現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 小松礼雄、ハースF1代表に就任「この機会にワクワクしている」前任シュタイナーはチームを離脱

ここから本文です

小松礼雄、ハースF1代表に就任「この機会にワクワクしている」前任シュタイナーはチームを離脱

掲載 更新 2
小松礼雄、ハースF1代表に就任「この機会にワクワクしている」前任シュタイナーはチームを離脱

 1月10日(水)、ハースF1はチーム代表を務めたギュンター・シュタイナーの離脱を発表。後任にはこれまでエンジニアリングディレクターを務めていた小松礼雄が就任することとなった。

 2023年シーズン、コンストラクターズランキング最下位に沈んだハース。シュタイナーは契約更新の時期を迎えたが、チームオーナーのジーン・ハースは彼と契約を延長しないことを選択した。

■激震のハースF1。シュタイナーの代表離脱、小松礼雄の新代表就任発表前には、テクニカルディレクターの離脱も明らかに。フェラーリとの関係は?

 既報の通り、シュタイナーの離脱に先立ち、テクニカルディレクターのシモーネ・レスタもハースを去っている。

 シュタイナー元代表はフェラーリから譲渡可能パーツ(トランスファブル・コンポーネント/TRC)を購入することで開発コストを抑えてF1を戦う計画を立て、工作機械メーカーのハースから資金を調達してF1チームをスタートさせた。

 ハースは2024年シーズンでF1参戦9年目を迎えるが、これまでの道のりは前途洋々とは言い難い内容だった。シュタイナー元代表はこれまでの成績不振の責任を取る形となった。

 シュタイナー元代表とジーン・ハースの間に緊張関係があったことは周知の事実であり、技術的な方向性について陣営内でも意見の相違があった。2023年シーズンのラスト2レースでケビン・マグヌッセンとニコ・ヒュルケンベルグが新旧エアロパッケージを使い分けたところからも、意見の相違が見受けられた。

 シュタイナー元代表は、ファクトリーのインフラ設備向上に多額の資金を投入するライバルチームに追いつくべく、さらなる投資を求めていたが、ジーン・ハースはチームが自由に使える既存のリソースをより効率的に活用することに集中したいと考えていたのだ。

 ハースは、前年度のランキング8位から2023年にランキング最下位へ後退したことにより、分配金においても大きな打撃を受けることとなる。事実上、ファクトリーの設備に投資できる資金は少なくなっており、ジーン・ハースは2024年のチーム運営予算において大きな負担を強いられることとなる。

 ハースとは対照的に、直近のライバルであるウイリアムズ、ザウバー、アルファタウリなどは、FIAが認める追加設備投資枠を利用して、テクニカルレギュレーションが刷新される2026年シーズンに向けて追加投資を行なうこととなっている。

 ハースによると、新たにチーム代表に就任する小松はストラテジーとコース上でのパフォーマンスの責任者を務めるという。声明の中で小松新代表は、「スタッフのエンパワーメント、構造的なプロセスと効率性を通じて、チームのポテンシャルを最大化する」ことが使命だと語った。

 そして小松新代表は、組織面及びビジネス面で最高執行責任者(COO)のサポートを受けることになる。ハースのCOOはまだ発表されていないが、イギリス・バンベリーにあるファクトリーからレース以外の問題に専念することとなる。

 ジーン・ハースは、ハースのパフォーマンス向上に重点を置いた人事であると語った。

「この10年間、懸命に働いてくれたギュンター・シュタイナーにまず感謝の意を表し、今後の活躍を祈りたい」とジーン・ハースは言う。

「組織として前進するためには、コース上でのパフォーマンスを向上させる必要があることは明らかだった」

「小松礼雄をチーム代表に任命することで、マネジメントの中心にエンジニアリングを据えることになった」

「我々はいくつかの成功を収めてきたが、組織としてより大きな目標を達成するためには、一貫した成績を出す必要がある。今あるリソースを効率的に使う必要があるが、デザイン・エンジニアリング能力を向上させることが、チームとしての成功のカギとなる」

「礼雄と一緒に仕事をすることが楽しみだし、我々のポテンシャルが最大限に引き出されるはずだ。これはF1でしっかりと戦いたいという私の願望を明確に示したモノだ」

 2016年にチーフレースエンジニアとしてルノーからハースに加入した小松は、ヨーロッパを拠点とするF1チームでは初の日本人チーム代表となる。

「マネーグラム・ハースF1チームでチーム代表を務める機会を得て、とてもワクワクしています」と小松新代表は言う。

「2016年にサーキットデビューを果たしたチームと共に、F1での成功を目指して情熱的に取り組んできました。我々のプログラムと競争力のある様々なオペレーションをチーム内で指揮し、コース上でのパフォーマンスを向上させる体制を構築することを楽しみにしています」

「我々はパフォーマンス主導のビジネスです。最近、競争力が十分でなかったことは明らかで、それは我々全員のフラストレーションに繋がっていました」

「我々はジーンや様々なパートナーから素晴らしいサポートを受けています。カナポリス、バンバリー、マラネロには素晴らしいチームがいて、共に力を合わせれば、我々に相応しい結果を出すことができると信じています」

 シュタイナー元代表は近年、NetflixのF1ドキュメンタリー『Drive to Survive(邦題:栄光のグランプリ)』に出演し、F1パドック以外でも広く周知されるようになったことで、チームの知名度向上に一役買った。

 チームのタイトルスポンサーに就任したマネーグラムが、今回の人事をどう捉えるかはまだ分からない。2023年、motorsport.comの取材に応じたマネーグラムのアレックス・ホームズCEOは、チームの魅力のひとつとしてシュタイナー元代表を挙げていたのだ。

「我々が始めて会って夕食へ出かけた時、ギュンターの影響力を目の当たりにした」とホームズCEOは言う。

「夕食の最中に、みんながテーブルへ寄ってきて写真を撮りたがっていた。彼を見て目を輝かせていたのだ。彼はとても面白くて誠実だ。彼は『何が起きているのか分からない』という感じだったね」

「彼の持つスター性、そしてそれがどのように伝わってくるか……それは彼そのものだ。誠実さが本当によく表れていると思う。彼のブランドと我々のブランドを結び付けられるのは、とても特別なことだ」

こんな記事も読まれています

2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
ベストカーWeb
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
Auto Messe Web
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
AUTOSPORT web
角田裕毅が予選7番手「大満足。アップグレードへの理解が改善につながった」努力が報われたとチームも喜ぶ/F1第22戦
角田裕毅が予選7番手「大満足。アップグレードへの理解が改善につながった」努力が報われたとチームも喜ぶ/F1第22戦
AUTOSPORT web
勝田貴元、木にスピンヒットも間一髪「メンタル的に難しい一日。明日はタイトル獲得を最優先」/ラリージャパン デイ3
勝田貴元、木にスピンヒットも間一髪「メンタル的に難しい一日。明日はタイトル獲得を最優先」/ラリージャパン デイ3
AUTOSPORT web
クラッシュで50Gを超える衝撃を受けたコラピント。決勝レースの出場可否は再検査後に判断へ/F1第22戦
クラッシュで50Gを超える衝撃を受けたコラピント。決勝レースの出場可否は再検査後に判断へ/F1第22戦
AUTOSPORT web
胸を打つ「上質な走り」 アウディQ6 e-トロン・クワトロへ試乗 優秀なシャシーを味わえる388ps!
胸を打つ「上質な走り」 アウディQ6 e-トロン・クワトロへ試乗 優秀なシャシーを味わえる388ps!
AUTOCAR JAPAN
オーテック&ニスモ車が大集合!「AOG湘南里帰りミーティング2024」で見た「超レア車5台」と「中古車で狙いたいクルマ5台」を紹介します
オーテック&ニスモ車が大集合!「AOG湘南里帰りミーティング2024」で見た「超レア車5台」と「中古車で狙いたいクルマ5台」を紹介します
Auto Messe Web
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 後編
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 後編
AUTOCAR JAPAN
ラリージャパン3日目、SS12がキャンセル…一般車両が検問を突破しコース内へ進入、実行委員会は理解呼びかけると共に被害届を提出予定
ラリージャパン3日目、SS12がキャンセル…一般車両が検問を突破しコース内へ進入、実行委員会は理解呼びかけると共に被害届を提出予定
レスポンス
【F1第22戦予選の要点】苦戦予想を覆すアタック。ラッセルとガスリーが見せた2つのサプライズ
【F1第22戦予選の要点】苦戦予想を覆すアタック。ラッセルとガスリーが見せた2つのサプライズ
AUTOSPORT web
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 前編
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 前編
AUTOCAR JAPAN
NASCARの2024シーズン終了! 日本からスポット参戦した「Hattori Racing Enterprises」の今季の結果は…?
NASCARの2024シーズン終了! 日本からスポット参戦した「Hattori Racing Enterprises」の今季の結果は…?
Auto Messe Web
ジャガーEタイプ S1(2) スタイリングにもメカニズムにも魅了! 人生へ大きな影響を与えた1台
ジャガーEタイプ S1(2) スタイリングにもメカニズムにも魅了! 人生へ大きな影響を与えた1台
AUTOCAR JAPAN
もの凄く「絵になる」クルマ ジャガーEタイプ S1(1) そのすべてへ夢中になった15歳
もの凄く「絵になる」クルマ ジャガーEタイプ S1(1) そのすべてへ夢中になった15歳
AUTOCAR JAPAN
日本の「ペダル踏み間違い防止技術」世界のスタンダードに! 事故抑制のため国際論議を主導
日本の「ペダル踏み間違い防止技術」世界のスタンダードに! 事故抑制のため国際論議を主導
乗りものニュース
90年前の“博物館級”のオートバイがオークションに登場 “2輪界のロールス・ロイス” 1936年製ブラフ・シューペリアがカッコ良すぎる
90年前の“博物館級”のオートバイがオークションに登場 “2輪界のロールス・ロイス” 1936年製ブラフ・シューペリアがカッコ良すぎる
VAGUE
HRC渡辺社長、フェルスタッペンの4連覇を祝福「ホンダ/HRCとしてサポートし続けてこられたことを誇りに思う」
HRC渡辺社長、フェルスタッペンの4連覇を祝福「ホンダ/HRCとしてサポートし続けてこられたことを誇りに思う」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

2件
  • ヌーヴェル
    日本メーカーと関係のない欧州のF1チームの代表に実力で就くなんて凄すぎる・・・。
  • 南斗水鳥拳のレイの子そう母はマミ
    シュタイナーは人気があったが
    チームが速くなくてはF1での存在する意味が無い。
    小松氏も2年で結果を出さないと
    長くないだろうから
    ドライバーに決勝に強いマシンを用意してあげて欲しい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村