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新型ラングラー・アンリミテッド・ルビコン(JL)を評価 日本のオフロードで見せた格の違い

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新型ラングラー・アンリミテッド・ルビコン(JL)を評価 日本のオフロードで見せた格の違い

もくじ

どんなクルマ?
ー アンリミテッド・ルビコンとは
ー ルビコンの違い 専用装備

【画像】新型アンリミテッド・ルビコン オフロード評価 全65枚

どんな感じ?
ー 試乗は4Lで オフロードへ
ー 2.0ターボ「スポーツ」と比較

「買い」か?
ー 真の悪路走破性能

スペック
ー ジープ・ラングラーのスペック

どんなクルマ?

アンリミテッド・ルビコンとは

“ルビコン” とはその昔、ローマ帝国本土と属州の境界線となっていたとされる川の名前(現在のどの場所かは諸説ある)で、古代ローマ時代の故事から、良くも悪くも後戻りのできない重大な決断・行動をすることを「ルビコン(川)を渡る」と表現する。

ジープ最強の悪路性能をもつラングラーに、そんな壮大なネーミングのトップモデルが初登場したのは2003年で、最新型から見ると先々代にあたる2代目ラングラーのときである。

ここでいう “トップ” とは、舗装路で速いとか、豪華で安楽……という意味では当然なく、ラングラーのルビコンは “ジープ最強の悪路性能” という位置づけとなる。ちなみに、現在の主力となっているロング4ドアボディの “アンリミテッド” が追加されたのは翌04年で、同じく2代目からである。

ルビコンの違い 専用装備

もともと世界最高クラスであるラングラーの悪路性能をさらに引き上げるルビコン専用メカニズムとしては、副変速機と最終減速比それぞれをローギアードした “ロックトラックフルタイム4×4システム” や前後独立のデフロック機構(実際はリアのみロックか、前後ロックの2パターン)、そしてフロントスタビライザーをスイッチひとつで任意解除できる “電子制御式フロントスウェイバーディスコネクトシステム” などがある。

ほかにも非ルビコンではリアのみの採用となるDana社製ヘビーデューティ仕様アクスル “Dana44” がフロントにも使われたり、ラングラーのカタログモデルで唯一マッド&テレインタイヤ(他グレードはオールテレイン/オールシーズン)も履かされる。

この5月に日本で発売されたルビコンは4ドアボディのアンリミテッドで、エンジンは3.6ℓV6のみ。前記の機能装備以外にも、スロットやライト開口部にグレーアクセントが入ったグリル、アルミホイール、そしてレザーシート表皮などが専用デザインとなる。

どんな感じ?

試乗は4Lで オフロードへ

今回は山梨県にある富士ケ嶺オフロードコースを使った悪路試乗会で、当日は対角線にコブを配したモーグル、25°以上のバンクをもつカーブ、最大30°の長い上り坂、ぬかるんだ下り坂、岩肌のアップダウン……などのメニューが用意された。

それはオフロード素人の筆者には目まいがするほどの難所にしか見えないが、今回はアマチュアのメディア関係者でも安全に挑戦できるよう設定されたコースである。なので、少なくとも悪路機能を強めた “トレイルホーク” グレードであれば、ジープ全モデルがクリアできるレベル……というのが正直なところで、ましてラングラーならルビコンでなくても、ローギアードの直結4WDとなる “4L” にさえ入れておけば、ほかの悪路用デバイスを作動させずとも苦もなく走破できた。

さらに、そのラングラーがルビコンとなるわけだから、今回のコースはもはや “朝飯前” としかいいようがない。

前後リジッドのうえにフロントスタビを解除したルビコンは、ラングラー以外の四輪独立サスのジープがトラクションコントロールやブレーキLSDフル作動で2~3輪走行でギコギコもがきながら進むしかないモーグルを、4輪をべったり接地させて平穏に乗り越えていく。さらにゴツいブロックパターンがサイドウォールにまで回り込んだマッド&テレインタイヤのおかげで、20°以上のバンクで横に傾けられても、がっちり食いついて滑り落ちたりはしない。

2.0ターボ「スポーツ」と比較

30°の急登坂では比較用に走った2.0ℓターボの “スポーツ” でも十分にトルキーだったが、さらに余裕の3.6ℓV6+超ローギアレシオのルビコンなら、まさに歩くようなスピードで涼しい顔で登り切ってしまう。

ルビコンでなくても、こういうトルク走行では排気量の大きい自然吸気エンジンに分があるのは事実だ。さらに、下りメインの岩肌コースもヒルディセントコントロールさえ作動させておけば、あとはステアリングで自由自在のラインで楽しくクリアできた。

せっかくの悪路試乗の経験をさせていただいていうのもなんだが、少なくともルビコンに乗っているかぎり、この程度(!)の悪路で事件など起こるべくもない。

メインの悪路以外にも、今回は富士ケ嶺オフロード周辺の数kmのみだが、ルビコンで一般の舗装路を移動することができた。新型ラングラーそのものは舗装路でのマナーも先代よりかなりレベルアップしているが、さすがにマッド&テレインタイヤまで履かせると、乗用車的な意味でのリニアリティには欠けて反応も鈍く、接地感も物足りない。

もっとも、こういう指摘は、いわばSタイヤを履いたポルシェ911GT3を住宅街で走らせて「乗り心地が悪い」といっているのと同じこと(?)だろう……。

「買い」か?

真の悪路走破性能

ルビコンの真のポテンシャルは、はるか向こうの高みにあるので、筆者ごときがチョイ乗りした程度で分かるものではない。前記のように、ラングラー・ルビコンは、オンロードカーでいえば、サーキット用限定モンスタースポーツカーあるいはホモロゲ用スポーツセダンのようなものだからだ。

「普段使いで本格SUV気分を味わいたい」という気軽なニーズであれば、ラングラーなら一般グレードの “スポーツ” か “サハラ” で十分……ではなく、そのほうが乗り心地も静粛性も実用性も高度である。その種の競技に出場するのでもなければ、どのラングラーでも、悪路性能はどうせ使い切れない(笑)。

ちなみに、エンジンもどちらか選べるチャンスがあるなら、最新設計の2.0ℓターボのほうが明らかに燃費も良く、それでいてスペックから想像するよりずっと柔軟性にも富む。

ジープ・ラングラーのスペック

ラングラー・アンリミテッド・ルビコン

■価格 588万6000円
■全長×全幅×全高 4870×1895×1850mm
■最高速度 –
■0-100km/h加速 –
■燃費(JC08モード) 9.0km/ℓ
■車両重量 2050kg
■エンジン V型6気筒3604cc
■最高出力 284ps/6400rpm
■最大トルク 35.4kg-m/4100rpm
■ギアボックス 8速オートマティック


ラングラー・アンリミテッド・スポーツ

■価格 504万3600円
■全長×全幅×全高 4870×1895×1845mm
■最高速度 –
■0-100km/h加速 –
■燃費(JC08モード) 11.5km/ℓ
■車両重量 1950kg
■パワートレイン 直列4気筒1995ccターボ
■最高出力 272ps/5250rpm
■最大トルク 40.8kg-m/3000rpm
■ギアボックス 8速オートマティック

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