搭載しているのだ。4気筒の2Lで270ps/39.8kgmを発揮すると技術発表済みで、その搭載第一号がこのクルマになるもよう。来年(2018年)中には正式デビューを果たすだろうが、日本でも売られるかどうかは定かではない……。日本市場では大苦戦したスカイラインクロスオーバーのことを考えると二の足を踏みたくなる気持ちはわかりますが、そこはなんとか! お願いしますよ日産さん!!
2017年4月に開催された上海モーターショーに出展されたコンセプトカーだが、来年(2018年)中には発売される予定の次期QX50に当たるモデル。VCターボエンジンは直4、2Lで270ps/39.8kgmを発生すると発表されており、燃費性能がどのくらい優れているのかが注目される
こういうのを見ていると「日本のスカイラインももっと頑張ってくれい!」と言いたくなってしまう……。
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