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海外王室の知られざる「おクルマ」 日本車との意外な関係性とは

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海外王室の知られざる「おクルマ」 日本車との意外な関係性とは

■クルマ好きのエリザベス女王も「免許返納」を決断した

 日本の上皇陛下はクルマがお好きで、皇居内を愛車のホンダ「インテグラ」でよく運転されていることは周知の事実ですが、イギリスのエリザベス女王も負けず劣らずクルマが大好きです。

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 御年90歳の頃にも、孫であるウィリアム王子の夫人、キャサリン妃を助手席に乗せて運転する姿が英紙「Metro」に掲載されるなど、まだまだ現役ドライバーというご様子が見てとれます。

 エリザベス女王がクルマ好きなのは、第二次世界大戦時に「補助地方義勇軍(イギリス陸軍の女性部隊)」に従軍し、軍用車両の整備や弾薬の管理などの後方支援のほか、大型自動車の免許を取得し、実際に軍用の大型トラックの運転も行なっていたことに由来するといわれています。

 当時は名誉職に過ぎなかったイギリス女性王族の慣例を打ち破り、一般兵士と同等の軍事訓練を受け、軍隊に従事した初めての女性王族という意味でも、エリザベス女王(当時は王女)は前衛的なな女性だったのです。

 ご本人も一般兵士と同等の待遇を好んでいたそうで、こうした経験からご自身の子どもたちも宮廷ではなく一般の子女達と同じ学校に通わせることにしたとのこと。

 そんなエリザベス女王の公用車はベントレー「ステート・リムジン」。ベントレー社がエリザベス2世在位50周年記念で開発した、世界でたった2台しかないという希少な車種です。

 エリザベス女王が乗車されているときは、ボンネットにあるベントレーのオーナメント「B(Flying B)」が女王のマスコットである「竜を退治する聖ジョージ」像に交換されるなど、遊び心も忘れていません。

 エリザベス女王の公用車は先述のとおりベントレー「ステート・リムジン」ですが、私用車は「レンジローバー」や「ジャガー」などを愛用されているようです。

 初めに紹介したキャサリン妃を乗せて運転したときもレンジローバーで、その他にも静養に出かけたり、お城や公園などにピクニックに行ったりする際には私用車である「愛車」の運転を楽しまれる様子がたびたび報道されています。

 ところが、2019年1月に女王の夫君であるエディンバラ公フィリップ殿下(御年97歳)が交通事故を起こしてしまい、2月9日に免許証を自主返納したことを受け、エリザベス女王自身もとうとう「公道での運転はやめる」と決心をされたようです。

 イギリスでは免許証を女王自身の名の下に発行できることから、そもそも女王は免許証を持ってません。そのため、厳密には「免許返納」ではないということです。

 平均寿命が伸びるにつれ、高齢ドライバーが事故を起こしてしまう悲しい報道は日本だけにとどまりませんが、皇族やロイヤル・ファミリーなど、国の象徴や代表となる方々が率先してこうした決断をすることで、一般の国民にもこれからどんどん意識が広まっていくことでしょう。

■「世界で一番幸福な国」の公用車と日本の意外な関係とは

 国立ブータン研究所の調査によると、ブータンは2005年の国勢調査で96.7%の国民が「とても幸せ」もしくは「幸せ」と回答したことから「世界で一番幸福な国」と呼ばれるようになりました。この調査は5年ごとに行なわれており、2015年の調査でも91.2%の国民が「とても幸せ」もしくは「幸せ」と答えています。

 そんなブータンの公用車は、トヨタ「ランドクルーザー(100系)」。日本車は安全性や燃費の良さなどから世界でも高い評価を得ていますが、世界で一番幸福な国の公用車に日本のクルマが使われているというのは、その評価を後押しをしてくれているようです。

 ブータンでは2011年からクルマの輸入が禁じられていますが、2014年に日産と協力関係を結び、日産の電気自動車が少しずつ普及し始めています。この背景には、ブータンでは水力発電でクリーンエネルギーとしての電気エネルギーを十分に生産しているものの、自国内での消費量は約5%程度に留まり、残りはインドに輸出しています。しかも、その輸出で得た利益でインドから石油燃料を買ってガソリン車を動かしているという現状があります。

 ブータンではこの過剰な電気エネルギーを電気自動車に使い、燃料の輸入に頼らずとも自国内でエネルギーを賄えるクルマを普及させたいのです。この協力関係や普及が順調に進めば、公用車にもEV車が投入されるかもしれません。

■ ローマ教皇の御輿玉座の代わりは「パパモビル」

 ローマ教皇の公用車として有名なのが「パパモビル」と呼ばれるクルマです。ラテン語で教皇のことを「Papa(パーパ)」と呼ぶこと、イタリア語でクルマは「automobile(アウトモビレ)」スペイン語では「automovil(アウトモビル)」と呼ぶことから作られた「教皇のクルマ」といった意味の造語です。

 かつてローマ教皇が一般拝謁する際に使われていた移動式玉座(教皇御輿/御輿玉座)が現代ではあまり実用的でないことから、20世紀以降は教皇の公用車としてクルマが使われるようになりました。

 なかでも「パパモビル」として有名なのは、前々ローマ教皇であるヨハネ・パウロ2世が故国ポーランドを訪れた際に、信者に祝福を与えられるよう小型のトラックを改造して乗っていたクルマの形に似せたもので、車体後部に特製のガラスで覆われた小部屋を取りつけたタイプのものです。

 しかし、こうした「部屋つき」のクルマは、暗殺未遂やテロ、傷害事件などの警備面から、現在では使われなくなりました。現在のフランシスコ教皇が使われている「パパモビル」は、メルセデス・ベンツやフィアット「プント」、キア「ソウル」などが用いられていることが確認されています。 【了】

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