イーコナ・シリーズ最新作『デイトナSP3』
富士スピードウェイで開かれたフェラーリ・レーシング・デイズで、イーコナ・シリーズの最新作、デイトナSP3が披露された。もともと特別な存在のフェラーリだが、ラ フェラーリやエンツォなどのプレミアム・ラインのほかに、往年の名車をモチーフとした新たな限定シリーズとしてスタートしたのが「イーコナ」だ。
【画像】日本初公開フェラーリ・デイトナSP3のディテールを現場からレポート 全36枚
「イーコナ」とは英語でアイコンを意味するイタリア語。過去のアイコン的な名車のパッションを、時を超えたスタイルで実現。そこに最新の技術と最高のパフォーマンスを内包したものだ。フェラーリを知り尽くしたオーナーのために2018年に499台限定で送り出されたのは、1954年に登場した750モンツァをモチーフとしたシングルシーターのモンツァSP1と、2シーターのモンツァSP2だった。イーコナ・シリーズの第3弾として2011年11月に公表されたのが、限定599台が作られるデイトナSP3である。
デイトナの由来は
モンツァSP1/SP2は往年の名車をモチーフにしていたが、デイトナSP3は1967年の世界スポーツカー選手権の開幕戦となるデイトナ24時間レースにちなんだものである。フェラーリはデイトナ24時間レースで330P3/4が優勝を果し、そこに330P4と330P3/4が続き、ライバルであるフォードの地元で1-2-3フィニッシュを成し遂げた。
この快挙にちなんでイーコナ・シリーズの3作目は、デイトナを制した最も美しいレーシング・マシンと称される330P3/4をモチーフにしてデザインされた。330P4がミドシップ・レイアウトだったことから、デイトナSP3はミドに12気筒エンジンを搭載する。スタイリングも330P4を現代的に解釈したものとされた。
V12エンジンは840psを発揮
デイトナSP3のミドに搭載されるのはエンツォ・フェラーリに端を発するF140系の65° V12自然吸気エンジンで排気量は6496cc。形式はF140HCとなる。812コンペティツィオーネ用F140HBエンジンをミド搭載用に変更すると共に、吸気系を短縮し、可変ジオメトリー吸気ダクトの採用や、専用カムシャフトが組まれた。これらの改良によりF140HBに較べ10psアップした840psを9250rpmで発揮する。最高許容回転数は9500rpmと、まさに究極の12気筒エンジンとなった。
トランスミッションは7速DCT F1を組み合わせる。パフォーマンスも超弩級で、最高速度は340km/h、0-100km/h加速は2.85秒、0-200km/h加速は7.4秒でこなす。
P3/4をインスパイアしたスタイリング
シャシーはラ フェラーリの延長線上にある独自のカーボン・コンポジット製で、ルーフは脱着式のアペルタ仕様とされた。スタイリングは330P3/4の特徴を盛り込んだもので、低いノーズからエンジンカウルに至るラインは、どこか懐かしさを感じさせるレーシング・マシンそのもの。
リアエンドのデザインは、ピニンファリーナのスタディモデルだったP5の水平のラインを基調としたモチーフが取り入れられた。テールライトはラインの中に組み込まれている。ノーズ周りやドア上に設けられたラジエターのインテーク、アウトレットを組み込んだリアウインドウなど、330P3/4のモチーフが随所に織り込まれていて興味深い。
もう1台のデイトナSP3が登場
当日、イーコナ・ラウンジに展示されたデイトナSP3のほかに、もう1台がフェラーリ・レーシング・デイズに姿を現した。著名なフェラーリ・コレクターとして知られる松田芳穂氏が所有する個体だ。登録が済んだことから富士スピードウェイで納車式が行われ、その後コース上で行われた記念撮影の場に並べられた。
こちらのデイトナSP3は、ソリッドカラーのレッドにイエローのストライプを配したカラーリングが特徴で、ラウンジ展示車よりアグレッシブなイメージだ。イベントのオフィシャル・フォト撮影後はパレードランに参加し、流麗な姿とエグゾーストノートをギャラリーに披露した。
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