単調な日々が楽しく変わる トヨタ・スープラ 3.0（RZ） 長期テスト（2） 斜め後方の死角に悩む

積算1万6067km　タイヤの空気圧を変えてみる

トヨタ・スープラへ乗り始めて1600kmほど。タイヤの空気圧調整に、最近は時間を取っている。標準で履くミシュラン・パイロット・スーパースポーツは、非常にグリップ力へ優れるものの、もう少し自由度の広い操縦性を与えたいと考えたからだ。

いろいろ試した結果、気温が低い時はフロントが2.5bar、リアが2.1barが望ましい様子。高速道路では少しタイヤノイズが大きくなるものの、それを我慢するのに不足ない楽しさが追加される。

積算1万7855km　雨の日はリアワイパーが欲しい

トヨタ・スープラにはリアワイパーがない。空力特性ではメリットがあるのかもしれないが、実用上のデメリットは否定できない。

そもそもリアガラスが狭く、後方視界は限定的。雨が降ると大きく傾斜したガラスに水が流れ残り、バックミラーは殆ど意味をなさなくなる。

積算1万9817km　笑顔で鍵が返ってくる

6速MTを搭載したトヨタ・スープラ。長期テストの担当者が、今回から筆者、ジェームス・アトウッドへ変更になった。ただし、英国編集部では人気のクルマの1台で、週末に借りたいと申し出るスタッフは少なくない。実際のところ、殆ど乗れていない。

同僚は、グレートブリテン島の西部まで足を伸ばしたり、ドーバー海峡を越えてベルギーまで小旅行を楽しんだりしているが、残念ながら筆者はまだ。借りていった面々は、全員笑顔で鍵を返してくれる。それだけ楽しんだ、ということだろう。

実用的な2シーターのスポーツクーペ

最近の筆者は、少し遠回りでの通勤と、スーパーマーケットへの買い物、ヒースロー空港までの往復くらいしかできていない。グレートブリテン島の南西部、サマセット州に住む家族へ会いに、高速道路のM4号線とM5号線を使ったのが1番の遠出だ。

どれも平凡な自動車移動といえるが、スープラへ乗るたび、気分を上げてくれることは間違いない。退屈な目的で乗り込んでも、楽しくなってしまう。

2シーターのスポーツクーペとして考えると、実用的でもある。ボンネットは長めだが、サイズ感を掴めば市街地でも取り回しは難しくない。狭い駐車場にも、悩むことなく停められる。

さほど広く見えない荷室も、空間を考えて荷物を並べれば、想像以上に積める。長期旅行などでは、硬いスーツケースではなく、柔らかいバッグを選んだ方が良いとしても。

カーブの多い道を楽しめるが、高速道路も快適。クルーズコントロールをオンにすれば、淡々と距離をこなしてくれる。乗り心地はしなやかで、低い位置のシートは長時間座っても疲れにくい。

ただし、日常的に乗っていると気になる部分も出てくる。リアピラーが太く、斜め後方の視界が少々悪いことが、まず1つ。両側にSUVが止まった駐車場からバックで出る場合などでは、後ろの状況を見てくれる人を立てたくなる。バックカメラが使えるとしても。

単調な日々を楽しく変えてくれる

メーター用モニターのシンプルなグラフィックは好ましいが、情報は不足気味。燃費や航続距離を確認するのに、ワイパー・レバーの先端にあるボタンを押して切り替える必要がある。高速道路で遠くを目指す場面などでは、知りたい情報だと思う。

シートのデザインにも、改善してほしい部分が1つ。基本的には、身体をしっかり支持しつつ座り心地が良く、快適なアイテムではある。しかし、ヘッドレストの下にシルバーのプラスティック製トリムがあり、筆者の身長の場合は首に当たって具合が悪い。

同僚から、シートの不満を聞かされることはなかったから、特定の体型に限られることなのかもしれない。読者の中に、筆者と同じことを感じているオーナーはいらっしゃるだろうか。

とはいえ、いずれの不満もワインディングでスープラの走りと向き合っている時には、気にならなくなる。スープラが、単調な日々を楽しく変えてくれることは間違いない。

テストデータ

気に入っているトコロ

エンジンサウンド：直列6気筒エンジンは、どこを運転していても素晴らしいサウンドトラックを届けてくれる。

気に入らないトコロ

リアピラー：斜め後方の死角には、悩まされることがしばしば。

価格

モデル名：トヨタ・スープラ 3.0（RZ） マニュアル（英国仕様）
新車価格：5万4630ポンド（約1010万円）
テスト車の価格：5万5280ポンド（約1022万円）

テストの記録

燃費：11.2km/L
故障：なし
出費：なし

Comments

[ymb********]

今のレートで英国だと1000万以上もするんですね。
開発コストと性能を考え日本の価格はコスパに優れています。

[NAS********]

やはり見た目が大事かと