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軽自動車から普通車へ大変身? 「ジムニーシエラ」同様に軽自動車をベースとしたクルマ3選

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軽自動車から普通車へ大変身? 「ジムニーシエラ」同様に軽自動車をベースとしたクルマ3選

■軽自動車ベースの普通車3選

 クルマを新たに開発するとなると、その開発費は100億円単位のお金がかかるといわれています。莫大な開発費の元を取り、さらに利益を上げるのは容易なことではありません。

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 近年では、フルモデルチェンジのサイクルを長くし、さらに世界中で販売できるようなグローバル化が進められています。それは、とにかくたくさん売って利益を確保するためという理由です。

 軽自動車のような日本国内のみの規格な場合は、とにかく日本でたくさん売るしかありません。そこで、軽自動車に大きいエンジンを搭載し、普通車(登録車)に格上げしたモデルを登場しています。普通車になれば、ターゲットとされるユーザーも増え、開発コストを抑えることにも繋がります。

 ただし、軽自動車はサイズが小さいため、エンジンを大きくするだけでは、乗車定員は増えず、販売面では不利です。それでも、軽自動車ベースで普通車を作ったというクルマはいくつか存在。今回は、そのなかから3車種をピックアップして紹介します。

●スズキ「ジムニーシエラ」

 2018年のクルマ業界で、大いに話題になったのがスズキ「ジムニー」のフルモデルチェンジです。じつに20年ぶりとなる新型を待ちわびた人も多く、またたく間にバックオーダーを抱えるほどのヒット作になりました。

 この「ジムニー」をベースに1.5リッターエンジンを搭載したのが「ジムニーシエラ」です。前後のバンパーを延長し、オーバーフェンダーを取り付け、全長と全幅を拡大していますが、ボディそのものは軽自動車のままなので、室内寸法が大きくなってはいません。乗車定員も4人です。

 スズキ「ジムニー」の場合、この手法で普通車になった歴史は意外と古く、1977年に発売された「ジムニー8」が元祖です。

 当時550ccの2サイクルエンジンを搭載していた「ジムニー」に、800ccの4サイクルエンジンを搭載し、普通車としています。

 ボディサイズは軽自動車のままなので、一見メリットがほとんどないように思えますが、やはり軽自動車はいやという層もあったと考えられます。また当時、高速道路の最高速度が普通車は100km/h、軽自動車80km/hという法律も「ジムニー8」誕生の背景にあったのかもしれません。

 また、同様な手法で作られたクルマはほかに、ホンダ「N600」やダイハツ「ミラジーノ1000」などがあり、逆に排気量をダウンさせて軽自動車にした例では、先代のスマート「フォーツーK」があります。

●スバル「ドミンゴ」

 スバルが軽自動車生産から撤退してもう7年が経とうとしています。さらにスバルは2018年に「エクシーガ クロスオーバー7」の生産を終えたため、ミニバン(3列シート車)からも撤退しています。

 そのスバルがかつて軽自動車ベースの7人乗りワンボックスワゴンを作っていました。

 いまのようなミニバンが売られる以前は、ワンボックスワゴンが3列シート車の主流でした。商用車であるワンボックスバンをベースに乗用車化して、トヨタ、日産、マツダ、三菱など各社が販売。

 スバルはこれを軽自動車ベースで成立させましたが、1983年に発売された「ドミンゴ」です。

 軽ワンボックスワゴンの「サンバートライ」の荷室に3列目のシートを載せ、フロント部分のデザインを変え全長を伸ばして、1リッターエンジンをリアに搭載するRRとなっていました。

「ドミンゴ」は商用的にも成功し、1994年には2代目も発売されたほど。海外に輸出されていたので、軽自動車がグローバルカーになったということです。

 しかし、1リッター(1.2リッターもあり)エンジンで7名乗車はさすがにパワー的に厳しく、実際に乗った人は、「ブレーキングもヒヤッとしたことがある」といいます。

 この手法は他メーカーでも行なわれ、ダイハツ「アトレー7」(車体そのものを長くした)、スズキ「エブリイランディ」、三菱「タウンボックスワイド」などがありました。

 3列シート車ではありませんが、幅を拡大して普通車とした「ワゴンRワイド」(「ソリオ」の前身)という例もあります。

■ひっそりと普通車に格上げされていた「i-MiEV」

●三菱「i-MiEV」

 これまで紹介した2車種と違い、いつのまにか普通車になってしまったのが三菱「i-MiEV(アイミーブ)」です。

「i-MiEV」は同社の軽自動車「i(アイ)」をベースに、エンジンに替わってリチウムイオン電池とモーターをリアに搭載した純粋な電気自動車です。

 発売は、2009年からで日産「リーフ」よりも早く、世界初となる量産電気自動車として話題となりました。しかし、軽自動車という規格では電池容量を劇的に増やすこともできず、補助金があるとはいえ車両価格が約300万円ということもあり、直近の販売台数は低迷しています。

 そんななか、2018年4月にマイナーチェンジが行なわれ、前後バンパーのデザインを変更。その際に85mm全長が伸びて3480mmとなったため軽自動車から普通車になりました。

 全長が伸びた理由として、歩行者保護に関する保安基準の変更に対応したためで、出力や電池容量は変更されていません。こうした事例で軽自動車から普通車となって販売され続けるというのは、非常に珍しいケースです。

 こうなると日本国内の販売はますます厳しくなってしまいますが、「i-MiEV」は52ヶ国で累計約2万3000台を販売しており、軽自動車規格でありながらグローバルカーとしての役目も果たしています。

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